- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062172851
感想・レビュー・書評
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爽やかな表紙、タイトルから明るい青春ものだと勝手に勘違いして読みました。
完璧な優等生、喜多義孝。その幼なじみの地味めな子、宮村奈緒。
二人の担任で野球部顧問の浅田大介。音楽教師の小百合先生。
微妙なバランスを保っていた幼なじみ二人の関係の変化と、
その間に絡んでくる十年前に自殺した新田真美の日記が落とす波紋が
主軸になって物語が進んでいきます。
それぞれが自分の日常の目立たなかった影と直面しながら、
後退なり成長なりをしていく話なので、青春ものなのは確かです。
4人の視点がくるくると入れ替わっていく文章のため、
読みづらいと感じるところもあります。
ただ、違う人物がその内面ではこんなことを…みたいな引き込まれるもの
はあるので、それはそれで私は面白く感じました。
そこよりも、ちょっと主観になる登場人物たちの誰にも一寸共感というか
理解がしづらかったです。
なので、展開に追いつかないというか、なにがどうしてそうなったというか…。特に喜多くん。
青春の一面だと思いますが、死や自殺などのテーマが絡んでくるので
薄暗いですし、その割には何かすんなり落ちてきませんでした。
面白いとも思えるのですが、終盤で超展開にしか感じられなかったからかもしれません。
ちょっと人には勧めがたいかなぁ、と読み終わって思いました。 -
心の表裏。
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私も表紙とタイトルに釣られたクチですが、重かった…。思春期ってこんなもんかなと思いつつ。野球は最後しか出てこないです。
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何故にこのタイトルとイラストなんだ?と思いましたが、あぁこれは齟齬なんだなと、噛み合わない気持ち、表面から窺えない心、自意識の葛藤、そういった他人と分かち得ない自分だけの感情を生々しく書きながらも、傍から見たらきっと爽やかな高校生活。そんなギャップを象徴してる訳なのね。
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タイトルからの想像とはかけ離れた内容。タイトルで爽やかさが全面に出ている分、それぞれの病みっぷりに少々酔いました...。好みの問題だと思います。
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メンヘラ主人公の高校生活
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野球小説だと思って読むと最悪。野球なんかほっとんど関係ないのにこんなタイトルをつけるのは詐欺に等しい。つまり、これ恋愛小説。しかもちょっぴりオカルトめいた恋愛小説。喜多が壊れていくさまが怖い。自分が特別だとか思いこんでるような感じで鼻もちならない。喜多は好きになれないけどストーリー展開としては悪くない。ただタイトル詐欺。2012/302
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だいたいある本を読むときはその作家が好きだから、とか好きな人が紹介してたから、というので2点とか1点とかはよほどのことが無い限りつかない気もするので、ブクログで平均3点以下はあんまりつかないと思うんですが、
・賞を取ったりですごい話題作でその作家を知らない人がいっぱい読む
・表紙と中身が余りに食い違っている
・その作家の中でも余り良い作品ではない
とかが重なると3点以下の悲惨な点数になるわけです。
何が言いたいかというと、そう、これは表紙詐欺です!
鹿島田真希が爽やかな青春ものなんて書く訳が無いじゃない!分かってたことでしょ!
しかしこの可愛らしい表紙で「来たれ、野球部」なんて青春ものっぽいタイトルでこの内容は余りにあんまりでしょう。鹿島田作品に慣れてる自分でもさすがにちょっとって感じでしたよ。
文体は普段の感じとは違って軽めで、『二匹』とかこんな感じだったかなーとも思うんですがもう読んだのが7年前とかだから覚えてない。
内容もなー思春期の暴走する優越感というか絶対感というのが書きたかったんでしょうけど、登場人物の言ってることとかやってることが突飛で、ちぐはぐな感じ。
ってな訳で微妙でした。
最後に書かれた「本当に好きなら、もっと残酷~」ですが、私の解釈は"強くなり過ぎた愛情は『独占したい・相手からも愛情を返してほしい・自分の理想の人でいてほしい』が際限なくエスカレートするものだから・・"、です。
小百合先生はそういう体験を持っていたんでしょうか? 話の中では語られませんでしたが・・。
あまり後半の展開にリンクしていないので、外れているとお感じになったらスミマセン。
どういたしまして。そして、解釈ありがとうございます!
確かに小百合先生の背景はあまり語られていなかったと思うのですが...
どういたしまして。そして、解釈ありがとうございます!
確かに小百合先生の背景はあまり語られていなかったと思うのですが、私も好きだからこそ残酷、というと、相手を自分の足元にひざまずかせたいというか思い通りにしたいというか、独占欲・征服欲なのかなあと感じてます。
解釈近そうですね?!