麦の海に沈む果実

著者 :
  • 講談社
3.91
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本棚登録 : 1494
感想 : 262
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062101691

感想・レビュー・書評

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  •  先に「三月は深き紅の淵」を読んでいたことと、序章とあわせて混乱もありましたが、1日で一気読みしました。途中で止められず、読んだ後はグッタリでした。
    閉じられた学校の中で非現実を感じさせる世界観は、本当にアリスの世界みたい。
    主人公である理瀨も今までにない主人公てすね。
    もう一度読みたい作品です。

  • 北国の湿原に囲まれた全寮制の学校。主人公理瀬は2月にこの学校にやってきたのだが、この季節での転校は極めてまれなのだという…

    最初から不気味で、こんな学校に閉じ込められたらやってられない、と思っていたら案の定次々と事件が起こり、心もざわざわしてきた。主人公のいきさつが曖昧なので余計に不安になる。著者はそうした読者の心の隙がよくわかっている。

    しかしそんな中で図書館や蔵書、さらに中庭の描写には心が躍った。高級感漂う建物と充実した書架が目に浮かぶ。

    ラストはまさかの流れとなった。生まれながらに特異な人生を歩まざるを得ない人々の集団に恐れおののいている。


  • まさかのラストでした。全く予想していなかった...
    記憶を取り戻してからの理瀬の描写がこれまで読んでいた理瀬とは全く違う印象で書き分けが凄すぎる...

    恩田陸先生の作品はこれまで夜のピクニックしか読んだことがなく好きな作品でしたがミステリーもすごく面白かったです。夢中で読みました。他の作品も読んでみたい

  • 4.0

  • とにかく、今年中に読んでおきたかった1冊。
    「三月は深き紅の淵を」にもチラリと載っててとても気になってたし。

    北の果ての大湿原の中にひっそりとたたずむ
    全寮制の学園。
    二月の終わりにやってきた転入生は学園を破滅に導く。

    すごく非現実的な学園と
    優秀で美男美女揃いの生徒達。
    男でも女でもどちらも完璧な校長。

    ほんと、昔の少女漫画のようなありえない設定は大好き。
    でも、それだけじゃなくて
    なんていったらいいのか、そういう設定の中で
    次々に人が死んで、謎があって。
    そういう、ミステリーの部分がまた、たまらなく面白い。

    あたしはきっと、こういう小出しにされた謎解きが大好きなんだと思う。

    あー、この本、夢中で読んでしまった。
    これから「黄昏の百合の骨」読みます。

  • 全寮制の学校に転校してきた理瀬の物語。
    学校では不可解な事件が起こったり不気味な雰囲気が漂っており、ハラハラしながら読みました。
    特に事件を調べてる聖はやばい真実を見つけて殺されてしまうんじゃないかと…。
    プロローグで哀愁漂う感じがあり、ただ過去を思い出してノスタルジーになってるのかなと思ったらそういう結末かあ…と少し寂しくなりました。
    キャラそれぞれの想いや思惑の絡み合いが種明かしされていく最後の場面は、描写されている状況にドキドキしながら、一気に読んでしまいました。

  • ミステリアスで誰も信用できない怪しいダークな世界。
    先に「麦の海に浮かぶ檻」を読んでしまってこの世界感にはまりました。
    続きも読みたい!

  • 水野理瀬は、列車を降りた。ここは一面の湿原。これからこの湿原の中に立つ学園に転入するのだ。この二月の最期の日に。「ここに三月以外に入ってくる者があれば、そいつがこの学校を破滅に導くだろう。」と言われている中に理瀬は入っていく。何かが起こるのだろうか。

  • 見事やられてしまった! こういう話もモノにするとは流石ですねぇ。隔離された学園を舞台に不可思議な怖いようなミステリアスなストーリーが展開していくのだけれどラストで何度かひっくり返されてしまう。なるほどメフィストクラブだわ、納得しました。

  • 随分前に読んですごく面白かった記憶のある「三月は深き紅の淵を」に関わる話ということで買ったんだけど積んでた本。
    ハリーポッターの世界をちょっと思わせる学園もの。
    この本を積読しているうちに年を取ってしまった私に楽しめるか不安でしたが、杞憂でした。

    内容自体にすごく驚くような何かがあるわけでないし、オチも少々がっかりでしたが、なんというかものすごく面白い。すごい筆力。時間を忘れて読まされる。

    マンガのような分かりやすいキャラ設定のおかげで生徒一人ひとりの顔まで簡単に目に浮かぶ。現実離れした世界観もあり、主人公含め、登場人物たちの誰かに共感できたりするわけではなかったけど、この世界には入ってみたい。この学校の図書室に住みたい。現実逃避したい。

    校長先生のキャラはかなり好きです。女装の意味は良く分からなかったけど。
    校長先生メインの外伝があれば読みたい。

    十代の頃に読んでたら、生徒たちへもっと共感できたかも。

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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