ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175913

感想・レビュー・書評

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  • 【出会い】
    林先生がお勧めしていた本

    【あらすじ】
    過疎の村にブランド力をつけて救う
    羽咋をUFOの町にする

    【感想】
    何でもやって見ればるもんだなと思った。
    ただし、相手をくすりとさせるセンスは必要だと感じた。
    秋元康さんもそうだけど、高野さんも元構成作家らしいので、他に元構成作家の人が何をしているのか興味が沸いた。たぶん、普通の人と比べて具体的なゴールのイメージがしっかりしているのだろう。

    【気に入った言葉とか】
    いてはいけない人、いてもいなくてもいい人、いなくてはならない人
    ベルリンの壁を鈴にした
    根回しは上から

  • 期待以上に面白い!ローマ法王に米を食べさせるまでのお話かと思ったら、そんなことはなくもっと奥が深く色んな要素が詰まってる!
    考え方や発想の仕方がホントにしっかりしてその上で様々な取り組みを行ってきたと具体的に知れる
    「いてはいけない人」、「いてもいなくてもいい人」、「いなくてはいけない人」って考え方はすごく分かる!今の自分はどれか、いなくてはいけない人になるにはどうするかその視点持っていけたらいいなぁ

    奇跡のリンゴを読んでおくとなお面白い

  • なぜか放送作家ってすげー、なりたいーなと憧れた。

    こんな行動力をもったアイデアマンになりたい。

  • この人は頭の良い人だと、文章からも伝わってくる。でも敵も多いだろうな…。自分の強い信念、失敗から成功につなげて行くプラス思考、不屈の精神は見習いたいと思いました

  • 公務員のヴェンチャー起業物語とでも言えばいいか。

    石川県羽咋市と言えば千里浜なぎさドライブウェイ。この本で紹介されているコスモアイル羽咋には月の石やルナ/マーズ・ローバーが展示されていてそれも100年間無償だそうだ。ヴォストーク帰還船の実物やシールドは本物のアポロ指令船もある。行けばよかった。
    このコスモアイルを立ち上げたのが今ではスーパー公務員とまで呼ばれるようになった高野誠鮮師。師と言うのは公務員でありながら日蓮宗で代々続く本證山妙法寺の第41代住職でもあるからだ。

    羽咋市のHP@H24とこの本によると以下の様な限界集落だった
    農地面積2320ha(神子原には110haの棚田、耕作放棄地46ha@H17)、人口23412人、8501世帯(神子原では昭和59年度には196世帯832人いた人口がH16年12月末には169世帯527人、そしてH24は110世帯323人)そして農業人口541人@H24、そして高野氏が訪問直後の平均年収は87万円・・・

    平成13年冬「おまえみたいなヤツは、農林課に飛ばしてやる!」と上司に飛ばされたことがきっかけ。それもコスモアイルで使うために買ったUFOという800ドルの番組を800万円と上司が誤解したから。農林課の仕事で神子原村へ行ったのも補助金の説明でそこで村人達に言われた言葉が「わしら、この先5年は大丈夫だろうけど、そこから先はどうなるかわからんぞ。」

    高野氏が「過疎高齢化した集落の活性化」をマニュフェストにして当選した新市長の元で目指したのが若者が出て行かない街づくりで①流通を変え農家が直接販売して利益を得る。②農作物のブランド化③雇用の創出(直売所、加工所など)が具体的なプランだったがここまではよくある話だろう。どうやって成功したかがこの話のポイントだ。

    市長肝いりの事業の予算はわずか60万円。これでコンサルに頼みイベントをやるという道は無くなる。いかに自分で工夫するかをスタートにした。そしてこれがヴェンチャーだと言えるのは会議をやめ、企画書をやめ、すべて事後報告にしたこと。当然反対はあるが上司のバックアップと低予算を理由に押し通す。この後はかなり行き当たりばったりだが予算が少ないと言うことはこけても失敗が少ないし、簡単にすぐ始められることから始めたのも成功の要因だろう。小さく賭けてたくさん失敗し学習する。まあガバナンスの問題もあるから結果オーライではあるのだが。

