- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062117067
感想・レビュー・書評
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野中広務と小沢一郎を、雑誌社の記者として、観察したことを本にした。
その二人は、平成の政治家として、記録される。
官房長官 菅義偉を調べているうちに、野中広務の存在が気になった。
なぜ、野中広務は 豪腕だったのか?
ということを、知りたかった。
野中広務に関しては、直に接して、その言葉を基礎にして
野中広務を描こうとする。
野中広務は、芯のない政治家だったというのが、
なんとも言えない評価だが、的を得ているのかもしれない。
部落の出身者であり、町議会、町長、府議会議員、そして国会議員。
京都の蜷川知事を支援していたのが、田中角栄によって、
蜷川批判の先鋒となる。実に、巧妙な追求。
そして、自民党の中で、能力を発揮する。
人間、野中広務が 浮かび出す。
取材禁止になっても、一生懸命取材する。
それだけ、魅力があったのだろうね。
それに対して、小沢一郎に対しては、
距離感があって、見つめる目が厳しい。 -
野中の最大の特徴は欲がないこと。軸のない野中は時代の風を読みながら、自分のポジションを大胆に変えていく。主義主張ではなく、敵か味方か、好きか嫌いかという感情や感覚を優先している。
人の落ち目の時に助けるのが紳士というもの。困ったときに助けられたことは忘れない。
加藤の乱で加藤を徹底的に叩いた。東大出たエリート加藤なんて、たたき上げの部落出身で差別に苦しんできた野中からしたら歯が立つ相手ではなかった。
謙虚にならなくてはならない。
これは小沢さんの個所よりも野中さんの本だな。 -
政治家の肉声を持ってっ書かれた文章がリアリティ=面白さを引き出している(話の一部から抜き出しているから分かりにくい面もあるが)。野中広務の人間性・魅力が伝わる。
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特に90年代以降の日本政治において、多大な影響力を持ち、闇将軍と呼ばれた二人の大物政治家の素顔に迫る。永田町の人間臭さが滲みでている一冊。