十角館の殺人 (講談社文庫 あ 52-1)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061849792

感想・レビュー・書評

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  • やられた!とうなった思い出の一冊。
    新本格ファンになりました。
    映像化は出来なそうだ、と真剣に考えてました。

  • 綾辻氏のデビュー作...らしい(^ ^;

    よくぞこんな凝ったトリックを考えたな、
    という「アイディア一発勝負」的な印象。
    文章は、読みやすいけど「若い」感じ。

    設定にも若干無理があったり、
    というのは「今時のミステリ」なら
    無理からぬことか。
    本当に「DNA鑑定」と「携帯電話」
    のある時代というのは、
    ミステリが成立しにくいですなぁ...(^ ^;

    でも、二つの事件が並行して謎解きされ、
    つながっていると思われた二つが
    実はまったく別の動機で起きている、
    ということが解明されて行くくだりは、
    ぐいぐいと読み進めて行かれる感じ。

    最後、ちょっと「謎解き部分」が
    長過ぎるような気はしないでもないが、
    これだけ凝ったトリックなら仕方ないか。

    全体的には、楽しく読めました(^ ^

  • 今となっては古典的な雰囲気もする新本格の代表。
    読者には分からない系の叙述トリックではあるが十分犯人当てのヒントはちりばめられている。
    どう考えてもこの館の構造が怪しいと思いきや、その使い方もさらっとさりげないものだったのが感心した。テンポが非常に良い反面、登場人物のキャラが立ってくる前に次々と殺人が行われていってしまうのが少し残念だ。その分、トリックは際立ってくるのだが。

  • 館シリーズ1作目でありデビュー作。
    エラリイやアガサなどのニックネームで呼ばれる登場人物がとてもユニーク。
    文句なしに面白い。
    離れ小島で連続殺人事件が起こるが、最後まで犯人がわからず、やられた!って感じ。

  • おもしろかった。
    ドラマ化の宣伝を見て、そういえば持ってたなと、積読の山を無視して、本棚の奥から引っ張り出して読む。
    こうなると、館シリーズを全て読みたくなるけれど、積読の山を差し置いてまではなかなか。いつになることやら。でもいつかは。

  • 衝撃の一行という謳い文句がありますが、人によってそこまでな可能性も。期待値を上げすぎないことをお勧め。単純に楽しめる作品ではありました。

    ただ作中で出てくる、数ヶ月前の事件においてなぜ左手を切ったのかという疑問は解かれないままでモヤモヤも。そこに事態は事実としてあっただけで、そこはあくまで伏線という考え方もできます。

  • ミステリーの解決シーンは一気に読破
    並行して進む本土と島とのストーリーがいい
    トリックとしても面白かったが、もう少しどんでん返しな感じか好き

  • たしかに「衝撃の一行」だった!
    このどんでん返しのトリック一発だけでなく、孤島の館と本土の謎解きが同時に進んでいくというお話の構造も魅力的で面白かった。一気読み。
    映像化されるとのことだが、これをどうやって映像に落とし込むのだろう?無理じゃね?笑

  • 実写化されると聞き、再読

    犯人がわかった状態で読むのもまた楽しい

    改めて読むと、守須くん復讐のためとはいえ、すげえ労力だね。よく頑張ったw

    コナンくん、まんまとアリバイ作りに利用されちゃっててウケる

  • 想定してた結末に似ていたけれどもそれでも一文でゾッとした。

  • おほえー
    これが本格ミステリの始まりなのかと思うと感慨深い。いやはや読んでみるとなぜ気づかなかったと思うことばかりで綾辻作品の技巧を感じる。しかし、ミステリ読まないからこれが普通なのかもしれないですけど、人、死にますねー。「Anotherだったら死んでた」ってワードがありますが、いつか「綾辻作品だったら死んでた」ってワードができそう。

  • なぜ、小学生の頃から金田一少年の事件簿や名探偵コナン、夢水清志郎シリーズや三毛猫ホームズシリーズなどのミステリー小説が大好きな私が、三十路を半ばも過ぎて今更この作品に手を出したかというと、第一に他の好きな作家を追うので忙しかったというのもあるが、逆にこの作品があまりにも有名すぎて、最早「現代本格ミステリの教科書」みたいな扱いであったからである
    10代~20代をひねくれ者で過ごしてきた私は、この作品のあまりの有名ぶり知名度ぶりにある種の辟易を抱いてしまったのだ
    この歳になってやっと「そろそろベタなのも読んでおこうか(失礼)」という気になり、敢えて改訂前の文庫版を図書館で借りてきたのだった

    前置きが長くなってしまったが、まずは謝罪を
    綾辻行人先生、そして綾辻作品のファンの皆様ならびにミステリファンの皆様、大変申し訳ありませんでした
    どこのどんなミステリ作品の紹介を見ても必ず目にする、「ベタな作品」がそのように扱われる理由を、まざまざと見せつけられる、そんな作品でした

