夕暮れ巴水: 林望の日本美憧憬

著者 :
  • 講談社
4.00
  • (4)
  • (5)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 35
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (83ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062092357

作品紹介・あらすじ

昭和初期の日本を描いた川瀬巴水の木版画と、林望の詩文が織りなす、ノスタルジアの二重奏。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久しぶりに大満足の一冊。
    正直、一緒についてくる
    リンボウ先生の詩や散文が邪魔だけど(笑)
    彼が巴水を紹介してくれなかったら
    私は一生この素晴らしい画家と出会っていなかった
    と思うので、大目に見ることにするか
    (えらそうだな、おい)

    リンボウ先生いわく
    「夕暮れを描かせたら最高」の画家・川瀬巴水は
    大正から昭和初期にかけて活躍した人です。
    でも、浮世絵に似た画法のそれは
    たいして画壇の評価がなかったらしく
    長い間日の目を見ることがありませんでした。
    先生はふとしたきっかけで
    彼の版画を手に入れてからはまっちゃって
    自分が収集した絵に
    詩などをつけて出版するに至ったわけです。

    たしかに夕暮れも素晴らしいけど、明るいのも私は好き。
    「天草より見たる温泉ケ嶽」なんて
    どうしたらこんな綺麗な色が出せるんだろう
    っていうくらい素敵。
    夕暮れものでは「麻生の夕」なんか
    コローの絵と構図も色合いも似ていて
    すっごく心惹かれました。

  • 古本屋で700円で買った。

    巴水のコレクターの林望氏が自身のコレクションの版画とともに、短い詩とか随筆を載せた本。
    阿部出版の画集を持っているので、作品としてはダブるものばかりだったけど、やっぱり買っておこ、と思わせたのは巴水の作品の魅力ゆえだ。最近、新版も発売されたが判型が違う。こっちの旧版のほうが外函ついているし蔵書っぽくて良い。


     でも林望氏の文章に親しみを感じなかった。夕暮れから想起する郷愁とか懐古とか、受け取れなかった。人気のある作家だから、こういう文章が好きな方もいるのだろうけど自分には合わなかった。
     二階堂の麦焼酎CMを見た後のような気分になりたかったなあ…


     画集としては☆5つだけど、文章でマイナス2。


     巴水の作品が多く掲載されている阿部出版の画集だが値段が高いので、その半額くらいの東京美術から出ている画集がお薦め。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1949年東京生。作家・国文学者。

慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程満期退学(国文学専攻)。東横学園短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年日本エッセイスト・クラブ賞。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(Pコーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で、国際交流奨励賞。学術論文、エッセイ、小説の他、歌曲の詩作、能作・能評論等著書多数。『謹訳源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年毎日出版文化賞特別賞受賞。2019年『(改訂新修)謹訳源氏物語』(祥伝社文庫)全十巻。ほかに、『往生の物語』(集英社新書)『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)等古典の評解書を多く執筆。『旬菜膳語』(岩波書店・文春文庫)『リンボウ先生のうふふ枕草子』(祥伝社)、『謹訳平家物語』全四巻(祥伝社)『謹訳世阿弥能楽集』(檜書店)『謹訳徒然草』(祥伝社)等著書多数。

「2021年 『古典の効能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

林望の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×