- Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062165693
感想・レビュー・書評
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『オルゴォル』 朱川湊人 講談社
こんな本を読みたかった。もっと早く出会いたかったし、子供達にも読ませたかった、と思いました。
物語は、ハヤトと言う小学四年生の少年が、同じ団地のお爺さんから頼みごとをされ、その約束を果たす旅で成長するお話です。良くある話、と言ってしまえばそれまでなのですが、ハヤトを始め、出てくる人達が何かしら人生で傷を負っていて、読んでいくうちにすっかり話に引き込まれて行きます。
最初、両親の離婚、いじめの話がハヤトの周りにあり、「他人と自分は関係ない」、面倒なことは嫌いだと周囲に流されながら、自分の境遇に悩むハヤトの姿が描かれています。
その後紆余曲折あって、お爺さんから預かったオルゴォルを渡すための旅に出ようと決めたハヤトは、春休みに母と離婚した大阪の父の所に向かいます。そこから、全く違う価値観、歴史に触れ、ハヤトの内面が変化して行く様子に、深く心を打たれます。大阪では、福知山線の列車事故の跡を目の当たりにし、途中、ヒロシマでも原爆ドームや資料館で深く、強く心をうごかされます。また、自分の旅に便乗させてくれた大阪の元気なお姉さんの大きな苦しみを知って驚いたり、目的地の鹿児島で特攻隊の基地があった知覧の話も知ってショックを受けます。
旅を終えたハヤトが、なにを考え、どう感じたか、母だけが待つ横浜へどんな気持ちで帰ったのか…。大阪へ着いてからはほとんどが大阪弁で話が進むので、えてして説教臭くなりそうな話がごく自然に、けれどキッパリと読む側に伝わって来るのも気持ちよく、自分も他人の痛みや苦しみに耳を澄ませられる大人で在りたいと、素直に思える話でした。
児童文学と大人の小説の橋渡しとして紹介したい様な、大切な事が素直に書かれた小説でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
出逢いっていいなと思った。
本当にいい出逢いって、人を大きく変える。よくも悪くも・・・
もちろん、この本の中では、出逢いによって主人公の人生はいい方向に大きく変わる。
考えるきっかけをくれる人。そっと寄り添ってくれる人。突き放してくれる人。
大切にするってことは、抱え込んで守ることだけじゃない。
離れることで示す愛情ってものもある。
愛情ってこと、守るってことを改めて考えさせられた。-
すみません★。
レビューを拝見させていただいた瞬間に読んでみたい本に登録させていただきました♪。
もう、まちがいなくおもしろそうで、あぁーっ...すみません★。
レビューを拝見させていただいた瞬間に読んでみたい本に登録させていただきました♪。
もう、まちがいなくおもしろそうで、あぁーっ、本日図書館へ出かける前に拝見させていただいていたらとおもうと悔しいです(><)。
来週図書館にてチェックしたいと思います♪。
いつも本棚を拝見させていただき、こころときめく本を知ることができとてもうれしいです。
ありがとうございます♪。
これからも是非参考にさせてください(>・)/。2012/11/09
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夏の推薦図書とかにならないだろうか。。
小学生の子供たちにぜひ読んでほしい。 多分大人の事情とか共感するのは難しいシーンがあると思うけれど
中学生の反抗期を迎えて、もう一度読んでほしい。
そんな本でした。
前情報ナシなので、広島、長崎、福知山線、と怒涛の展開に驚いた。
中学生の修学旅行が広島で
高校が沖縄で
多感な時期にそういった事柄に触れるのは確かにいいと思う。
あんなに強烈な印象だった事柄が最近は薄れているから
大人になってからだと、全然残らないかもしれないから。。
「どっちも間違ったことを言っていないから
お互い理解しあうのに時間がかかる」というセリフにドキリ。
確かに、勧善懲悪ではないからそう簡単にはいかないよなぁ。。。
本当、子供たちに読んでほしいな。。 -
小学四年生が主人公の読みやすい話。大きな感動はないが、登場人物が魅力的だった。
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朱川湊人作品初読み。
表紙みて女の子だとばかり思ってた(笑)
色んな体験をすることによって成長していく少年の物語。
ぜひ主人公のハヤトと同年代の子供たちに読んで欲しい作品。 -
図書館にて。
旅がしたくなった。
人は、誰かや何かとふれ合って、初めて成長できるのかもしれないと感じた小説でした。 -
良書。私が今まで読んだ朱川作品とはちょっと違う。途中、何度か「ほんとに朱川さんよね?」と確認したほど。(笑) 今どきのリアルな少年ハヤトが、いろんな人に教えられ、学び、成長していく姿はわが子のの成長のように嬉しかった。いじめに学級崩壊、親の離婚に給食費問題、福知山線事故、阪神淡路大震災、広島長崎の原爆に知覧の特攻隊…と、もりだくさん。ちょっと詰め込みすぎな感じもしたけれど、その分学ぶことも多かった本です。
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両親が離婚した小学4年生の少年が主人公です。
公団の公園で知り合った老人から、頼みごとをされたことがきっかけで、少年ハヤトくんは成長していきます。
すべて上手く話が進められてる感じもありますが、やっぱり朱川湊人さんらしいとこもあって、おもしろい1冊。
4年生の終わりの春休み。少年の気持ちが正直に書かれていて、次第に変わっていく心情がすっと入ってきます。子供はこういう風に大人に育てられるといいなーとも。