海薔薇

著者 :
  • 講談社
3.24
  • (3)
  • (26)
  • (38)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 165
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062172080

作品紹介・あらすじ

老舗デパート「菊本屋」のニューヨーク店に勤務する柘植波奈子は、仕事で訪れた倉敷で陶芸作家の栄森徹司と出会う。じつはふたりは高校の同級生で四半世紀ぶりの再会だったが、波奈子にはその記憶が全くなかった。しかし、徹司の作品、それを生み出す指、そして海のような徹司自身の大きさに、波奈子は惹かれていく。夫がいる身の波奈子はその気持ちに抗おうとするが、ふと徹司に伝えてしまう-「一年後のきょう、また会いたい」と。人はそれを不倫と呼ぶ。でもそれは、清らかな初恋かもしれない…。ニューヨークと倉敷、距離を隔てた大人の恋は、年に一度の、せつない逢瀬だけでつづけられる-。恋愛小説の旗手が描く、幸せな不倫のかたち。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最後にいろいろ詰め込んだ感は否めないけど、「はっ」とさせられるフレーズがいくつもあって、読んでよかったなと思えた。
    公と私、これからの自分の人生、ちゃんと考えて整えて進んでいきたいなと思います。

  • 不倫の話なのにドロドロしてなくて、逆に清々しいぐらい。ただ、あり得ない話。最終的には不倫が不倫ではなくなるんだけど、この話みたいにお互いの家庭が円満には離れられないし年に1度の逢瀬も続かないだろうなと。こんなに上手くいく不倫なんてない。そうは思いつつも個人的には好きだなと感じた。

  • ふとしたきっかけで再会して、1年に1回会うことにすると約束した男女。
    女は結婚して子どもこそいないけどキャリアもある。
    男は陶芸家で何回か結婚をしているし、子どももいる。
    確かに不倫だけど、ドロドロ感はなく、なんか普通に終わったと思う。
    ただ、1つだけ分からないことがある。
    公私混同をするな、意味は私のなかに公を入れるなという女の恩師の言葉。
    いつか分かるときが来ると願う。

  • 自分には縁のないことだと思っていた、胸が焦がれるほどの恋。

    子供には恵まれなかったが、優しい夫と生きがいである仕事に支えられて
    アメリカで生活する波奈子。
    帰国した際に訪れた岡山で、美しい備前焼に魅せられ、
    同時に高校の同級生の徹司と再会した。

    40代で想像もしなかった熱い恋。
    年に一度会う約束を交わした二人。
    9.11や、仕事での変化を経験しながら
    夫との関係、徹司との未来と迷い。

    燃えたぎるオトナの恋。
    徹司が惚れやすい感じで信用出来ない気もするけど、、、

    確かに、誰しもが自分の胸に秘めている人をずっと思っているのかもね。アリエル)^o^(

  • 穏やかな夫婦生活を送りながら、バリバリ仕事をする波奈子と高校時代の同級生、徹司は陶芸を通じて出会った。
    それから毎年、出会った10/5に会おうと約束する、良き遊び友達として…

    初めて小手鞠るいさんの本を読んだ。
    完全な恋愛小説、というのが第一印象。比較的描かれている内容はヘビーなのに、読後は爽やか。
    でも再読はないかな。

  • 大人のW不倫がテーマ。

    女性目線の美しすぎる理想的不倫w?
    出来過ぎにドラマティックで現実離れだ~っと思いましたが、繊細で綺麗な文章なので★ふたつ。

  • 一年に一度の逢瀬…
    不倫だけどドロドロ感なく。
    恋は落ちるもの。

    ハッピーエンドで嬉しかった。

  • 不倫でもそれらしくなくてよかった。
    思いがけないラストで
    すっきりした読了感を味わえる。

  • とにかく描写がきれい。好きでした。
    終わり方がなかなか素敵。

    備前焼とか見たことないのに、どういうものか想像できたし、ぜひ実際にみたいと思った。
    この年代の方の恋愛観に触れられてよかったなぁと思えた。

  • 焼き物の美しい描写。切ないほどの恋心。最期の思いがけない終わり方に涙しました。いくつになっても恋愛は純粋なものだと思いたいです。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1956年岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。ニューヨーク州在住。
『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞、『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(講談社)でボローニャ国際児童図書賞を受賞。主な著書に『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』(講談社)『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)ほか、主な児童書に『心の森』(金の星社)『やくそくだよ、ミュウ』(岩崎書店)『シナモンのおやすみ日記』(講談社)など多数。

「2024年 『新装版 まほうの絵本屋さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小手鞠るいの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×