46番目の密室 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061858961

感想・レビュー・書評

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  • 作家アリス&火村英生シリーズ第1作。「密室」がメインですが、バックに登場人物が抱える秘密や苦悩が流れていて、作品の陰影を深めています。最初に読んだ頃よりも、古今の名作ミステリを幾つか読んだ今、面白みが増しました。

  • 20年ぶりくらい三度目に読んだが、新鮮に読めた。
    火村シリーズが今でも好きなので、記念すべき第一作目はやはり愛すべきものと思う。

  • 「どんでん返し」や「意外な結末」「秀逸なトリック」といったものはないので、それを期待しすぎると肩透かしをくらうかも。内容は、事件が起き、火村が推理する、というシンプルなもの。
    明智小五郎やホームズのような、探偵の冒険活劇を書いた作品です。
    登場人物たちの愛憎模様や、火村とアリスのかけあいが面白かったです。

  • 46番目の密室

    講談社文庫 あ-58-2.

    著者:有栖川有栖(ありすがわ ありす)
    発行所:株式会社講談社

    1995年3月15日 第1刷発行
    2006年3月24日 第29刷発行



    4-06-185896-3c0193¥590E.

  • 「有栖川有栖」の長篇ミステリ小説『46番目の密室』を読みました。

    『スウェーデン館の謎』に続き「有栖川有栖」作品です。

    -----story-------------
    臨床犯罪学者「火村英生」シリーズ第1作!
    本格ミステリの金字塔!

    日本の「ディクスン・カー」と称され、45に及ぶ密室トリックを発表してきた推理小説の大家「真壁聖一」。
    クリスマス、北軽井沢にある彼の別荘に招待された客たちは、作家の無残な姿を目の当たりにする。
    彼は自らの46番目のトリックで殺されたのか―。
    「有栖川」作品の中核を成す傑作「火村シリーズ」第一作。
    -----------------------

    探偵役である臨床犯罪学者「火村英生」と、「ワトソン」役の推理作家「有栖川有栖(アリス)」のコンビが活躍する作家「アリス」シリーズの作品の第1弾となる作品、、、

    45の密室トリックを発表した推理小説の大家「真壁聖一」が、密室と化した地下の書庫の暖炉に上半身を突っ込むという悲惨な殺害を「有栖川」と「火村」が解決する物語です。

     ■フラッシュ・バック
     ■第一章 密室の巨匠
     ■第二章 焦茶色のサンタクロース
     ■第三章 夜の贈り物
     ■第四章 不浄の夜(アンホーリ・ナイト)
     ■第五章 謎を数える
     ■第六章 フィールドワーク
     ■第七章 犯人捜し、密室捜し
     ■第八章 火の答え
     ■エピローグ
     ■あとがき
     ■解説 綾辻行人

    1991年のクリスマス、北軽井沢の別荘で開かれる、〈密室の巨匠〉と呼ばれる推理作家の「真壁聖一」主催の集まりに参加した「有栖川有栖」と「火村英生」… 「真壁」は毎年、親しい作家や編集者、友人を招いて、星火荘という別荘でパーティーを開催していた、、、

    星火荘に集まったのは、住人の「真壁」と妹の「佐智子」、その娘「真帆」、「真壁」をホテル火災から救助して殉職した消防士の息子「桧垣光司」… そして、客として招かれた「有栖川」と「火村」、ミステリ作家の「石町慶太」と「高橋風子」、「真壁」の各社の担当編集者「杉井陽二」、「船沢辰彦」、「安永彩子」だった… その夜、これまで45もの密室トリックを発表し、〈日本のディクスン・カー〉とも称される「真壁」が、現在最後の密室ものを執筆中で、今後は、まだ誰も見たことのない〈天上の推理小説〉を目指すと宣言し、密室トリックからの引退を仄めかす。

    その後、星火荘では、少しずつ不可解な出来事が起こり始める… 「真帆」は右頬から首筋にかけて火傷のある不気味な男が家の周りをうろついているのを見かけ、そして、誰かの悪質ないたずらか、履いていなかった靴に白ワインを注がれたり、階段に石灰がまかれたり、窓にいたずら書きをされたり、部屋中にトイレットペーパーが転がされたりしているのが発見される、、、

    クリスマス・パーティーが終わった深夜2時、ふと目を覚まして窓の外を眺めた「有栖川」は、車庫の裏手から足跡が星火荘に続いていることに気が付き、一階へ調べに行ったところ、「真壁」の書斎から何やら物音がしていることに気付き、ドアを開けようとした瞬間、頭を殴られて気を失ってしまいまう… やがて目を覚ました「有栖川」は、「火村」らと内側から掛け金をかけられた書斎の中に入り、暖炉に上半身を突っ込む形で焼死体となっている男を発見する。

    その焼死体は、どうやら、家の周りをうろうついていた正体不明の男らしい… この事件をきっかけに一堂が集まるが「真壁」の姿が見えない、、、

    地下室の書庫に探しに行くと、掛け金が降りているらしくドアは開かず、ドアを蹴破ったところ、書斎にあった焼死体と同じ状態で「真壁」が殺されているのを発見する… 書斎で殺されていた男は何者なのか?星火荘で起こったいたずらは、殺人事件と関連性があるのか?そして何故犯人は、書斎と地下室を密室にしたのか?

