千里伝 武神の賽

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 87
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062173711

作品紹介・あらすじ

仙人の弓作りを命じられた千里、吐蕃の王のため嶺羊を追うバソン、謎の老人に師事する絶海。共に旅をした仲間たちは、武を極めた者たちが集う「武宮大賽」にて相見え、かつてない壮絶な戦いと、別れを経験する。

感想・レビュー・書評

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  • ★2016年3月12日読了『千里伝3 武神の賽』仁木英之著 評価B~B+
    今一歩の出来は分かっているが、それでも、中国物ファンタジーは止められないということで、シリーズ3作目。よく考えると成り立たない話のところもあるけれど、まあご愛嬌ということで、楽しむこととしました。アニメ的には、十分楽しめる設定ではありますから、それが文章と思えばよいわけで。。。

    (備忘あらすじ)
    登場人物は、ほぼシリーズで変わらない。武宮大賽という5年に一度の各地の武道拠点がそれぞれの代表を送り出して、優勝者を決め、そのものには大きな力を持つ賽が与えられる。その代表を選抜、そして大賽での優勝を目指す者達の激しい鍔迫り合いが展開される。
    また、主人公の高千里は、師匠の仙女、麻姑(まこ)から特別の弓を作ることを命じられて、崖州の額井峰の黄ボケ、吐蕃の納木湖(なむこ)の嶺羊王の角を手に入れるため旅に出る。そして麻姑山の降天の苧(からむし)を合わせて仙女用の弓を大会までに作った。
    この大会を期に、千里の良い友だった絶海はたもとを分かつが、彼は千里、吐蕃のバソンへの激しい劣等感から、手段を選ばず強くなることを望み、闇の力を身につけてしまう。
    そして大賽の日、とうとう絶海は、汚い手を使っても勝ちを選び、武神の賽を手に入れることとなるが、そこに稀代の策略家の道士である呂用之(ろようし)が、千里たちから奪った獲物を使ってこの世に復活した隋の煬帝とともに現れ、武神の賽も奪う。そして、第一作で登場した五獄真形図、第二作で登場した時空をも自由にする手段を身につけ、武宮の師匠たちも巻き込み強大な力を手に入れてしまう。

  • 相変わらずRPGな展開とストリートファイトが加わりました(笑)
    しかも裏切り者も出る始末(¯―¯٥)
    そしてラスボス登場?(笑)
    ゲームチックなので今男子も昔男子も好きそうな展開かも(笑)

  • 2巻を読んでからずいぶん経ち、気づいたら4巻で完結していたので慌てて読みました。
    前巻の内容をほとんど忘れていましたが…。

    絶海はもともと千里やバソンに比べて真面目で、その分悩みも多かったのだろうけれど、ダース・ヴェーダーっぷりが半端ないです。
    フォースの暗黒面に堕ちる時ってこんな感じなのか?
    って言うか、仁木さん、絶対にスター・ウォーズに影響されていると思うな。

