光をはこぶ娘

  • 講談社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062116343

感想・レビュー・書評

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  • ダーナは11歳。父親とふたり、アイルランドで暮らしている。母親はダーナが3歳のときに、理由も告げずに家を出たままだ。興奮したとき、ダーナがいつも見る悪夢―黒い乳母車、ねじくれた木に変わる女性。この夢は、ダーナの心の底に眠る母親との記憶につながっているのだろうか…。妖精王にことづてを託されたダーナは、アイルランドのふしぎな森へ迷いこむ。

  • 父と暮らすダーナは妖精国の上王からの言付けをルーフ王へ届けることを頼まれる。言付けを届けられたら望みをかなえてくれるという。ダーナの望みは三歳の時に行くえ不明になった母に会うことである。

  • シリーズを読んでいなくても、まあまあ楽しめました
    ケルトらしく、妖精とか自然がテーマです
    戦いというよりも自分と向き合うような試練かな

  • 影が王国を横切る。<敵>が立ちあがる。闇に橋をかける光はいずこに?
    上王(ハイ・キング)のことづてをルーフ王に届けてほしい。そのお礼に、あなたの願いをかなえよう。
    11歳のダーナは、ある日、森で妖精の貴婦人オナーに出会い、妖精王の上王からルーフ王へのことづてを託される。やりとげれば自分が幼いころに家出した母親に終える--そう信じ妖精たちの住む世界へと旅立つが……。


    今回の物語ではぐっと現代的な要素「環境問題」が絡めてあります。

    少女たちが住まう現世と精霊たちが住まう世界はまるで肉体と精神のようにわかちがたい存在であるようです。

    そして、いままでは特にシリーズとはみなされていなかったメリング作品がゆるやかにリンクしています。

    装画 / こみね ゆら
    装丁 / 丹羽 朋子
    原題 / "The Light-Bearer's Daughter"(2001)

  • 『夏の王』の後の話。母の正体はバレバレだが、ちょっぴり切ない恋愛模様が心地よい。

  • 前作、「夏の王」が KiKi にとってはちょっとだけ粗い作りの作品に感じられたので、正直この作品を読み始めるまではおっかなびっくりでした。  でも、物語冒頭にある次の言葉に魅せられ、一挙にこの物語の世界観に親近感・・・・のようなものを抱きました。  曰く

    「大地は祖先から受け継いだものではなく、子孫から借り受けたものである」

    「野生の自然の中でこそ、世界は生きのびられる」

    「木のあるところ、生命あり」

    メリング作品には珍しく環境問題という社会問題にも触れた作品でちょっとびっくりだったけれど、作中の環境運動家が掲げるこれら(↑)のスローガンは KiKi にとって深く納得できるものであるのと同時に、KiKi が都市生活に疑問を感じ始めた頃に考えていたこととも何気にシンクロしているように感じたのです。  特に KiKi のお気に入りなのは最初のスローガン。  子供のいない KiKi にとって、何か物事を考えるときに「子孫」という観点はどうしても抜けがちなんだけど、自分の存在を考えるうえで自分の先達と自分の後に続く者という長~い時間軸の中で、「たまたま今、この瞬間に、ここにいる自分」という捉え方をするのは本当に、真剣に、必要なことだと感じるんですよね~。

    (全文はブログにて)

  • メリングのケルトファンタジー第5作品目。

    父と二人、アイルランドで平穏に暮らす少女ダーナ。
    しかし父がカナダに移り住むことを告げた時、彼女の運命の輪は回り始める。
    カナダ行きを納得できず、消えた母親についてもまだ未練のあるダーナは不思議な貴婦人オナーと出会い、願い事をかなえる代わりに上王(ハイ・キング)からのことづてをルーフ王に届けてほしいと頼まれる。
    その役目をやり遂げれば、いなくなった母親に会える!
    そう考えたダーナは、困難が待ち受ける旅へと乗り出すことに・・・。


    今回の主人公は若干年齢が低め。
    なのでラブ要素が入り込まず、その辺に期待しているワタクシとしては評価ダウンにつながりました。
    ファンタジー色も今までの作品に比べると薄めかな?
    でも妖精界と現実世界が重なり合っているという考え方は素敵ですね。
    (妖精界へ「行く」のではなく、すでに私たちはその国に立っているのですよ。そう、それはただ意識の問題)
    人間の世界に起こったこと(大量の森林伐採など)が、妖精界に影響を及ぼすという相互関係の事を考えると、まぁ楽観的なことばかりは言っていられないのですが。
    しかしこういった環境問題への問いかけにつながるような話は、他の作品でもいくらでも読めるのですよ。
    メリング作品ではあまりこういった特色を出さないでほしかったなぁ。
    なんだかほんの少し、ファンタジーをからめた子供のお勉強読み物を読まされている感じがして、単純にこの世界を楽しめなかったです。
    今のところ、第1作品目が一番だな

  • 三冊目。
    改めて読みかえすと、カナダ在住アイルランド人のヒッピー崩れ音楽家の父がたいへんによい…
    一族のトーテムが狼、というのが素敵

  • 「夏の国」の危機を救うために、上王(ハイ・キング)に言づてをルーフ王に届けて欲しい。そのお礼にあなたの願いを叶えよう。
    少女ダーナは、ある日、森で妖精の貴婦人オナーに出会い、妖精国の上王からルーフ王への言づてを託される。やりとげれば、自分が幼い頃に家出した母親に会える。ダーナはそう信じ使命を果たすために、妖精達の住む世界へと旅立つが、途中に様々な困難が待っていた。そしてルーフ王の元に辿り着いた時、ダーナに知らされた真実、それは思いがけないものだった・・

    前作の「夏の王」で登場したローレルの妹オナーが妖精になってからの物語なのですが、主人公は今までの中で一番若い12歳。父親がカナダ出身ですがアイルランドで暮らしています。父親が故郷であるカナダに帰りたい(娘のタメにもなると思っている)と言い出してダーナはひどくショックを受けます。そして森でオナーに会うのですが・・まさに冒険と言った内容ですね。ちょっと歌う石のような雰囲気もありました。

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