毛利元就(2)(山岡荘八歴史文庫 50)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061950504

作品紹介・あらすじ

尼子6万の大軍が吉田郡山城を囲む。対する毛利元就の総勢はわずか7000。長子隆元を人質としてまで頼った大内義隆からの援軍もなく、城を枕に討死覚悟の将士に元就は自信に満ちた声で告げる。「この戦、勝った!」。元就のあざやかな智略……。だが皮肉にも、その勝利が、元就をいっそうの苦難へ追いこんでいく。

感想・レビュー・書評

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  • 後半は毛利家はほとんど出てこず陶晴賢と大内家の話、および毛利家に仕えていた牒者の話ばかり。あまりエピソードがなかったのだろうか。申し訳程度に最後に厳島合戦が出てくるばかり。

  • 今回は、前回の続きである程度中国地方を平定するまでの話です。

  • 尼子の大軍六万に囲まれ、篭城戦をとった元就。大内の援軍も遅参し絶体絶命の状況で、驚天動地の逆転劇。城内で恐怖心を増やさないために、家臣や家族をねぎらい結束を固めていくその心は、多くの経営者にとって模範となるだろう。

    元就が中国を制覇したのには、兵法に寄らずに自分の勘を鍛えた天性の才能、幼い頃の不寓による忍耐力もあったろうが、尼子や大内といった強敵の後継ぎがことごとく愚鈍であったということにも負っている。信頼できる家臣にも、息子にも恵まれた。彼が江戸時代に国人のような身分で生まれていれば、一生そのままであったことだろう(よい国家老ぐらいには出世できただろうが)。まさに時代が生んだ寵児である。

    元就の成功は、ひとえに彼の人徳と民を憂い国を和平で治める経綸の志があるゆえ。その象徴となっているのが、間諜の成田小五郎と於仙の夫婦の存在感。於仙などは恋愛沙汰をまで操り、大内家内紛の騒動の種をつくりあげる。最後はこの夫婦の別れで締められる。

    主家を滅ぼした陶晴賢を厳島との合戦を打ち破ったところで物語は幕を下ろす。以後の尼子とのことは書かれていないが、毛利家が中国を制覇したのは皆が知るところであったので蛇足であったのだろう。

    元就の夢は、勤王であり、かつ国土の安定と民草に戦乱のない日常を約束することであった。個人の享楽のみのために謀略に終わる、領地を広げることに囚われ戦争を広げていく、という夢との対比がおもしろい。

    当世代の横の連携のみならず、その高い理想を子々孫々まで継承すべきという「百万一心、百代一心」の思想はすばらしい。

  • 百万一心、百代一心
    ちょっと美化しすぎ、省略しすぎ。

  • 尼子氏の大軍が吉田郡山上城を取り囲む。その数、六万。対する毛利軍はわずかに七千。
    頼りの大内氏からの援軍は未だ来ず、城は落ちるかに見えたその時、元就の知略が劣勢の戦をあざやかに覆す。
    しかしその勝利が毛利に更なる苦難を与え、時は運命の厳島合戦へ――。

    二巻は元就が長男・隆元を大内氏への人質とすることで尼子氏から決別。そのために攻め寄せた尼子氏を退け、更に大内氏を滅ぼした陶氏との厳島の決戦が描かれています。
    物語はここで終わり。
    その後の中国地方における毛利家の地位は誰もが知るところ。関が原以降も大減俸はあれど徳川の世を幕末まで一大名として過ごすことになります。

  • 信長、秀吉よりは、家康に近いと思った

  • 厳島の戦いまで描いて終了。

    とにかく駆け足。
    まだ若いと思っていたら、
    いつの間にか老齢になっていたり、
    亡くなっていたり、
    子供だと思っていたら、
    いつの間にか成人していたりして、
    少々面食らった。
    全二巻だから仕方が無いけど。
    そして山岡先生らしい話だった。

  • 「戦国最高の知将」と後世評される毛利元就。
    やはり2巻では厳島の戦いまでだった。
    せめて月山富田城攻めまでは続けてほしかった。
    とにかくテンポが早くて残念。

  • 毛利好きにはたまらない作品。

  • 以前、山岡さん著の「伊達政宗」を読んだ時も思ったのですが、山岡さんの本は、人生における大切なものを教えてくれます。

    例えば、「自分を滅ぼす原因はつねに、自分の内部にあって、決して他人にあるのではない。」「野心だの、像上慢だの、怯懦だの、事なかれ主義だのと・・・はじめから正しい性根の通らぬ計画は、みなこのように狂うもの」等々です。

    こういった事は仕事、ビジネスにおいても示唆深いものです。

    心に留めておこうと思います。

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著者プロフィール

明治四十年(1907年)新潟県に生まれる。十四歳で上京し、博文館印刷所に文選工として働く。長谷川伸に師事、山岡荘八の筆名を用いる。昭和二十五年(1950年)より、北海道新聞に『徳川家康』を連載開始。昭和二十八年(1953年)単行本の刊行が始まり、ベストセラーとなる、『徳川家康』により、第二回吉川英治文学賞を受賞。以後、歴史小説を中心に創作する。昭和五十三年(1978年)七十一歳で亡くなる。

「2023年 『水戸黄門 下巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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