アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 120
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062156738

作品紹介・あらすじ

ベトナムでは、先輩作家・船戸与一の希少な手がかりをもとにジャングルにすむ謎の猿人「フイハイ」を追う。奄美では、いまなお信じられる妖怪「ケンモン」の驚くべき正体に迫る。アフガニスタンでは、タリバン(?)の根城を横目に通り過ぎ、米兵から銃を向けられてもひるまず、ひたすら凶獣「ペシャクパラング」探しに奔走。単なる無謀かじつは用意周到か、ユーモアとスリル満点の探索行。

感想・レビュー・書評

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  • 2020/08/05

  • 高野さん8冊目。
    この本は2023年9月現在ネットに新品在庫が無く(amazonのページをkeepaで見ると今年の1月から4月くらいまでは在庫があったみたいだが)、古本でもすぐに買えなそうなので手に入るまで見送ろうとしていたところ、たまたま別の絶版本を借りるために小学生の時ぶりに地元の図書館でカードを作り館内をぶらついたところ、本書を発見。即借りて無事読むことができた。
    他の方も言うように高野さんの他の著作と比べると確かに小粒かもしれないが、それでもとっても面白い。ベトナムや奄美のUMAにも共通点があるのだなぁ。
    文庫版にある「文庫版あとがき」で関わった人たちの続報もあることがあるので文庫版が手に入ったらそれも読みたい。

  • 3つの未知動物を探しに行った話がそれぞれ短編としてまとめられている。

    精霊みたいな話から陰謀論にハマる理由を想像したり幅広かった。相変わらず高野さん辺境の描写はとても良い

  • 友人から借りて一気に読んだ三冊目。
    ある意味、高野秀行氏の原点・真骨頂である未知のナントカ探し。限られた期間に行き当たりばったり風に見えつつ、少しづつ謎に迫っていくのは非常に面白い。

    どの散策もニアミス的に終わってしまう事、ある種それで良しとしていることを後書きに書かれているが、それでもあそこを突っ込めば、ここが先に分かっていたらと悔やんでいるところも興味深い。

    以前書いた修士論文の調査(もどき)が時間的制約で一度しかできなかったが、その調査(もどき)後に改めて何を調べたらいいのかが分かった事を思い出す。(そんな個人的に半端な修士論文でも通ってしまったが・・)

  • もはや未知の国だろうが納豆だろうが面白く書ける高野さんには未知動物はなんだかそうこうの妻みたいで面白いんだけど少し物足りなさが残った

    文化的な面白さというか知識欲みたいなのが満たされない感じ

    でももう少しで未知動物を体系的に整理できそうな印象もあり
    未知動物の研究者になれそう

  • 辺境作家高野秀行の最も根本にあるUMA(未知生物)一本やりの本です。アジアの未知生物を追ってベトナム、奄美、アフガニスタンに飛んだ!でもこの本は高野氏としてはかなり小粒。限られた時間でさらりと撫でるような調査なので、いつものような猪突猛進は無く少しさみしい。いつもののた打ち回っているような調査に慣れてしまったのでしょうか。結構前の本なので期待したんですが、そういう事もあるか。
    本人も言っていますが、今後は前のような調査は体力的にも無理だと言っていました。まああれを続けていたらいつか死ぬような気がします。そもそも切り口の斬新さで勝負の人ですからまだまだいい本書いてくれることでしょう。

  • 未確認生物を訪ねて、ベトナム、奄美、アフガニスタンへ出かける高野さん。いるかいないかわかんない。妖怪よりは出会えそうだが、希少動物よりは出会うのは難しそうなものを探す旅。
    自然を恐れ敬い、おおらかに共存していた時代には、たぶんそこここに目撃談が転がっていたのだろう。
    それがだんだん薄れていく今、村に人たちからいろんな話を収集することだけでも意味があると思うけど、そんな御託は全然関係ないってとこもいい。
    政情不安定なアフガニスタンまで出かけていく高野さんには恐れ入りました。

  • 米軍は世界の沢山の地域に傷跡を残している証拠など、まあまあ面白かった。

    作者がネッシーとかツチノコの様な幻の生物を探しに旅に出る話。

    ベトナム猿人「フイハイ」、奄美の妖怪「ケンモン」アフガニスタンの凶獣「ペシャクパラング」を探す。

    面白いのはキリスト教や仏教などのメジャー宗教のない場所で珍獣が信じられているということ。また珍獣を捕らえた場合は必ず米軍が持っていってしまったという物語の共通点。訳の分からない現象のオチに使われているほど米軍は世界の沢山の地域に傷跡を残しているのだと分かる。

  • ベトナムで謎の猿人「フイハイ」を追い、奄美で妖怪「ケンモン」の驚くべき正体に迫り、アフガニスタンでは凶獣「ペシャクパラング」探しに奔走…。ユーモアとスリル満点の探索行。

    未確認動物を探し求めて世界を旅する高野秀行の「いつものパターン」の作品。読む方も見つからないのはわかっているので全くハラハラせず、ただ高野の旅を「いい歳こいて…」と笑いながら読む。何にも考えずに読める。
    (C)

  • ベトナムのフイハイ、奄美のケンモン、アフガニスタンのペシャクバラングという未知の動物を求めて高野さんが旅をする、という内容。

    フイハイとケンモンはなんとなく似たような感じで、日本とベトナム、違う国でも同じような話があるもんだなぁと思いました。

    今回はムベンベのときと違い、「ここに出る」と言われているところで何日も出現を待つ…ということをしておらず、「なんでしないのかな?」とちょっと物足りなさを感じるところもありましたが、これはそういうことをしない方がいい未知動物なのかなぁ、とも思ったり。

    アフガニスタンの通訳、ヘワッドがかわいらしかった。

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著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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