ユーラシアの双子 下 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062166478

作品紹介・あらすじ

石井は、自殺した長女の死の責任を自分に問いながら旅を続けていたが、死を決意し西へ向かうエリカの存在を偶然知ることに。ベルリンで出会った十九歳の彼女は娘の生き写しだった。パリの九月四日通り、バルセロナのサグラダ・ファミリア…西の果てのリスボンで迎える感動の結末。そして長女とエリカを結ぶ双子の秘密とは!?人間の愛と絆の本質に迫る大崎善生の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • パイロットフィッシュともう一作アジアンタムブルーの計二作過去に読んだ事があったが最近読んでいなかったのでちょと古いが買ってみたのが本作品。様々な事で人は心をやむのだろうが、心を病み死を選んだ娘を持った主人公と、その主人公がする無謀な列車旅行の旅の中で出会った心を病んだ少女。旅の目的が少女を救おうとすることに変化していく。上下刊あるのだがまあまあ楽しく読めた。ワルシャワ辺りから列車でリスボンを目指してみたくなる旅行小説でもある。列車の旅が好きな方は是非一読を。

  • 読み物としては面白かったが、今までの作品と作風が少し違うような。。宮本輝っぽい。

  • それぞれキャラクターが明確でよかったです。
    壮大な物語だったけれど、
    ユーラシアを舞台にする必然性はいまいち感じられなかったかな。
    紀行とエリカ追いかけがいまいちマッチしなかったかも。
    んーでも海外×日本人同士の人間関係は彼の特徴とも言えるとこだから、まぁいいのかもね。

  • おもしろかった。最後、よかった。ホッとした。

  • 結局人は人を救えない。
    相手が許してくれたときだけ、寄り添うことができるだけ。

    ハッピーエンドはあり得ない、自殺で終わることもきっとない、
    どうなるんだろう?と思っていたら、
    そうなったのね、と納得のいく終わり方でした。

    エリカの再生はまだだけど、石井さんの再生は果たせたような・・・。

    エリカちゃん、
    ’双子’のいのちを生きるのではなく、
    自分のいのちを生きて。

  • 上巻よりは面白かったように思う。少しの言葉のまずさは引き続きだったけれど。
    石井が旅の間中ひたすらお酒を飲み続けているところとか(これはもうアルコール中毒だと思う)、本気でエリカを助けようとし出したのは最後のリスボンに着いてからのように見えるところとか(口では助けたいと言いながらも、実際にはそれほど急ぐ気配もなく、のんびりと観光していたりもする)、主人公であるはずの石井に共感できる部分は少ない。そして、エリカの行動にも、腑に落ちない点は多い。でも、ワルシャワの話とか、最後の終わり方とかは良かったと思う。
    しかし、やはり気になるのは、大崎善生の言葉は、昔からこのレベルだっただろうか、という点だ。書かれた内容に引きずられて、私が見落としていたということも考えられるので、以前の小説を再読してみたいと思う。

  • やっと読み終わった!
    ブクログでの登録者数が少なくて驚くくらいに、とっても良い本。

    最後に、石井さんとエリカちゃんはくっつくと思っていたのに…。
    でも彼女が生きてて良かった。
    でも、もう彼女はエリカじゃなくて香織なんだよね。

    個人的には、エリカのパスポートを見たときの石井の反応が気になるんだよね。
    何か衝撃的な事実でもあったのかしら。

    あぁ、益々ヨーロッパに行きたくなった。
    もう4年くらい経つもんね、スイスからアメリカに来て。
    またヨーロッパで生活したいなー。

  • ひたすら怠惰な前半から、いよいよ欧州に入っていきます。1人の少女との出会い、現在と過去が交錯するストーリーに、だんだん引き込まれていきます。そして、静かなラスト。余韻がいいです。

  • (上・下巻 共通)
    「存在という名のダンス」で
    大崎さん どこへいっちゃうんだろう・・・?
    と思ったけど この作品はそれ以前の大崎さんらしい
    悲しみの中にも 再生の光がみいだせるような作品で
    良かったと思います。
    登場する 2組の父・娘の関係を とても羨ましく思いました。

  • 期待通りの作品で、良かったと思います。
    (いい意味で、期待以上でなかったのが、若干残念とも言える)

    余りにも、偶然が重なり過ぎだろー、なんて意見もあると思うけど、『ドナウよ、静かに流れよ』を読んだ人なら、決してそうは思わないはず。
    現実は、物語なんかより、もっと"物語"だから。

    内容を全く無視しても、
    日本語の美しさ、文章の構成、
    それだけで、頭の中にスラスラと入ってくる素敵な小説でした。

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著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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