サラリーマン誕生物語 二○世紀モダンライフの表象文化論

著者 :
  • 講談社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062167765

作品紹介・あらすじ

二〇世紀初期、人類史上に初めて「サラリーマン」が生まれた。新発明の執務機器や最先端の通信機械によって高速化・効率化される職場。昼食までもが時間管理される都市型労働者の原型を活写。

感想・レビュー・書評

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  • 昭和初期のサラリーマン川柳が読めるということで言えば@showgunnさんにお薦めだが、その他の人にはお薦めできない内容。
    タイトルは日本O.A.史とでもしたほうがよかったんじゃないか?
    下手な小説形式にしているため、考察も何もあったもんじゃないと言う印象。

  • 戦前のサラリーマン物語。サラリーマンという職業の始まり。現在のOA機器のようなものが続々登場。面白かった。

  • 小説でありそしてサラリーマン誕生の詳説であるこの本、ワークシフトとかライフシフトとか言われる今の時代だからこそ読む価値がありそうだ。

  • サラリーマンから派生して、通勤地獄、タイムカード、社食、残業といった、いろんな誕生物語が愉しめて面白い。

  • ”郊外”との関連で、その居住者となった都市労働者・会社員(サラリーマン)について知りたいと思っていた。「サラリーマン誕生」という書名から、読もうと思ったのだが、”まえがき”を読んで、その内容は読書の意図とは違うことに気付いた。しかしながら、本文を読んでみると、100年前のサラリーマンの一日を、テレビドラマ?ドキュメント?風につづった文体が面白かったため、そのまま読み進めた。100年前のサラリーマンが、自分たちが使用しているOAの祖先とも思える機器を使用して、自分たちと変わらぬような働き方をしている点が面白かった。また、狂言廻し役の主人公の名前が秀逸、阿部礼二=Average=平均=たいら・ひとし=サラリーマンは気楽な稼業と・・・

  • 1920〜30年代、日本におけるサラリーマンの誕生の時代において次々に取り入れられていった、さまざまなオフィスの「機械(おもにOA機器)」を手がかりにモダンライフの表象文化を論じたのが本書である。登場する機械は、省線電車の自動開閉扉、タイムカード、カードボックス、ベルトコンベヤー給仕装置、ファクシミリ、マイクロフィルムなどであるが、著者は欧米で発表された科学雑誌、啓蒙雑誌等々と日本におけるそれら紹介記事等を渉猟・紹介しつつ、「時代の空気」をよく再現し得ているように思われる。考察の一部を引用しておこう。

    「一九二〇年代、東京と同じく、大衆の時代を迎えたベルリン。そのオフィス風景を探訪して、時代の考現学者ベンヤミンとクラカウアーは、カードボックスに刮目し、ひとしく黙考している。彼らの見立てでは、カード式索引システムが象徴的に開示しているのは、メディアとしての書物の形式が断片化し揺さぶられると同時に、近代的主体が機能的部分(原文傍点)へと解体されていくありさまである。ベルリンのオフィスは、人文主義的な人間観を震撼させていたのである。」(161−2ページ)

  • 読了。背広族の誕生と 時のオフィス環境を学術的に解析したちょっとお堅い内容。うんちく的にはホーって感じ。

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著者プロフィール

1954年生まれ。早稲田大学教育学部教授。専門は表象文化論、ドイツ文化論。著書に『暮らしのテクノロジー』『ポピュラーサイエンスの時代』『サラリーマン誕生物語』『OL誕生物語』など、訳書に『DJカルチャー』(ポーシャルト)などがある。

「2017年 『流線形の考古学 速度・身体・会社・国家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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