- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061962767
作品紹介・あらすじ
井伏鱒二の色紙にある“捷平はげん人(げんじん)なり”のように、つつしみ深く、含羞のある、飄々たるユーモアに遊ぶ精神。掘り返された土に陽があたる田園や、父母や妻子の風景を、いわば“魂の故郷”を、都市の文明に決して汚されぬ眼で、こよなく暖かく描き続けた、作家・木山捷平の自由なる詩心。正に“人生を短篇で読む”絶好の初・中期珠玉の飄々短篇集。
感想・レビュー・書評
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井伏鱒二の知己、木山捷平。未読でしたので、作風に通う所があるかしら、と期待しつつ初期短編集と謳うこの文庫を手始めに。
井伏鱒二と比べると、空気感と云うか、世界観?が狭いような気がしますが、それ以上に深く沁みわたる粒揃いの短編ばかりでした。『初恋』の瑞々しさもそのオチも良かったですし、『出石城崎』も初恋を彷彿させるこそばゆいドキドキ感にページをどんどん捲ってしまう(ああ勿体無い)『竹の花筒』『修身の時間』共にクスリとさせるオチがたまらなく好き。『氏神さま』『山ぐみ』登場する子どもの可愛い事!
いずれも自身の記憶や、息子さんの小さかった頃の目線で見た物を描いたものか、どれもこれも、懐かしく微笑ましく、心に染み入ります。
何よりも『子におくる手紙』は必読。子のある親も、親元を離れて暮らしている人も是非。親孝行したくなります。 -
「子におくる手紙」は必読
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会社の行き帰りに読むのにとてもよい。すっと入ってきてしみじみできる。
登場してくる子供がいちいちかわいい。