- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062172080
作品紹介・あらすじ
老舗デパート「菊本屋」のニューヨーク店に勤務する柘植波奈子は、仕事で訪れた倉敷で陶芸作家の栄森徹司と出会う。じつはふたりは高校の同級生で四半世紀ぶりの再会だったが、波奈子にはその記憶が全くなかった。しかし、徹司の作品、それを生み出す指、そして海のような徹司自身の大きさに、波奈子は惹かれていく。夫がいる身の波奈子はその気持ちに抗おうとするが、ふと徹司に伝えてしまう-「一年後のきょう、また会いたい」と。人はそれを不倫と呼ぶ。でもそれは、清らかな初恋かもしれない…。ニューヨークと倉敷、距離を隔てた大人の恋は、年に一度の、せつない逢瀬だけでつづけられる-。恋愛小説の旗手が描く、幸せな不倫のかたち。
感想・レビュー・書評
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最後にいろいろ詰め込んだ感は否めないけど、「はっ」とさせられるフレーズがいくつもあって、読んでよかったなと思えた。
公と私、これからの自分の人生、ちゃんと考えて整えて進んでいきたいなと思います。
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不倫の話なのにドロドロしてなくて、逆に清々しいぐらい。ただ、あり得ない話。最終的には不倫が不倫ではなくなるんだけど、この話みたいにお互いの家庭が円満には離れられないし年に1度の逢瀬も続かないだろうなと。こんなに上手くいく不倫なんてない。そうは思いつつも個人的には好きだなと感じた。
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ふとしたきっかけで再会して、1年に1回会うことにすると約束した男女。
女は結婚して子どもこそいないけどキャリアもある。
男は陶芸家で何回か結婚をしているし、子どももいる。
確かに不倫だけど、ドロドロ感はなく、なんか普通に終わったと思う。
ただ、1つだけ分からないことがある。
公私混同をするな、意味は私のなかに公を入れるなという女の恩師の言葉。
いつか分かるときが来ると願う。 -
穏やかな夫婦生活を送りながら、バリバリ仕事をする波奈子と高校時代の同級生、徹司は陶芸を通じて出会った。
それから毎年、出会った10/5に会おうと約束する、良き遊び友達として…
初めて小手鞠るいさんの本を読んだ。
完全な恋愛小説、というのが第一印象。比較的描かれている内容はヘビーなのに、読後は爽やか。
でも再読はないかな。 -
一年に一度の逢瀬…
不倫だけどドロドロ感なく。
恋は落ちるもの。
ハッピーエンドで嬉しかった。 -
不倫でもそれらしくなくてよかった。
思いがけないラストで
すっきりした読了感を味わえる。 -
とにかく描写がきれい。好きでした。
終わり方がなかなか素敵。
備前焼とか見たことないのに、どういうものか想像できたし、ぜひ実際にみたいと思った。
この年代の方の恋愛観に触れられてよかったなぁと思えた。