箪笥のなか

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 616
感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062130530

作品紹介・あらすじ

新作長編。長野まゆみの新境地が、いまここに拓かれる。古い紅い箪笥をめぐる不思議ワールド。

感想・レビュー・書評

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  • この世界観好き!の一冊。

    箪笥が結ぶ現実世界と異世界の物語。

    親戚から譲り受けた古い箪笥。
    空っぽなのに、四、五人分の重さがある…。という出だしに思わず箪笥に本によばれたかというぐらいの快感。

    巡る季節と共に箪笥の引き出しが呼び寄せるものはずばり、この世のものではないもの。

    それを異なものとは捉えない姉弟のさま、自然さが心地よい。

    言い伝え、慣わし、遠い昔の思い出がまた不思議さに彩りを添えるのも読みどころの一つ。

    あちらとこちらの自然な邂逅はいつまでもたゆたっていたいほど好きな世界観。

    しばしの現実逃避時間に酔いしれた。

  • なんとも独特な文体で、慣れるまで戸惑ってしまいました(*_*)
    つらつらと一人語りしているような…

    この不思議な物語の世界観に合わせているのか、
    これが作者の個性なのか…

    初読み作家さんなのでとても気になります。

    この箪笥が怪異を引き寄せるのか?
    不思議な力のある弟が引き寄せるのか?

    続きがあるなら読んでみたい_φ(・_・

    ふわふわとなんだか漂っているような読後感です。


  • 面白かったです。不思議な箪笥に起こる色々な出来事が、ふわふわとゆったり描かれていました。長野作品には珍しいと思う、女性が主人公でした。この世のものでないものがたくさん出てきたり、弟の能力も相まって、不思議な読後感です。本当の名前を呼ばず、別の名前で呼ぶ家族が好きです。ハトがかわいいです。登場人物たちの周囲の方々の思い出話、戦時中のことが描かれていたり、ノスタルジックな感じもしました。

  • 雰囲気が好き。
    単語が、台詞が、表現が、きれい。
    一癖あるかんじなのに、さらりとしてる。
    さくっと読んでしまったのは、もったいなかったかも。
    もっとゆっくり、もったいぶって進めればよかったな。

  • 繋がっている短編集。
    暗喩とかあるんだろうけど、わかんなくて、もやもやのまま。
    その不思議感が良いんだろうけど。

    祖父の家にあった古い箪笥を親戚から譲り受けた私。
    箪笥にはナニかある。
    はっきりすることはない。こういうことかな?と何となく。

  • 紅い箪笥を親戚から譲ってもらった。その箪笥と子供のころから不思議なものを連れてくる弟を軸とした不思議なお話。

  • 紅い箪笥に引き寄せられて、この世ならざるものが訪れたり去って行ったり。そういうものと現実の出来事が境目なく溶け合っているのが面白い。
    人々の穏やかな交流が感じられる暮らしぶりがいいなあと思った。

  • 親類の家にあった赤い古い箪笥の抽斗のなか長野まゆみの新天地。古い赤い箪笥を、親戚から引き取ってきたが、この箪笥、なんだか不思議な箪笥だ。抽斗を開けると・・・。

  • 箪笥にまつわる不思議な話たちでした。

    久しぶりの読書なので短編集がいいな…って読み始めたら、話の繋がった短編集だった。

    さらっと読めます。ぼんやりとしたつかみどころのない話で、狐に化かされたような読後感でした。

    今回感じたのは、長野まゆみさんのお話って(沢山は読んだことないんだけど)少しオチが似通っている印象があって、一気に読むのには向いてない気がしました。借り物なので一気読みしなきゃいけなかったのは惜しかったです。時々思い出したように読むのには、とても良いと思います。美しい雰囲気を、文字から感じられて楽しかったです。

  • 身の回りのよくわからないもの、不思議なものを信じてみたくなります
    古いものを愛おしみたくなります
    帯に偽りなし。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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