- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062160971
感想・レビュー・書評
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自分の性の形は自分で作り上げるものだと考えている主人公鶴子と,女であることに価値を感じ利用する梓,性欲や恋愛感情を持たない志保。
3人の自分の性に対する考え方はかなり違うけれど女性ならその3人の考え方のどれもが当てはまるかもしれない。
登場人物たちのそれぞれの恋愛の形や自分が女であることに関してどのように感じているのかを読みながら,じゃああたしはこの登場人物のなかの誰に一番共感できるか,にているのかを考えることによって今まで自分が向き合ってこなかった性の問題やあまり知ることのできない他人の性に関する考え方を知ることができる。
恋愛小説や性についてとりあげている作品は腐るほどあるが,この方の作品は他の作家が書いていない部分をテーマに掘り下げて書かれている作品だと思う。
自分の性の形を見直したい時,他の人の少し変わった性の形を知りたい時におすすめの本です。
<抜粋>
「(自分の性を)一生かけて調べたり,探したりして作り出していくものなんじゃないの?調べもしないで自分は男にしか勃起しないとか決め付けたくないんだ。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中篇二つ。恋愛小説でも、ポルノでもない、純粋な性欲小説。
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『星が吸う水』は今の私が出会うべくして出会った話かもしれない。私がこつこつ築き上げたオリジナルのあれこれを見せられないのが悔しいと思うし、地球とセックスしたいし
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「星が吸う水」「ガマズミ航海」の2篇が収録された本書。
どちらも性行為に疑問があり、それを打ち砕こうとする足掻きが描かれている。
既成の概念を覆すことの難しいこと。それが本能と直結する性行為だからこそ、余計に他人には誤解されやすく、難しさに拍車をかける。
正直読んでいてピンと来なかった。 -
「星が吸う水」
自分の発情?欲望の発露???が男性的なイメージであるがために、女性の体であることで言い様のない不完全燃焼さを持っている…という主人公のお話。
そういった感覚もあるのかもしれないなあ…。
まあ実際女性体では絶頂感が放出する形ではめったにないから仕方ないんだけども…。いや、下ネタとかではなく。
性について、むしろ性についての感覚?について考えてみよう。
きっとそれは、人の数だけある。
「ガマミズ航海」
タイトル、何????
と思ったけど、愛や欲情を含まない性的接触?を探し求めて模索する二人の女性が名付けた、そういった行為の造語…っていう……。
なんかもう、その発想がもう、凄いな…。
それを見つけるために航海をした彼女らの結末は……というストーリー。 -
星が吸う水が出てきたら終わり。なのか?
良い題名だと思いました。 -
星が吸う水
ガマズミ航海
の二つの話が入っていたよー。
どちらの話も村田沙耶香ワールドは、
ほんのちょっぴりって感じだったなぁー。
どちらの話も性的なものを扱ってるけど、
イヤらしさを感じさせず、面白い考えだなぁーって、思える話だったよー!!
星が吸う水の3人組は、
特別考えが似ているわけでもないのに、一緒にいれて
そんなところが、女子あるあるかもーって
思っちゃいました。 -
ガマズミがかなり好きだった。性の話についてはどうしても女が客体化する局面があるから、このくらいフラットに考えてもいいと思う。別に男の人自体をどうしても好きなわけじゃないんだなと自分の内面も見直せた。
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短編ふたつ。どちらも面白いのだけれどすこし説教くさいというか、問題提起に力を入れすぎかなとも思った。登場人物は魅力的だからもうすこし、晴れるまで読みたかった。
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気の置けない女友達三人の女子会と、彼と別れられない女子に慕われる年上女性の、性を探究する二編。直接的。前者では特異さを恥も抵抗もなく口にし共有しようとすることに戸惑い何らかの障害であるのだろうかとすら過り、後者の女性同士の秘め事も遠く眺める。理屈で攻める淡々とした追求。自然体な会話と性と普通の乖離?