花の見た夢

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062113601

感想・レビュー・書評

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  •  五木玲子・画&太田治子・文「花の見た夢」、2002.11発行。26の花の見た夢。五木玲子さんの力強いタッチの絵です。辛夷(こぶし)の名前は、握りこぶしからきている。表紙は紅葉葵(もみじあおい)です。<はじめに>は、「玲子の花」に寄り添う太田治子さん。<おわりに>は、五木寛之さん。若い頃は、なにか非凡なことを考えるのが大事だと思っていた。しかし、最近はごく平凡な、月並みなことについて考えることに、すこぶる重要な意味があるような気がしてきた。五木玲子は職業として医師になったが、後半生に至って、絵を描く天職に!
     五木玲子の描く花は、具象でありながら具象を超えた非合理な情念をはらんでいる。そんな彼女の花の絵に太田治子さんが美しい文章をそえて、一冊の本がみずみずしく開花した。ー五木寛之ー 画は五木玲子、医師、画家、五木寛之夫人。文は太田治子、作家、父は太宰治、母は太田静子。「花の見た夢」、2002.11発行。

  • こういうssの詰め合わせの本が好き。読んでいて楽なのもある。タイトルがとても艶めかしいと思います。2011/05/20

  • 五木玲子氏は文学部卒にもかかわらず、一念発起され医学部を卒業。精神科医としての臨床経験もある。
    そして、五木寛之氏の妻でもある。
    還暦を過ぎてから絵筆をとったとは思えない花の絵の数々。
    細緻な線と独特の色遣いは、なぜか人を惹き付ける。
    太田治子氏の綴る文章によるコラボレーションは絶妙でもある。
    太田氏は太宰治の娘にあたるという。
    五木ー太田コンビは新たな地平を拓いたといえるだろう。

  • (2008.09.27読了)(2008.09.08購入)
    五木玲子さんの花の絵に太田治子さんが描かれた花から連想したお話を添えた画文集です。26枚の絵と26のお話が収められています。
    五木玲子さんは、作家の五木寛之さんの妻です。この本にも文を寄せ以下のように紹介しています。
    「人はみな生きるために職業を持つが、それは必ずしも天職といえるものと重なってはいない。天職とは、そのために自分は生まれた、と全身で感じられるような仕事である。彼女は職業として医師になったが、やがて後半生にいたって幸運にも天職と出会った。それは絵を描く、という作業だった。」
    「五木玲子の作品を目の前において、私はしばしば圧倒されるような感覚を覚える。それは彼女が世界中でたった一人、自分しか描けない線を表現する、ただそのことに全生命を賭けていると確かに感じるからだ。画法の約束事などどうでもいい、そこに赤裸々な自分が存在していると納得できる線を求めて、ひたすらのめり込む。その前傾姿勢には、短い人生を一枚の絵に託そうとする情熱がふつふつとたぎっているかのようだ。描くということの本質は、そこにあるように私は思う。」

    太田治子さんは、作家の太宰治と太田静子の間に生まれた方で、太宰についてや母親についてのエッセイを多く書いています。NHK教育テレビの日曜美術館のアシスタントを務めたことがあり、絵についての本もいくつかあります。小説もいくつか書いています。
    この本は、好きな絵に太田さんらしいお話を添えたものです。

    太田さんのおかげで、五木玲子さんの絵に出会えました。
    (2008年9月28日・記)

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著者プロフィール

作家。神奈川県小田原市生まれ。紀行文「津軽」で婦人公論読者賞受賞。作品に「言いだしかねて 父、太宰治そして愛、家庭を語る」(主婦の友社)、「花の見た夢」、「風の見た夢」(講談社)、「小さな神さま」「明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子」 (朝日新聞社)他多数。近刊「夢さえみれば──日本近代洋画の父・浅井忠」(朝日新聞社)

「2013年 『CD 児童文学名作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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