    やがて、書斎の暖炉で死体と一緒に燃やされていたのは、「真壁」の46番目の密室のトリックを書いたメモであったことが判明… 「真壁」の密室殺人事件の真相とは!?「真壁」は自身が考案した46番目の密室で死んだのか?

    群馬県警の刑事らとともに、「有栖川」と「火村」が事件の謎を解き明かします… 「真壁」と肉体関係があった人物の愛憎に、「光司」の父親が殉職したホテル火災での出来事(恨み)が絡み、事件を複雑化していたんですね、、、

    暖炉の煙突を使ったトリックは、なかなか面白かったです… でも、同じ殺害方法に思えた二つの殺人が、実は別々な方法で殺害されいたとはね。

    このシリーズの特徴でもありますが、、、

    「有栖川」と「火村」二人のコンビが、丁寧に事件を解決してくれるので、わかりやすくて愉しめる新本格ミステリに仕上がっていました… 読みやすくて気分転換にはぴったりですね。





    以下、主な登場人物です。

    「火村英生」
     臨床犯罪学者。32歳。
     母校である英都大学社会学部の助教授。犯罪社会学の講座を持っている。
     犯罪に興味を持ったきっかけは、「人を殺したい」と思ったことがあるため。
     北海道生まれだが、父親の転勤で各地を転々とした。
     現在は学生時代から暮らしている、京都の北白川の下宿で一人暮らし。
     両親は他界し、下宿の大家の婆ちゃんとは親子のように仲が良い。

    「有栖川有栖(私)」
     推理作家。32歳。名前はペンネームではなく本名である。
     英都大学卒で、火村とは学生時代からの友人。大阪生まれ、大阪育ち。
     現在は大阪の夕陽丘の2LDKのマンションに1人暮らし。
     27歳まで印刷会社の営業マンとして勤務、ゴールドアロー賞佳作に入選しデビュー。
     推理小説は学生時代から書いていた

    「真壁聖一」
     推理作家。50歳。
     デビュー以来発表した長編作品の全てが密室もので、32ある短編の内22も密室ものという、
     “密室の巨匠”であり、〈日本のディクスン・カー〉というニックネームを付けられた。
     46作目となる長編作品を執筆中だが、密室ものとしては最後の作品になることを宣言する。

    「真壁佐智子」
     春彦の妹

    「真壁真帆」
     佐智子の娘。高校2年生

    「桧垣光司」
     同居人。高校2年生。
     10年前に浅間山の麓のホテルで発生した火災で消防士だった父が殉職し、
     その火事で光司の父に助けられた真壁が、生活に窮していた命の恩人の遺族である檜垣母子を自分の家へ招いた。
     母・直美は家政婦として仕え、2年前に交通事故で亡くなった

    「高橋風子(かぜこ)」
     推理作家。通称・フーコ

    「石町慶太」
     推理作家。アリスより1歳年上。真壁と同じくトリッキーな本格ものが得意

    「杉井陽二」
     大手出版社・青洋社の編集者。
     40過ぎ。いつもバーバリーで身を固めるおしゃれな男性

    「船沢辰彦」
     出版社・珀友社の編集者。
     杉井より5歳年上。大阪育ち。杉井とは対照的に、二重顎で太めの体型

    「安永彩子」
     ブラック書院の編集者。29歳

    「鵜飼」
     群馬県警警視。キャリア

    「大崎」
     北軽井沢署刑事。鵜飼より10歳以上は年上

     

  • 文章は読みやすく、どんどん読めた。
    でも全てがありきたりで、『そうだったのか!』『だまされた!』というところはなく面白みには欠けたかなぁ。

  • 大好きな作家有栖シリーズの一作目

  • 2021.11.13 読了

    読みやすくて面白かった
    30年前の作品なのでトリックにはさほど驚きはなかったけど犯人の動機には「え?そっち?」と驚かされた
    今読むからその動機もサラッと受け入れられるしそりゃよりドロドロとしてただろうねと思えるけど発表当時はどうだったんだろうな

  • うーん。犯人判った!と思ったのに。冒頭の事件があったからなー けど、なら、中ほどのあれやこれやはあまり意味なくなるもんねアリス!

  • 20年ぶりくらいに読んだ…
    アリスと火村先生コンビの一作目だったとは。
    初々しさを感じるのと、最初から案外捜査に参加させてもらえてたんだな、っていう。
    46番目の密室がどんなものなのか気になる!

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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