さすらい猫 ノアの伝説

  • 講談社
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本棚登録 : 218
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062162913

作品紹介・あらすじ

黒猫が、首に風呂敷包みを巻きつけて、教室にやってきた。「こんにちは」と、ビー玉みたいにまんまるな目で見つめてる…。

感想・レビュー・書評

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  • 『ブランケット・キャッツ』を読んでから、重松清さんが
    猫をどう捉えているのかがずっと気になっていて、
    小学生向けの児童文学ですが、猫つながりでこの本を選んでみました。

    『ブランケット・キャッツ』では、猫たちは猫としての矜持を保ちながらも
    何かが足りない思いに駆られる人々の心の隙間を埋めるために借りられる存在・・・
    身も蓋もない言い方をすれば、利用される存在として描かれていたのだけれど、
    この『さすらい猫ノアの伝説』では、野良猫ということもあって
    ノアはあくまでも自由気儘に助けたい相手を自分で選び、
    人間の思惑など軽々と飛び越えた振舞いで、彼らを導き助ける
    「与える存在」として活躍していて、嬉しくなります。

    前に「選んだ」学校の子どもたちからの手紙が入ったミントタブレットの容器を
    昔懐かしい唐草模様の風呂敷に包んで首に結び
    大切なことを忘れてしまっているクラスを選んで
    ふらりとやって来る真っ黒なさすらい猫、ノア。

    普段はベタベタ甘えたりしないのに、思い悩んだ時には必ず駆けつけ
    質問にはしっぽで表情豊かに返事をし、
    旅立つ時にだけ思いっきり甘えてすりすりするノア。素敵です♪

    • まろんさん
      おお!さすがnoboさんの息子さん!
      我が子がお気に入りの本を何度も読み返してくれるなんて、
      もう、私の理想の情景ではありませんか♪
      ノアフ...
      おお!さすがnoboさんの息子さん!
      我が子がお気に入りの本を何度も読み返してくれるなんて、
      もう、私の理想の情景ではありませんか♪
      ノアファンの二男くんに、くれぐれもよろしくお伝えください(*^_^*)
      2012/10/21
    • kuroayameさん
      私も『ブランケット・キャッツ』を読んでから、重松清さんの作品を読むようになって、この本を本棚で拝見させていただき早速読んでみたい本に登録させ...
      私も『ブランケット・キャッツ』を読んでから、重松清さんの作品を読むようになって、この本を本棚で拝見させていただき早速読んでみたい本に登録させていただきました♪。
      レビューを拝見させていただかなかったらきっと、知らないままだったと思うので、本当に嬉しいです♪。
      ご紹介いただきありがとうございます♥。
      2012/11/11
    • まろんさん
      kuroayameさん☆

      おお、『ブランケット・キャッツ』も読まれたんですね!ナカマナカマ゚.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。
      この本は児童...
      kuroayameさん☆

      おお、『ブランケット・キャッツ』も読まれたんですね!ナカマナカマ゚.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。
      この本は児童文学なので、描かれるのも可愛らしい世界ですが
      風呂敷包みを背負ってやってくる自由気儘なノアがとても魅力的で
      他の学校へと去っていくときには、思わずほろっとしてしまいました。
      重松さんは、猫がお好きなんだなぁ、とわかってうれしくなりました♪
      2012/11/11
  • 重松清さんの児童文学。

    さすらい猫のノアは、
    クラスのみんなが忘れているものを思い出させてくれます。
    苦手なもの得意なもの。
    友だち。クラブ活動。
    学校生活で起きる様々な悩みを、
    ノアは全部見抜いてるご様子。

    いままさに学校に通う子供たちに読んで欲しい1冊。
    文庫版の装丁がとてもかわいい!!
    続編ものっているみたいだし、買います。

  • クラスが忘れてしまった大切なことを思い出させてくれるさすらいの猫ノア。
    クラスの合言葉「元気ハツラツ 勇気リンリン 根気コツコツ」
    言葉が心のエネルギーになることを教えてくれました。

  • 大切なことを忘れている人の元に現れるという伝説の猫・ノア。先生も生徒と一緒に成長する存在であることを、ノアが教えてくれます。毎日小学生新聞に連載されていたみたいですね。

  • 勇気リンリンの凛々ちゃん。素敵な女の子だ。健太、がんばれよ。

  • 文庫本で発見して図書館で予約したら、まさかの児童書だった〜
    けど、良かった!
    ちょっとウルっとする場面もあり。
    第二弾もあるようなので読まなきゃ!

  • 朝日小学生新聞の連載小説だったらしい。知らなかった。「大切なこと」を忘れている小5クラスに、黒猫ノアがやって来て思い出させてくれるストーリー。と言ってもノアは何も明示しない。意味深な行動から含意を感受するのは子供たち自身。重松清らしい。分かりやすく書いてあってわざとらしいくらいに、100パーセント悪者、弱者、傑人がいないようになっている。ハイライトは健太が勇気を出し、みなつられてゆくあのシーン。だが、思うに、メグに、間違って改めるのも勇気だとそっと伝える優しさが心憎い。ちゃっかり翻意して可愛いメグ。過ちては改むるに憚ること勿れ、これが難しい。

  • みんなが忘れているものを思い出させるためにやって来た黒猫のノア。児童書ですけど子供だけではなく、大人も耳が痛くなる本じゃないかなと。

    しっかりとした自分の意見を持ち、流される事なく自分の考えを口に出し、違うと思う事は違うとはっきり言う事はとても難しく勇気が必要です。多数派と同じ意見だという事にしておけば楽な気もしますし、変わった人だと思われる事も避けられるかもしれません。
    初めから自分をしっかり持っていたリリも、勇気がなかった健太も、やる気をなくしていた亮平も、意地を張っていたメグも、言い方は厳しいけどその分努力家の慎一郎も、最後には素直になりユッコ先生を好きになれてよかったです。田中先生とヤマちゃん先生の優しくて真っ直ぐな指導がちゃんと伝わったのでしょうね。真っ直ぐな性分は生きずらい世の中かもしれませんけど、今の気持ちを大人になってもずっと忘れずにいて欲しいです。

  • 可愛らしいお話。息子の読書感想文用に読んでみた。何が大切か分かってくれたかな。忘れがちな気持ちを常に持ち続けて大きくなって欲しいよ。

  • さわやかであたたかな気持ちになる読後感が心地よかった。
    小学校高学年くらいの子どもに読んでほしい。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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