福島原発 現場監督の遺言

著者 :
  • 講談社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062172141

作品紹介・あらすじ

黒いキノコ雲で放射性物質をまき散らした3号機は、即発臨界による核爆発説まで出た。欺瞞に満ちた収束宣言に突きつけられた元現場監督の告発。作業員の大量被曝からずさん工事、インチキ点検まで、一級配管技能士として福島第一、第二、浜岡、敦賀など各地の原発工事・点検に従事し、高木仁三郎氏も賞賛した現場の人・平井憲夫氏が全暴露。原発事故が絶えないのは素人ばかりで職人がいない上に役人が作ったマニュアル通りに工事するからと重大告発。日本の原発はこんなに危険だ。

感想・レビュー・書評

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  • 週刊現代の記者による本である。現場監督とは故平井憲夫さんのこと。高木仁三郎、枡倉隆氏など鬼籍に入られた方々の発言が行動が書かれている。反原発の立場でなくても一読を勧める。反原発の本はマイナーな出版社からでることが多いが、これは講談社。テレビ新聞系の報道は腰砕けだが、世の中の影響力が低いせいか出版社系の報道には読み応えの多いものが多い。この本もさすがは週刊誌記者で内容も盛りだくさん。文章も読みやすい。
    原子力安全保安院が安全検査ができる能力がないことも、原発が国民にエネルギーを供給するものではなく、大企業にお金を流す仕組みのためにあることもよくわかる。

  • 原発の語り部・平井憲夫さんの存在を知らずにいました。原発の設計から工事段階での問題を教えられると、一日も早く原発を廃炉にしなければ、と考えさせられました。

  • 2012/8月
    うーん原発管理がここまで杜撰とは。。思うこと2つ
    ①福島の事故を受けて全国原発の電源確保などしているはずだが、緊急時住民避難誘導訓練などされているのか?

    これを読む限り地震津波が来なくとも、事故は起こり得るひどい状態にある。もう安全神話は崩れたんだから原発停止と共に緊急時対応もみなおさなければならない。

    ②責任問題の追求焦点
    「事故対応」としての⒊11以降の官邸、東電の言った言わないのやり合いをしているが、これを読むと問題の本質は「事故対応」ではない。事故が起きた時点でもう出来ることは限られていた。そんなことよりもこれまでの組織がいかに歪んでいて、そのしわ寄せの結果として現場でいかに杜撰な建築、管理がされているのか。直視して、やはり今すぐ原発を停止しなければならない。

    設計図上原発は理想かもしれないが人間社会で運用するには無理があり過ぎる

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著者プロフィール

 1943年島根県生まれ、法政大学卒。ジャーナリスト。2007年まで講談社『週刊現代』記者として、国内外の政治・経済・社会問題を取材・執筆。
 1986年のチェルノブイリ原発事故後は、主に放射能による食品汚染問題を提起。2006年のチェルノブイリ20年目には、世界のメディアで唯一、事故炉4号機の中央制御室に潜入。
 著書に『東京電力・帝国の暗黒』『【新装版】原発に子孫の命は売れない』(七つ森書館)、『福島原発─現場監督の遺言』(講談社)など。

「2013年 『福島原子力帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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