- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062114646
作品紹介・あらすじ
人はそっくりな男を見てなぜこんなにも胸が騒ぐのだろうか。名優・坂田藤十郎の「そっくりさん」めぐる騒動を描いた表題作ほか、芸の世界に生きる者たちの、それぞれの人生を描いた会心作。
感想・レビュー・書評
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表題作含め四作。
ずっとシリーズを中心に読んできたので、いつものスケールは感じられないのだけど、狛犬に涙。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表題作を含めて4話入っています。
私は最後の「心残して」が一番好きです。
江戸末期、舞台の袖の客席からは見えないところで、芝居に合わせて三味線を弾く主人公。あくまでも舞台の役者を盛りたてるため黒子に徹する芸人です。
芸の道に生きる者たちの心意気、当時の庶民のしたたかさ、人情や粋。幕府瓦解寸前でもなお残る武士の矜持。かっこいいやね~。
4話とも芝居が絡むお話。
歌舞伎とか見に行ってみたいな、ってちょっと思ったりする本でした。
前に読んだこの作者の「吉原手引草」はすごく面白かったけど、こちらの本も期待を裏切らない短編集でした。 -
この方の作品はいつも心に留めてますが、濃いだけに読むにもそれなりに余裕が要ります。
『狛犬』と『心残して』が良かったです。
特に『心残して』は、主人公はもちろんのこと、”御前様”の生き様も、そしてちらりと出てくる三代沢村田之助の壮絶な生き様も、それぞれ同じほどに印象に残りました。 -
短編集。連作ではないです。
上方歌舞伎を舞台にしてるかと思ったけど、そうでもないようで。
私は長編の方が好きですが、初めての方にはいいかもしれません。