- Amazon.co.jp ・本 (83ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062092357
作品紹介・あらすじ
昭和初期の日本を描いた川瀬巴水の木版画と、林望の詩文が織りなす、ノスタルジアの二重奏。
感想・レビュー・書評
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久しぶりに大満足の一冊。
正直、一緒についてくる
リンボウ先生の詩や散文が邪魔だけど(笑)
彼が巴水を紹介してくれなかったら
私は一生この素晴らしい画家と出会っていなかった
と思うので、大目に見ることにするか
(えらそうだな、おい)
リンボウ先生いわく
「夕暮れを描かせたら最高」の画家・川瀬巴水は
大正から昭和初期にかけて活躍した人です。
でも、浮世絵に似た画法のそれは
たいして画壇の評価がなかったらしく
長い間日の目を見ることがありませんでした。
先生はふとしたきっかけで
彼の版画を手に入れてからはまっちゃって
自分が収集した絵に
詩などをつけて出版するに至ったわけです。
たしかに夕暮れも素晴らしいけど、明るいのも私は好き。
「天草より見たる温泉ケ嶽」なんて
どうしたらこんな綺麗な色が出せるんだろう
っていうくらい素敵。
夕暮れものでは「麻生の夕」なんか
コローの絵と構図も色合いも似ていて
すっごく心惹かれました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古本屋で700円で買った。
巴水のコレクターの林望氏が自身のコレクションの版画とともに、短い詩とか随筆を載せた本。
阿部出版の画集を持っているので、作品としてはダブるものばかりだったけど、やっぱり買っておこ、と思わせたのは巴水の作品の魅力ゆえだ。最近、新版も発売されたが判型が違う。こっちの旧版のほうが外函ついているし蔵書っぽくて良い。
でも林望氏の文章に親しみを感じなかった。夕暮れから想起する郷愁とか懐古とか、受け取れなかった。人気のある作家だから、こういう文章が好きな方もいるのだろうけど自分には合わなかった。
二階堂の麦焼酎CMを見た後のような気分になりたかったなあ…
画集としては☆5つだけど、文章でマイナス2。
巴水の作品が多く掲載されている阿部出版の画集だが値段が高いので、その半額くらいの東京美術から出ている画集がお薦め。