一個・秋・その他 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061961210

作品紹介・あらすじ

野間文芸賞、芸術院賞両賞受賞の短篇集『一個その他』から、世評高い作品集『カレンダーの余白』『青梅雨その他』『雀の卵その他』、そして川端賞受賞の『秋その他』に至る短篇の名手・永井龍男。その晩年の短篇集の中から、「一個」「蜜柑」「杉林そのほか」「冬の日」「青梅雨」「雀の卵」そして名品中の名品「秋」など14篇の短篇の冴えを集成。

感想・レビュー・書評

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  • 秋、鎌倉を舞台にした小説

  •  城山三郎氏のエッセイにしばし短編の名手として紹介される永井龍男氏。
    文藝春秋社に編集者として入社し取締役まで勤めた後に公職追放もあって作家に専念し、直木・芥川賞選考委員も務めたような事がウィキには書いてあるが、私は全然知らない作家だった。
     収録作品の執筆は昭和30年代から50年代まで、約20年にわたる。

     一個(昭和34年 1959年 8月 作者55歳?)

     蜜柑(昭和33年 1959年 2月 作者54歳?)

     杉林そのほか(昭和37年 1962年 2月 作者58歳?)
      小説というよりエッセイ風。杉林/金柑/木瓜 の三編。
      二人の娘の結婚と 友人の死が語られる。

     冬の日(昭和40年 1965年 5月 作者61歳?) 
      この本の中では比較的長い作品。年末に家を清める、孫のある女性。 正月を迎える、当たり前の光景のようだが、女性は家を去るために、 障子を張り替え、畳屋まで呼んでいるようだ。そして客がやってくる。
      

     青梅雨(昭和40年 1965年 9月 作者61歳?)
      城山三郎が日本の短編ベストスリーに入れたい、と
     随筆「日帰りの悔い(無所属の時間で生きる)」で紹介した作品。
     「あおつゆ」という読み方も、言葉も初めて知った。

    いてふの町(昭和40年 1965年 12月 作者61歳?)
      これも比較的長め。銭湯と二人の老人。いちょうを公孫樹と呼ぶのを
     初めて知った。三国志に出てくる公孫 瓚なんかの姓はイチョウという
     意味なのかな?

     雀の卵(昭和46年 1971年 4月 作者67歳?)
      作者の自伝的作品の模様。

     日ごよみ(昭和44年 1969年 9月 作者65歳?)

     粗朶の海(昭和51年 1976年 9月 作者72歳?)
      これも自伝的作品。二人の兄について。

     谷戸からの伝言(昭和52年 1977年 5月 作者73歳?)
      入院の顛末と飼い猫の死。

     昨日今日(昭和52年 1977年 8月 作者73歳?)
      これもエッセイ風の身辺雑記。

     日常片々(昭和55年 1980年 8月 作者76歳?)
      散歩/鉱泉宿/蟬/秋日/からす瓜/梅/夏蜜柑/遺産の返礼
      これも身辺雑記。鎌倉と人の心のうつろい。

     秋(昭和49年 1974年 1月 作者70歳?)
      月見座頭、娘の義母の死、一人の月見。
      名品中の名品、と裏表紙にある。








      


     
     

  • 2010/2/25購入

  • 2009/
    2009/

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