    まずもってこの「十角館の殺人」という作品が数多の国内ミステリファンから絶賛される理由は、決して有名だからだとかいうちゃちなものではなく、傑作だからであるというだけのものだった(至極当然ではあるが)
    そう思うに至ったエピソードをひとつ
    実は、十角館の殺人を読もうと思って先に作品紹介しているブログやYouTubeなどであらすじなどをリサーチしていた段階で、私はネタバレを踏んでしまっていた
    孤島に建つ十角館に滞在することになった大学ミステリー研究会のメンバー、エラリイ、ルルウ、カー、ポウ、ヴァン、アガサ、オルツィが連続殺人に巻き込まれる中、同時進行で本土では怪文書を受け取った元研究会メンバーの江南と現研究会メンバーの守須、そして偶然出会った探偵役の島田潔が過去の十角館の事件を再考するという構成の物語で、館の研究会メンバーが全員死亡したという結末を聞き、自身の研究会でのあだ名を問われた際に守須が発したあの、「ヴァン・ダインです」という台詞
    その台詞を事故的に私は見てしまった上で、「いやこれが犯人を指すかどうかはまだ分からん、誰が言う台詞かにもよるし」と思い、なるべく脳みその端の方に押し込めて読み始めたのだった


    結論として、「分かっていても騙された」


    犯人自体は当たっていた
    メタ的な推理ではあるが、多分ヴァンか守須が犯人だろう、中村紅次郎はミスリードだろうな、というところまでは考えていた
    守須の描いていた絵の意味にも気付けたし、十角館の管理人の名前にもピンときていた
    だが、「ヴァン・ダインです」の台詞を目の当たりにするまで、ついぞ守須=ヴァンという仕掛けに気付くことは出来なかった
    見事に騙された時のこの快感は、まさにミステリの醍醐味ではないだろうか
    この小説という媒体を活かしたトリックはシンプルだからこそより「やられた!」という気持ちにさせられるのだと感じた
    そして綾辻先生はとても親切な作家だ
    きちんと丁寧に読者が気付くきっかけを随所に与えてくれているし、犯人が十角館以外でどういう行動をしていたのかもちゃんと描いてくれている
    その上で騙されるのだから、分かった時の清々しさがあまりに心地よい
    更に解答編として、探偵の口からではなく犯人の回想という形で、守須がなぜこのような犯行に至ったのかを詳細に描いてくれている
    初めてミステリを読むならこれ、と言われる所以はこういった懇切丁寧な作風にあるのかもしれないと思った

    正直、この令和という時代にはやはり少々ベタだと感じる人もいるかもしれない
    しかし、私はこの作品が不朽の名作であると確信するに至った最大のポイントは、なんといってもエピローグだ
    守須が完全犯罪を終え、子供たちが遊ぶ海辺で1人物思いにふける
    復讐に手を染めるに至った存在である、死んだ恋人の中村千織に胸の内で問いかけながら
    そこに、島田潔がふらりと現れて「自分が思いついた推理を聞いてくれないか」と言う
    その言葉尻から守須が犯人だと考えているような気配を察した守須は、「もう事件は終わったことだから」と彼から離れ海の方へ歩みを進める
    そこに、プロローグで彼が海へ放った自白のボトルシップが偶然にも流れ着いてくる
    もしこのボトルシップが拾われた時、中を見た人間に自分の罪の裁きを委ねようと思って流したそれを見、その様子を少し離れたところから眺めている島田潔を見て、守須は「審判の時」と考え、遊んでいる子供の一人に「これをあの小父さんに渡してくれないか」と渡す--というものなのだが、この何ともいえないほろ苦さと清涼感が入り交じったエンディングは、時代がどれだけ移り変わろうとも決して色褪せずクサくもならないワンシーンであると私は思っている
    エピローグがこの終わり方でなかったら、私のこの作品に対する評価は星4止まりであっただろうと思う

    そのうち我が家の本棚にお迎えする予定だが、今度は改訂版で例の「ヴァン・ダインです」の新たなアプローチに心を震わせたいと思う

  • 全てがわかる、あの名前をあかす一行が好きすぎて何度も読んでしまう。

  • 10数年ぶりに再読。
    トリックや犯人は覚えてたけど、見事に騙されますよね…至高の逸品

  • びっくり

  • いつ振りかの再読。
    すっかり忘れていて楽しめてしまった。記憶力よ…。

  •  推理小説ブームの火付け役にもなったとされる作品で著者のデビュー作。その後続く「館シリーズ」の第一作目。
     日本版「そして誰もいなくなった」といった風情が感じられる設定(部隊が孤島で音信不通、順番に殺される、それを暗示するものがある等々)。トリックもさることながら十角館という奇妙な館という設定自体が楽しめる作品。読み進めていくにつれて、この奇妙な館自体が大きな意味を持っていることが分かるような流れになっている。刑事もののミステリーなどとは違い、設定自体が非現実的であるがゆえに楽しめる。トリックミステリーの王道と呼んでもいいかもしれない。

  • 古典ミステリー好きにはオススメ
    2019年の今読むと、少し古臭いかなぁと感じてしまう

  • あれ?読んだことあった?と思いながらもどんな結末だったか忘れていて、気になって気になって一気に読んだ。
    綾辻さんの本は読むたびに気になる登場人物の行動や言動が変わる。違った視点で読めるのが面白い。

  • なにげなく手に取った実は初めての綾辻さんの作品。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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