- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062147491
作品紹介・あらすじ
画家の彩夏を、優しく包む大貫。盲目の舞子を、さりげなく支える恭一。一枚の古い写真とマチスの画集が四人を出会わせた。二組の恋人たちの間に、はぐくまれる絆と優しい時間。あなたと一緒に眠りたい。でも、こんなに幸福なのだから、ひとりで眠るのもわるくない。どこまでも凛とした恋の形を描く長編小説。
感想・レビュー・書評
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歳の離れた大貫と彩夏、事故で失明した舞子と恭一。2組の恋人たちがマチスの画集と古い写真に導かれ、それぞれの未来に向かって歩き出す物語。生活臭のない物語だけど、登場する人物はみな透明な空気を持ち、気持ちよい人に描かれていて、好きです。
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久々に好きな文体の作家さんを見つけた!!
違う形の恋人達2組が偶然の導きで出会い、お互いの関係性に影響を与えていくお話。
最後の方は、予め終わり方を決めていてそこに残り数ページで帳尻を合わせていくような性急さが気になったけど、トータルして読みやすく寝る前の時間に読んで3日程で読了出来るボリューム感もよかった。 -
大人の物語
みんなカッコいいし
素敵だった
含みを持たせて終わったから
まだ続きそうな気もする -
しっとりと静かな縛ったり縛られたりしない関係。
共依存してないのが心地いい。 -
主人公の彩夏は絵を書いていて、広告代理店の十五歳上の大貫さんと2年ほど同棲中。
でも、ふたりの間に明確なもの何もなくて、
『そばにおいてくれない?』
という彩夏の言葉で始まった生活。
恋人と言い切れる関係ではなく、
『でていきたくなったら、でていけばいいよ』
そんなゆるゆるしたもので繋がっている。
(こういう設定は好き。でも、主人公の彩夏の感じがあまり好きにはなれなかったな…)
それから、もう一組。
大貫さんの昔の恋人に似ている恭一さんと、その盲目の恋人、舞子さん。
(舞子さんも苦手な感じ。このお話に出てくる女性陣が苦手なのか…)
この二組のカップルが些細なきっかけで知り合い、お互いの家を行き来するなかで仲良くなっていく内に、それぞれの恋人へ気持ちを深めていく…
進むことを恐れてしまい、一つのところにとどまってしまった人たち…そんなお話でした。
正直、感情移入はあまりできませんでした。
けれど、野中さん独特のふんわりした世界観は味わえました♡ -
表紙のマティスの金魚の絵がだいすき!
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978-4-06-214749-1 251p 2008・5・27 1刷
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画家の女と年上の恋人、盲目の女と彼女を支える恋人。2組のカップルが出会い、穏やかに激しく変化していく。お互いの恋人同士を好きになっちゃうのかと思ってたけど、そうじゃなかった。いい雰囲気の小説。読者数が少ないけど結構素敵な作品だと思う。2013/181
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しっくりいっているようで、綱の上を慎重に進んでいるような危うげな調子だったり…。そんな2組の恋人同士を見守るようなおはなし。野中さんの、この空気感すきです。