- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062129930
作品紹介・あらすじ
今や、日本人の8割が「中流の下(ロウアーミドル)」以下。社会の地殻変動が始まった!所得階層の二極化でビジネスはどう変わるのか?政治は?経済は?あなたはこの変化に耐えられるか?すべての答えがここにある。
感想・レビュー・書評
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※読んだのは2000年代です。
私のような世間知らずでも、理解しやすい本でした。
最近発売されたので小泉政権を振り返り、さて、次の首相には…というくだりもあり興味深く読むことができました。
今の日本が抱えている政治的、経済的問題点についてはこの本を読めば、まぁ分かるかなというところ。
但し、それをどう改善していくべきかという提案はかなり偏ってるんじゃないかと思う部分もありました(なるほど、と思う部分ももちろんありますが)。
そして思いっきりロウアーミドルな自分。
いずれは自分の親と同じくらいの生活ができるだろうと思っていたけど結構危機感に駆られました。
だからこそ、自分の考えを持って読み進めることができるので結構面白かったです。
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"2006年1月に発売された本ですので、 内容的には6年近く経過しています。
しかし自分の立場としては参考になる部分が多い1冊でした。
この本の後の6年間。
日本と言う国は一切改革ができていない実態があります。
今後も同じ道を歩むのでしょう。
残念ながら日本と言う国が、良い方向には進めない。。
その事実だけが確認できました。" -
(2010/8/11読了)大前氏がこれを書いたのが2006年、そこからはや5年が過ぎようとしているが、日本の状況はむしろ悪くなっている・・・。ノイジー・マイノリティの既得権は全く衰えを見せず。道州制も、法人税の廃止も、どう考えても実現しそうにないしな。
しかし「年収600万以下=lower middle」が『衝撃』とか言われると、ずっと年収300万円台の私は「そんなことで驚かれてもなあ」
「新卒で会社に勤めて、そのままサラリーマンやってれば50代には『自然に』アッパーミドルに上昇」って、なんて20世紀型の幻想なんでしょう!そんな幻想を持ってる20代~30代前半はいませんぜ。 -
感想
脱出は可能か。どこかで抱いていた淡い幻想は打ち砕かれる。日本はもはや成長局面にはない。隣人はパイの独占を目指す。私はどうすべきか。 -
ビジネスマインド・ビジネスの心構えの本だと思ったら、どちらかというと政策提言の本だった。
本書の定義での「ロウアーミドル」とは、年収300−600万円クラスの層である。それに対し「アッパーミドル」が600−1000万円クラスである。そして2000年代、「アッパーミドル」が減って「ロウアーミドル」が増えている。
本書の重大な指摘の一つは、2000年代日本で起きている価格下落は、いわゆる「デフレ」ではなく、世界的な価格調整の一環であるという点。「デフレ」は悪ではなく、ましてやインフレ目標を据えてデフレの克服もできないということを前提に、政策を立案すべきだ、というのが著者の主張である。
つまり、規制を緩和・撤廃し、生活に必要な物価を下げよ、というのが本書の主張である。
8月24日読書開始8月29日読了。
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目次
序章 本質が見えない理由
第1章 日本の構造変化と「M字型社会」
第2章 ロウアーミドル時代の企業戦略
第3章 ロウアーミドルの意識改革
第4章 生活者大国への処方箋
第5章 本当の構造改革はこれだ
第6章 新しい繁栄の法則
増税なしで財政再建ー税制改革”大前案”
ボーダーレス時代の繁栄の条件
日本人一人ひとりが改革者に
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メモ
第1章 日本の構造変化と「M字型社会」
p28 経済がカネを吸収しない時代。その理由は三つ。
モノをあまり必要としない高齢者の増加(人口分布の変化)
在庫を必要としないジャスト・イン・タイムの生産方式への転換(法人部門の変化)
将来への不安からモノよりカネを握っておこうとする消費者心理(個人部門の変化)
資料
p45 民間給与実態統計調査(国税庁)97年 467万円ピーク、04年 439万円
p47 アッパークラス(1000万超) 4.9%→
アッパーミドルクラス(600−1000万) 16.2%↓
ロウアーミドル(300−600万) 41.5%→↓
ロウアークラス(300万以下) 37.4%↑
p57 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 22歳時点=100とすると、収入のピークは
1990年 500超 52−54歳
2000年 400超 53−58歳
2004年 400弱 53−55歳
第2章 ロウアーミドル時代の企業戦略
p82 なんちゃって自由が丘・・・高いセンスで低価格
・ナチュラルキッチン(100円ショップ)
・ZARA
・アイリスオーヤマ
・東急イン、京王プレッソイン東銀座
p90 ニューラグジュアリー・・・価格もセンスもアッパーミドル
・ドレッシングのピエトロ
・食用油の健康エコナ
・ハーゲンダッツ
第4章 生活者大国への処方箋
p154 農業補助金で穀物メジャーを買収せよ(4社で8.8兆円)
p161 土地は購入できる
(要約)「国内で米を作っていれば安心だ」という考えは幻想に過ぎない。海外の農産物の輸入がストップすれば石油もストップする。トラクターも灌漑用水のモーターも動かず、農作物を輸送するトラックや鉄道も動かない。作ることも輸送も出来なくなる。
p161 食糧安保と言うのなら、海外に土地を買って米を作ればいい(中略)。工業分野(天然資源分野も)では海外に資本投下して引き取り権をもらうのは当たり前になっているのだから、農業でも同じことをやればいいのである。
p163 市場開放すれば600万円で家が建つ
p169 役人を食べさせるだけの許認可制度
p173 年収600万円でも「アッパークラス」の生活を
p183 「淡い期待」を捨て、自ら行動せよ
第6章 新しい繁栄の法則
p252 アメリカ型の国家運営は、ネットワーク社会とも相性がいい。ネットワークとは、それを構成する個々の要素が自立していながら、それぞれがつながっている概念をいう。互いに競い合う一方で、情報や資源がやりとりされる関係だから、ひとつの要素が行き詰っても、他の要素が伸びてくる可能性がある。
p260 私は日本で年に何冊も本を書くかたわら、アメリカでも英語の書き下ろしで本を出している。私のボーダーレス理論や地域国家論などは、世界中の人々が知っている。 -
なるほど
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2006年初版だが、まるで2013年を予知しているような内容が含まれていることに驚かざるをえない。しかしこの日本のお役所根性の組織がそんなに体制が代わることができるのだろうか…?
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総中流社会から「上流層と、中の下以下の層」とM字型の分布へと変化する社会を捉えた上で、国民の偏見ゆえの不合理や、無知識ゆえの不条理を指摘する本。
最終的に、道州制や資産課税・付加価値税の提言へと結びつけているところは、大前氏の一貫している姿勢。 -
偏見が生活を貧しくする
→無農薬野菜の多くは農薬指定されていない他の薬品を使っている
→東京の東側より西側の方が住宅価格が高い。
都市部の農地解放すべし
道州制の導入 -
一時期話題になって、読んでみたかったのか よくわかりませんが、 図書館で随分前から予約をしていたらしいのですが ようやく順番が来ました。 読んでみましたが、それほどでもないかな・・・・ う~ん・・・