  • 4を読んだ後に3を~呂用之は時の力の一部を使い随の楊広を甦らせたが,まだ覚束無い。崇山の武僧・絶海は,千里やバソンのように強くなりたくて山を下り,恋い焦がれる蔑収が目の前に現れ,強い師を求めて彷徨う。二人揃って甘蝉という弟子となる。五年に一度の武宮大賽の舞台は麻姑山で,勝者は武神賽に触れる栄誉が与えられる。麻姑は高千里に,崖州の額井峰に生える黄櫨,吐蕃の納木湖に住む嶺羊王の角,麻姑山にある降天の荢を新しい弓の材料として集める様に命じた。道士・趙帰真と海南島まで来た千里は結界内に入り,茶屋で働く仙女・明朱のアドバイスを受け,黄乙の遊び相手を務め,武術勝負で朱甲を切り離させて,因果を操らせずに勝利した。朱甲こそが黄櫨の求める束だった。吐蕃ではバソンを求めて龍に乗って旅するが,最初に会えたのはバソンの妻ピキと子であり,吐蕃王の為の弓を作るために納木湖に行っていると知らされる。再会は湖底で,いくつも幻影を見せられた挙げ句,勘に頼って角を手に入れる。絶海は一度諦めた修行に再度挑戦し,弦の張られていない弓で敵を倒せと命じられる。恋する蔑収を鳥に攫われて追い掛けて出会った村人は,甘蝉の力で身体と引き替えに命を長らえたが,死ぬに死ねないと訴える。奇岩を組み合わせた城の様な巣に住む怪鳥は,餌として蔑収を与えようとしており,身代わりとして村人を差し出すが,身のない餌では身代わりにはならないと斥けられる。怒りに燃える絶海の手に黒い巨大な弓が出現し,邪悪な黒い矢が怪鳥を打ち倒す。力と共に自信を手に入れた絶海は,蔑収も我が物とし,武宮大賽で千里とバソンに勝ちたいと明朱が新しく造った武宮を乗っ取って代表の座を手に入れた。麻姑山での代表を賭けた戦いでは,子分ではなく挑戦したい鄭紀昌と千里は手を組み,バソンが飛び抜けているからと,天狐組を率いる文魁之に接近して集めた矢を奪う作戦を立てた。最後に鄭紀昌が裏切ったが,紀昌の情に助けられ,千里とバソンと魁之が代表となった。二人で挑んだ絶海と蔑収は数人を葬り,中央に進み,他の神仙の邪魔を受けながら千里らも最後の戦いに進んだ。絶海は甘蝉から渡された符を使わずに勝ちたかったが,無限の可能性を秘めるバソンの前で符を使い,邪悪な矢でバソンと千里を倒して,手掛かりのない尖塔の上の箱を手に入れたが,輿に乗った煬帝と甘蝉が出現し,武神賽を手に入れた。甘蝉は若い道士・呂用之に姿を変え,時の力を武神賽を込め,野望を挫こうとする神仙を黄泉に送り,神仙の幾ばくかを配下に加えた。地に潜り込む神仙や千里らの前に趙帰真は千里とバソンを地上に投げ返した。戻ってきたのはバソンの地元だったが,村は襲われバソンの妻,ピキもこと絶えていた~ようやく繋がったが,年に一冊では前のお話を忘れちゃうぜ

  • 幼いナリだけれどその武の力は凄まじい、西王母に選ばれた器のひとりでもある漢人の千里と、高原の狩人バソン、武僧の絶海、三人の男たちがそれぞれ「強さ」を追い求め古い中国の時代を駆け巡るファンタジー、三作目にあたる。
    千里とバソンより力が劣り、ゆえにそれを妬まずにはいられない絶海がどんどんと「暗黒フォース」の方側へ傾倒していって、おいおいおいおいと追い続けているうちに物語はとんでもないところでブツリと終わってしまった。
    これ、続きどうなるんだろう。

  • なんだか、言葉にしたいけど、できなくてもどかしい感情が散りばめられている感じ。自分には、作者のあとがきが一番しっくりきた…笑。宝貝ってすごいモノなんだろうけど、実体がない感じがする。友情とか、ライバルとか、認めたいけど、認められない相手の強さと、自分の感情と。絶海がすんなり受け入れられず苦しんでいるところが、共感できて。

  • 大賽までの弓の材料集めや、出場者選は少年漫画的アツい展開で、シリーズ最高の面白さだったのだけど…。
    一巻完結じゃなく、次巻に続くのか…。

    ダークサイドに堕ちた絶海にがっかり。
    己の弱さを認めつつ、大きくなって欲しかったなぁ。

    バソンさん相変わらずかっこいい!
    バソン主人公のスピンオフ作品出来ないかなー。

  • 絶海の豹変、あり得ることだよな〜。
    話が途中で終わってしまい残念。次が出たら読むと思う。

  • 「千里伝」の第3弾。主人公の人間的成長著しく、とある登場人物の豹変も新鮮でストーリーも申し分なし。あまりにもいい所で終わりすぎたのは残念ですけど次作への期待がいやがおうにも高まります。ただ、相も変わらずラノベチックなイラストが興ざめ。

  • 絶海が変わっていく!!

    これからどうなっていくんだろう
    次回もたのしみ。  

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著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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