桜守のはなし

  • 講談社
4.03
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本棚登録 : 133
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175197

作品紹介・あらすじ

日本全国を飛び回り、傷ついた桜の手当てをし、桜の新種をさがす佐野さんは、「桜守」とよばれています。桜のいのちを守るしごととは-。桜守のしごとをみやすい写真で紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 佐野藤右衛門さんの本と言えば・・

    https://booklog.jp/item/1/4087812197
       ↑
    です・ます調の「敬体」で書いたものは、自分の古いブログ記事からのコピペ。
    OCNがブログサービスから撤退する際、大慌てでこちらに引っ越した時のもの。
    レビューとは言いがたいような拙い記事でも、あえて当時のまま保存してある。
    その時はそれでベストだったはずなので。

    そしてこちらは、同じ佐野藤右衛門さんのお話の絵本版。
    柔らかな京都弁で、子どもたちに向けて語られたもの。
    おおらかな、かがく絵本とでも言えば良いのかな。
    細かなテキスト部分も多く、読み聞かせには不向きかもしれないが、読まずにいるのはあまりに惜しい。ブックトーク用か、高学年以上の子の読書におすすめ。もちろん大人にも。
    美しい桜の写真も多く、ほぉーっと何度もため息をつきながら読むことになる。

    「桜は守り(もり)をして継いでやらな、絶えてしまう木なんです」

    一年のうちで、満開の時3日から5日くらい見て、たいていのひとはおしまい。
    でも実は花が散ってからの360日が、桜にとって大切な一年の始まりだと言う。
    その守りの仕方が、まるで子育てのようでもあり深遠な哲学のようでもあり、読みながら桜がたまらなく愛おしくなってくる。
    「桜守」の七つ道具に驚き、種から育つ桜は3種しかないということにも驚き、
    更に、一年に一度しかない接ぎ木のチャンスでも、花が咲くかどうか分かるのは20年後くらいだという事実にも驚く。
    そんな労苦もあるから、春に先駆けて蕾が膨らむ「笑いかけ」の枝先を見つける時が一番嬉しいと、そう言われる。
    何だか涙が出る・・「見守る」という作業の膨大な時間と手間暇をかけ続ける難しさ。
    それが報われる瞬間というのは、何物にも代えがたいことだろう。

    職人さんの紡ぐ言葉には、心に響くものがいっぱいある。
    読んだあと、桜を見る眼が変わる。明らかに変わる。この季節にぜひどうぞ。

  • 「桜は、かならず下を向いて咲きます。他の花は太陽に向かって咲くのに、桜は下を向く。それだけ人を包み込んでるのやと思います。」

    「桜は守りわしないといけない木なんです。手入れではありません。」


    ほんの数日愛でる桜の花も、守ってくれるひとがいてこそ。

  • 春は、桜の花見が楽しみな季節ですね。
    それでは、みなさんは夏や秋の桜をみたことがありますか?
    桜は、人が見守り、手を差し伸べなければ弱ってしまう植物です。
    この本は、京都の植藤造園十六代目、佐野藤右衛門さんが地元言葉で語ってくれる「桜守」という仕事の話です。
    桜も人間のように、触診したり、聴診器をあてたり、注射をさしたりするそうです。春に見事な桜の花が見られるのは、桜守の人たちが一年をかけて「守り」をしているからなんですね。
    桜は、今わかっているだけで300種類以上もあるといいます。この本にも、いくつか種類が紹介されていますが、みなさんはどの桜が好きですか?

  • 一般的に桜を眺めるのは、4月の開花前後だけ。
    しかし、桜守はみんなが桜を見ない時期に、桜を来年も花を咲かせるために守っているのだ。
    桜の花が散ったあと、桜の木に害虫がいれば駆除し、新種の桜が発見されればその地に出向き調査し、桜の実から種を取出し種まきして苗を育てる。

    桜守がいるから、私たちは桜を楽しむことができるのだ。
    絵本だけど、とても勉強になる本だった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「私たちは桜を楽しむことが」
      桜が咲くと、日本人で良かったと単純に思ってしまいます。。。そんな訳で佐野藤右衛門の本「桜のいのち庭のこころ」を...
      「私たちは桜を楽しむことが」
      桜が咲くと、日本人で良かったと単純に思ってしまいます。。。そんな訳で佐野藤右衛門の本「桜のいのち庭のこころ」を読むコトにしました。
      2012/12/12
  • こんな仕事があるのかぁ。。。日本全国を飛びまわって、傷ついた桜の手当てをしたり新種を探す、桜守。

    桜守は桜を、手塩にかけて守る。けれども構いすぎてもよくない。春夏秋冬、こまめに、丁寧に桜の世話をする桜守についての写真絵本。触診、聴診器を使っての診察。聴診器を桜の幹にあてると、ズーッズーッと音がするらしい。桜守の七つ道具(14つだけど)など載っていて面白い。

  • まずこの表紙の、おじいさんの笑顔と桜がとてもいい。
    そして、桜を見るなら1本だけ決めて、春だけでなく他の季節も一年通して見ると、自然を感じられていい、というのはとても腑に落ちた。

  • 桜を「守り」するのがわたしの仕事。桜の声を毎日きいて、光、土、水、鳥、まわりの木に気をつけて、手塩にかける。かまいすぎてもだめ。大切なのは、見守ること。
    (『キラキラ子どもブックガイド』玉川大学出版部より)

  • 2022.1.27 5-3

  • 最近ソメイヨシノの老齢化が社会問題になっていますよね。
    伐採に心を痛めていますが、一方で桜を見守りながら育てている著者のような方もいらっしゃると知り、少し明るい気持ちになりました。

    ソメイヨシノは種では育たず、世の中のソメイヨシノはすべて同じ個体のクローンから出来ていると聞いたことがありましたが、本書で初めて接ぎ木の仕方を知りました。
    こんなに手間がかかっていただなんて・・・

    私も、お気に入りの桜を自分で育てているつもりで四季折々見守っていこうと思います。

  • ブックデザイン/田中彩里

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