「無言館」ものがたり

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062094924

作品紹介・あらすじ

信州の丘の上にたつ小さな美術館「無言館」。
太平洋戦争で亡くなった画学生たちの作品や遺品を展示している小さな小さな、美術館です。
このいっぷう変わった美術館を作るために、遺族を探しあて、全国を旅して遺品を集め、金策にも走りまわった窪島誠一郎さんが、熱い思いを秘め、やさしく語りかける感動のノンフィクション。

こころざしなかばで戦争にかり出された画学生が、出征直前まで懸命に描いた絵。
戦地でそっと描いたスケッチや、ふるさとの家族にあてた絵ハガキ。
愛用の絵の具や絵筆、スケッチブック。
ひとつずつ胸をうつエピソードをもつ作品や遺品は、言葉を発することなく、今日も信州の丘の上の小さな美術館で、おとずれる人を待っているのです。

(作品22点のカラー口絵つき)

第46回産経児童出版文化賞JR賞受賞作

感想・レビュー・書評

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  • 父の故郷の長野県上田市にあるので、一度行ってみたいと思っていた。設立者の窪島誠一郎氏にも興味があった。しかし、自分は何のためにここに行くのだろうか。絵に特別な興味のない自分が。

    第一に、絵を描きたいという思いを持ちながら、戦争によって妨げられた学生たちがいたことを知るため。そして、自分が当時よりは恵まれた現代に生きていることを感謝し、日々を一生懸命生きるため。

    第二に、戦争の愚かさ・悲惨さを忘れないため。窪島氏にとっては、戦争による両親の苦労を忘れないためでもあった。氏は戦時中は幼なかったため戦争の苦労は覚えておらず、五十過ぎまで戦争のことやそれによる両親の苦労を考えてこなかったことに後ろめたさを感じていた。

    第三に、今も世界で行われている戦争で苦しむ人のために何かできることはないかを考えるため。彼らが生きる喜び(画学生にとっての絵を描くことのような)を持って生きられるように。

    無言館の建設は戦争責任のある国が行うべきという意見。そうではなく民間でやることに意義があるという意見。窪島氏はそういう意見に振り回されず、自分のための仕事としてやることを決意する。

    無言館完成の日に窪島氏の心に響いてきた戦没画学生の歌は感動的。

  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA40480233

  • (2001/8/29(水))

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著者プロフィール

くぼしま・せいいちろう
1941年、東京生まれ。
印刷工、酒場経営などを経て、
64年、東京世田谷に小劇場の草分け
「キッド・アイラック・アート・ホール」を設立、
また
79年、長野県上田市に
夭折画家のデッサンを展示する
私設美術館「信濃デッサン館」、
97年には、戦没画学生慰霊美術館「無言館」を設立した。
主著:
実父水上勉との再会を綴った『父への手紙』
(筑摩書房、NHKテレビドラマ化)、
『信濃デッサン館日記・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ』(平凡社)、
『無言館ものがたり』『無言館の青春』(講談社)、
『「無言館」への旅』『高間筆子幻景』『絵をみるヒント』
『父 水上勉』『母ふたり』(以上、白水社)など多数。
受賞:
第四十六回産経児童出版文化賞、
第十四回地方出版文化功労賞、
第七回信毎賞、
第十三回NHK地域放送文化賞を受賞。
二〇〇五年、「無言館」の活動で
第五十三回菊池寛賞受賞。

