- Amazon.co.jp ・本 (570ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062171670
作品紹介・あらすじ
三十数年の時を経て、再び訪れたアジアの国々。インドでサイ・ババ道場に立ち寄り、シンガポールのセックス・タウンに潜入。スリランカでは伝説の作家、アーサー・C・クラークを訪ね、そして、村上春樹の案内でトーキョーを歩く…。アジア大鉄道旅行記。
感想・レビュー・書評
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この本を読みたくて、予備知識として読んでおこうと
「鉄道大バザール」を読んでからかれこれ 1 年になる。
何をしていたんだ。
こんなに面白い本を読まずに、
他の本にうつつを抜かしていた事を後悔する。
前回の旅から 30 数年経て当時の若さと共に、
本作での著者の円熟した人間味を感じる。
イスタンブールのオルハン・パムク、
スリランカのアーサー・C・クラーク、
日本の村上春樹、その他数多くの人達との出会い。
著者と共に長い長い旅を、
夢中になって楽しめる素晴らしい 1 冊である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
旅の途中、東京での案内を自著の翻訳者でもある村上春樹に依頼するのだが、村上のオタカルチャーに対する深い憎悪とそのくせ意外な精通ぶりに笑ってしまった。
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4.42/42
『75年に発表され、一躍ポール・セローの名を世に知らしめた『鉄道大バザール』。ロンドンからトルコ・イラン・インド・タイ・ベトナム・日本・ソ連を鉄道で旅する大旅行記で、日本でも大きな話題を集めました。本書はそのセローが、30数年の時を隔て、かつて訪れた場所を再び鉄道で辿り直した旅を記録したものです。時の流れのなか、各都市はいかに変わったか? 若き眼に映ったものは、いまどう感じるか? 各都市の変貌を、時にシニカルに、とくに温かく、生き生きと活写していきます。「東」の世界の「いま」を知る最適な一冊です。
・イスタンブールでノーベル賞作家オルハン・バムクに会う。
・奇妙な独裁国家、トルクメニスタン。
・インド──サイ・ババ道場を訪ね、マハラジャの大邸宅でお茶を飲む
・スリランカ──幻の作家アーサー・C・クラーク訪問。
・豊かさのなかの不自由、そして秘密のセックス・タウン──シンガポール。
・巨大都市バンコクの光と影。
・ミャンマーでのある貧しいリキシャ夫との出会い。
・アメリカが負けた国、ベトナム再訪。
・ハルキ・ムラカミの案内でいくトーキョー。
・稚内で温泉につかる。』
(「講談社BOOK倶楽部」サイトより▽)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000186929
原書名:『Ghost Train to the Eastern Star』
著者:ポール・セロー (Paul Theroux)
訳者:西田 英恵
出版社 : 講談社
単行本 : 570ページ -
すごい読み応え。
どうすればこんな本が書けるんだ…
うまくこの本をまとめることが出来ない。
旅人は、実体のない通り過ぎていく幽霊。
60過ぎてもタフな旅人やれるんだな。 -
とにかく長かった!!読み応えありました。うーん面白かったです。旅する感じが。
各国とにかく良かったのですが、日本の書かれ方が、そうか海外の人からはこう思われているのだなぁと…。なんか教科書に載せてもいいような気がしました。cool Japanとか言っていても、そうだよね、こういう風にしか感じないよね、と実感しました。
村上春樹がまさかメイド喫茶に行くとは…でした。 -
想い出ある土地を再訪する旅・センチメンタルジャーニーは、ありかなしか。
そもそも、センチメンタルジャーニー(感傷旅行)という言葉自体、忘れられていないか(松本伊代が、80年代のあの頃、16歳だったことも)。
そう、80年代、僕もまだ二十歳で、自転車で北海道を旅をした。
その旅を、倍以上の歳となった今やってみることは、自転車で走り回れる楽しさはあるだろうが、その頃の何をやってもいいという無条件な自由さはない。
人生とかあれこれ考えてしまいそうで、「自分探し3級」(@羽海野チカ『ハチミツとクローバー』)を取得してしまいそうだ。
『ゴースト・トレインは東の星へ』の著者、ポール・セローは、33年前に行ったユーラシア大陸横断鉄道の旅を60代に再び行った。
ロンドンを旅立ち、東ヨーロッパからトルコ、中央アジアの国々、インド、東南アジア、そして日本へ。
若くない作家の昔を懐かしんだ旅行記か? と読み始めたが、この作家、この作品、一味違う。
ある程度名の知れた作家として、訪問先でコネクションを利用し、現地の作家に会う(スリランカではアーサー・C・クラーク、日本では村上春樹)。
取材をし、その国の政治、社会、経済状況に言及する。
紀行文なのだが、ジャーナリスティックな面もある。
33年前の旅について書かれた『鉄道大バザール』もタイトルは、鉄道旅行記そのままだが、ポール・セロー(ポール・セルー)は、列車や車窓の景色を眺めるだけのアメリカ人鉄チャンではなく、会話を通して、アジアの国のアジアの人の営みを物語のように汲みとっている。
さて、日本人のユーラシア大陸横断紀行と言えば、沢木耕太郎の『深夜特急』。
やはり60代となっている沢木さんは、このような旅を再びするだろうか、再び書くことはあるだろうか。
私の個人の意見を言えば、あの旅を、上書きしてほしくない。
ただ、沢木さんの紀行は、もっと、もっと読みたい。
中国のバスの旅など、書かれていない素材をまだまだ持っているはずだ。
今からでも新しいノンフィクション・紀行を期待する。
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「名著『鉄道大バザール』の旅、再び!〜三十数年の時を経て、再び訪れたアジアの日々。インドでサイ・ババ道場に立ち寄り、シンガポールのセックス・タウンに潜入。スリランカでは伝説の作家、アーサー・C・クラークを訪ね、そして、村上春樹の案内でトーキョーを歩く・・・・・。〜ポール・セローの眼に映った「東の星」の現在とは?」(本のオビより)。
ということなので、これは面白くないわけはない。「旅人は通過しながらたえずその国をでっちあげていく」と嘯くように、著者は小説家ならではの感性と観察力でその国の虚構を紡いでいく。決して皮肉や否定でなく、意外に「俗物」なんだなこの人って感心させられる。「名著『深夜特急』、再び!」もやってくんないかなぁ。沢木耕太郎。っつうか、いっそ自分でやっちまうか。な〜んてね。無性に長旅に出たくなる1冊です。