すらすら読める 正法眼蔵

著者 :
  • 講談社
3.69
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本棚登録 : 90
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062127257

作品紹介・あらすじ

キイ・ワードは「身心脱落」

道元は、釈迦の正法を正しく読み取る智慧を、弟子たちや後世のわれわれに教えようとしました。それが『正法眼蔵』です。
総ルビつき原文 著者オリジナル現代語訳つき

仏道をならふといふは、自己をならふ也。自己をならふといふは、自己をわするるなり。角砂糖を湯の中に入れると、角砂糖は溶けてしまいます。しかし、角砂糖がなくなったのではありません。ただ溶けてしまったのです。――わたしたちは自分・自己に執着しています。その執着した自我意識の状態が角砂糖なんです。そして、この角砂糖が溶けてしまった状態が「身心脱落」であり、それを道元は別の言葉で“忘れる”と表現しました。――<本文より>

感想・レビュー・書評

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  • 釈迦の正法を正しく読み取る智慧が『正法眼蔵』です。
    「仏道をならふといふは、自己をならふ也。自己をならふといふは、自己をわするるなり。」
    有名なフレーズから始まり、難解な『正法眼蔵』を、分かりやすく解説してくれます。

     老病死は不可逆的変化です。薪が灰となるのも不可逆的変化です。灰となった薪は、絶対に元の薪には戻りません。同じく老病死も、若さ・健康・生に戻らないのです。老病死の方向に向かって進みます。ただし、病気といえば、現代人は細菌やウイルスによる病気を考えますが、ここでいう病気は癌のようなものと思ってください。加齢によってなる病気です。ですから、不可逆的に進行するのです。
     だとすると、薪が灰となるように、若さは老いに変化し、生は死に変化します。われわれは、それゆえ、老いればその老いをそのまま受け容れる。死をそのまま受容すればよい。ところが、われわれ凡夫はそれができず、いつまでも若くありたい、死にたくないと思います。それが迷いです。
     でも、迷いをなくそうとしてはいけません。迷いがなくなるわけがありません。現実世界はあるがまま、そのままなんです。われわれはそれをあるがまま、そのままに受け取ればいい。 ー 62ページ

  • p34 心身脱落
    p45 道元 54で死亡
    p47 正法眼蔵
    正法 正しい教え
    広義のお経 経、律、論 経 仏の教説、律 戒律 論 経を注釈したり解説したもの まとめて三蔵 経、律、論に通じた学僧を三蔵法師と呼ぶ
    p49 知らず識らずのうちに磨かれる智慧 眼
    p192 菩薩(求道者)の実践すべき項目4つ 四摂法 布施、愛語、利行、同事

  • すらすら読めるというタイトルに惹かれて読んでみましたが、まるで歯が立ちませんでした。
    「正法眼蔵」が難解で知られる書物だということは、この本ではじめて知りました。
    評判にたがわずです。

    弟子の書いた「正法眼蔵随聞記」のほうはどうでしょうか。
    そのうち読んでみるかもしれない。

  • 最近南直哉の『「正法眼蔵」を読む』を読んでおもしろかったのだが、やはり『正法眼蔵』自体を雰囲気だけでも味わいたいと思い読んでみた。その気分にぴったりの本でした。ひろさちやの手短な解説を手引きに、彼の読者に配慮した優しい現代語訳を読みつつ、大きな活字の原文をながめる。いい感じです。

  • 大崎Lib

  • 難しい。
    すらすら、とはおよそ行かなかった。
    道元の教えとはほど遠い所にいるな、私。ということは分かった。

  • 難解な正法眼蔵をすらすら読もうと思ったのが甘いのか。本文以外の解説を拾い読みしている状態。どこかで正法眼蔵の引用に出会った時にこの本へ戻ることとしよう。

  • 何度も挑戦を繰り返している「正法眼蔵」の訳。

    これは原文ものっていて、読みやすかった。

    うーん、オリジナルの読破は可能だろうか・・・

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著者プロフィール

1936年大阪生まれ。
東京大学文学部インド哲学科卒業、同大学院博士課程を修了。
気象大学校教授を経て、宗教評論家として活躍。
「まんだらの会」会長、大正大学客員教授。
著書に、『仏教の歴史』(春秋社)、『釈 とイエス』(新潮社)
『自分が変わる』(世界文化社)、『宗教激突』(ビジネス社)など多数。

「2004年 『釈迦物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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