著書一覧:
『父への手紙』
(筑摩書房、1981年、ちくま文庫版:1985年)、
『信濃デッサン館日記』
(平凡社、1983年、講談社文庫版、講談社、1986年)、
『詩人たちの絵』
(平凡社、1985年、平凡社ライブラリーoffシリーズ版、2006年)、
『手練のフォルム』(信濃デッサン館、1985年)、
『野田英夫スケッチブック 
 アメリカでみつけた二十の小品にみる一日系画家の肖像』
(弥生書房、1985年)、
『信濃デッサン館日記 2』(平凡社、1986年)、
『母の日記』(平凡社、1987年)、
『デッサン集 夭折の画家たち  双書 美術の泉』
(岩崎美術社、1989年)、
『漂泊 日系画家野田英夫の生涯』(新潮社、1990年)、
『わが愛する夭折画家たち  講談社現代新書』
(講談社、1992年)、
『田中恭吉ふあんたぢあ 
「月映」に生きたある夭折版画家の生涯』(彌生書房、1992年)、
『美術館のある風景』(彌生書房、1994年)、
『信濃デッサン館日記 3』(平凡社、1995年)、
『ウッドストックの森から』(西田書店、1995年)、
『絵画放浪』(小沢書店、1996年)、
『無言館   戦没画学生「祈りの絵」 アートルピナス』
(講談社、1997年)、
『関東周辺  ロマンティック美術館  ウイークエンド ナビ』
(フレーベル館、1998年)、
『信州の美術館めぐり  とんぼの本』
(窪島誠一郎・宮下常雄・岩淵順子 共著、新潮社、1998年)、
『「無言館」ものがたり』(講談社、1998年)、
『無言館を訪ねて  戦没画学生「祈りの絵」第Ⅱ集
 アートルピナス』(講談社、1999年)、
『信州の空 カリフォルニアの風 往復書簡』
(窪島誠一郎・野本一平 著、小沢書店、1999年)、
『信濃デッサン館20年 夭折画家を追って』(平凡社、1999年)、
『鼎と槐多 わが生命の焔信濃の天にとどけ』
(信濃毎日新聞社、1999年)、
『無言館ノオト  戦没画学生へのレクイエム  集英社新書』
(集英社、2001年)、
『無言館の詩 戦没画学生「祈りの絵」 第Ⅲ集
アートルピナス』(講談社、2001年)、
『信濃絵ごよみ 人ごよみ』(信濃毎日新聞社、2002年)、
『「無言館」への旅  戦没画学生巡礼記』(白水社、2002年)、
『北国願望・わが愛する美神たち』(北海道新聞社、2002年)、
『石榴と銃』(集英社、2002)、
『「無言館」の坂道』(平凡社、2003年)、
『高間筆子幻景  大正を駆けぬけた夭折の画家』
(白水社、2003年)、
『「明大前」物語』(筑摩書房、2004年)、
『京の祈り絵 祈りびと  「信濃デッサン館」
「無言館」日記抄  かもがわCブックス』
(かもがわ出版、2005年)、
『戦争と芸術 「いのちの画室(アトリエ)」から』
(安斎育郎・窪島 誠一郎 著、かもがわ出版、2005年)、
『雁と雁の子 父――水上勉との日々』(平凡社、2005年)、
『鬼火の里』(集英社、2005年)、
『うつくしむくらし  窪島 誠一郎 ひとり語り 文屋文庫』
(サンクチュアリ出版、2006年)、
『「無言館」にいらっしゃい  ちくまプリマー新書』
(筑摩書房、2006年)、
『「無言館」の青春』(講談社、2006年)、
『「信濃デッサン館」「無言館」遠景 赤ペンキとコスモス』
(清流出版、2007年)、
『鼎、槐多への旅  私の信州上田紀行』
(窪島誠一郎 文、矢幡正夫 写真、信濃毎日新聞社、2007年)、
『かいかい日記 「乾癬」と「無言館」と「私」』
(平凡社、2008年)、『私の「母子像」』
(清流出版、2008年)、
『傷ついた画布(カンバス)の物語 戦没画学生20の肖像』
(新日本出版社、2008年)、
『戦没画家 靉光の生涯 ドロでだって絵は描ける』
(新日本出版社、2008年)、
『無言館の坂を下って 信濃デッサン館再開日記』
(白水社、2008年)、
『美術館晴れたり曇ったり』(一草舎 、2009年)、
『わが心の母のうた』(信濃毎日新聞社、2010年)、
『約束 「無言館」への坂をのぼって』
(窪島誠一郎 著、かせりょう イラスト、アリス館、2010年)、
『無言館はなぜつくられたのか』
(野見山暁治、窪島誠一郎、かもがわ出版、2010年)、
『「戦争」が生んだ絵、奪った絵  とんぼの本』
(野見山暁治・窪島誠一郎・橋秀文 著、新潮社、2010年)、
『いのち  わたし、画学生さんのぶんまで生きる
 「約束」シリーズ』(アリス館、2011年)、
『わたしたちの「無言館」』(アリス館、2012年)、
『粗餐礼讃 私の「戦後」食卓日記』(芸術新聞社、2012年)、
『夭折画家ノオト 20世紀日本の若き芸術家たち』
(アーツアンドクラフツ、2012年)、
『夜の歌 知られざる戦没作曲家・尾崎宗吉を追って』
(清流出版、2012年)、
『父 水上勉』(白水社、2012年)、
『繪摘み etsumi 「信濃デッサン館」「無言館」
 拾遺 窪島誠一郎』(書肆壷中天、2013年)、
『母ふたり』(白水社、2013年)、
『蒐集道楽 わが絵蒐めの道』
(アーツアンドクラフツ、2014年)、
『絵をみるヒント 増補新版』(白水社、2014年)、
『窪島誠一郎・松本猛 ホンネ対談 
<ふるさと>って、なに?!』
(窪島誠一郎、松本猛 著、新日本出版社、2015年)、
『父・水上勉をあるく』
(窪島誠一郎 文、山本宗補 写真、彩流社、2015年)、
『「自傳」をあるく』(白水社、2015年)、
『くちづける 窪島誠一郎詩集』
(アーツアンドクラフツ、2016年)、
『最期の絵  絶筆をめぐる旅』(芸術新聞社、2016年)、
『明るき光の中へ 日系画家野田英夫の生涯』
(新日本出版社、2016年)、
『手をこまねいてはいられない 
 クモ膜下出血と「安保法制」』(新日本出版社、2016年)、
『日暮れの記 「信濃デッサン館」「無言館」拾遺』
(三月書房、2017年)、
『愛別十景 出会いと別れについて』
(アーツアンドクラフツ、2017年)、
『同じ時代を生きて』
(武田志房、窪島誠一郎 著、三月書房、2017年)、
『無言館  戦没画学生たちの青春  河出文庫』
(河出書房新社、2018年)、
『戦没画学生 いのちの繪 一〇〇選』
(窪島誠一郎 著、無言館 監修、
 株式会社コスモ教育出版、2019年)、
『ぜんぶ、嘘』(七月堂、2019年)
『村山槐多詩集』
(村山槐多 著、窪島誠一郎 編、書肆林檎屋、2019年)、
『「無言館」の庭から』
(窪島誠一郎 著、かもがわ出版、2020年)、
『美術の眼  窪島誠一郎コレクシオン I』
(窪島誠一郎 著、アーツアンドクラフツ、2020年)
『美術の眼 2 窪島誠一郎コレクシオンⅡ』
(窪島誠一郎 著、アーツアンドクラフツ、2020年)、
『美術館随想 窪島誠一郎コレクシオンIII』
(窪島誠一郎 著、アーツアンドクラフツ、2020年)、
『無言館随想 窪島誠一郎コレクシオンⅣ』
(窪島誠一郎 著、アーツアンドクラフツ、2020年)他。

「2019年 『親を愛せない子、子を愛せない親たちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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