    最初のプロジェクトは空き家、空き農地の貸し出しで村の人は当然よそものを嫌がる。ほっとけば無くなる村でも心情的には受け入れがたい。問題になったのは空き家と言っても仏壇がある。そこをなんとかしたのは寺に生まれた物の知恵だった。仏壇から抜魂し位牌に移すというウルトラC。そんな方法があるのか?だがあるようだ。村人も納得した。しかも入村者選びは村人の好き嫌いに任せてしまう。お金を用意してあげるからどうか来てくださいではない。お客さんは要らない、どうしても来たければ入れてやってもいいとかなり上からだが仲間になれば歓迎するのも田舎ならではか。

    都市住民との交流では烏帽子親農家制度といい仮の親子関係になって都会の若者に各家庭で泊まり込みで農業体験をしてもらう。最初に呼んだのがお酒が飲める女子大生。朝から農業で夜は宴会、しかも女の子は酒が強い。にぎやかな家には他の客も来て楽しんでいく。

    本題のローマ法王にどうやって米を食べさせたかというと実は手紙だった。この手紙作戦はコスモアイルから使っていて、意外と外国人相手には効果がある。何よりそんなの無駄といわずにやってみたのが功を奏した。一方で科学的な取り組みも進めている。神子原の米はうまいというのが評判だったがタンパク質の含有率を人工衛星を使って調べる方法があるのだ。しかも意外と安い。(ヘリを飛ばすより安い)ついでにこの衛生写真を羽咋市役所がビジネスとして受けている。宣伝はもっぱらマスコミを上手く利用しており、それも最初は神子原にはUFO基地があるというほぼトンデモなところから、しかもこれを特ダネがあると週プレをつりあげた。乗る方も乗る方だ。

    http://www.mlit.go.jp/common/000148780.pdf
    高野氏の講演要旨がこのリンクにあるが、鍵は低予算と何にでも反対する人をどうコントロールしたかだったようだ。

  • お坊さんはエネルギッシュだね。
    根本に人の役に立ちたいっていう気持ちがあるからかな?
    マスコミ体験も後の仕事に完全に生きてる。なくてはならない人。

  • 純粋に興味があったので読んでみた。

    CIAのデータに基づく宣伝戦略、何度も諦めずにチャレンジしてみること、何事も恐れずに提案してみることなどを行っていて、自分も見習えたらと思った。

    また、「人の役に立つのが役人だ。」という言葉が凄く印象深かった。

  • スーパー公務員と謳われる高野誠鮮さん。彼による石川県羽咋市の「村おこし」の数々は本当に新鮮で斬新なものでなかなかに考えつくものではありません。

    「可能性の無視は最大の悪策」この言葉の意味がよく分かるものとなっています。

    「いなくてはならない○○」になる。
    そのための1歩を踏み出すのに背中を押してくれると思います。

  • 挑戦しないことが最大の失敗ってやつだ

  • おもしれえー! ビジネス書を読みながら笑ってしまったのは初めてかも。ドラマ化したら「半沢直樹」のようにヒットしそう。著者は元放送作家であり、"企画力"が高い。

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著者プロフィール

1955年、石川県羽咋市生まれ。科学ジャーナリスト、日蓮宗妙法寺第四十一世住職、立正大学客員教授
テレビの企画構成作家として『11PM』『プレステージ』などを手がけた後、1984年に羽咋市役所臨時職員になり、NASAやロシア宇宙局から本物の帰還カプセル、ロケット等を買い付けて、宇宙科学博物館「コスモアイル羽咋」を造り、話題になる。1990年に正式に職員となり、2005年、農林水産課に勤務していた時に、過疎高齢化が問題となった同市神子原地区を、年間予算わずか60万円で立てなおすプロジェクトに着手。神子原米のブランド化とローマ法王への献上、Iターン若者の誘致、農家経営の直売所「神子の里」の開設による農家の高収入化などで4年後に“限界集落”からの脱却に成功させる。2011年より自然栽培米の実践にも着手。2016年4月から立正大学客員教授、新潟経営大学特別客員教授、妙成寺統括顧問や富山県氷見市で地方創生アドバイザーなどとしても活躍。著書に『ローマ法王に米を食べさせた男』(講談社+α新書)、『頭を下げない仕事術』(宝島社)。

「2016年 『日本農業再生論 「自然栽培」革命で日本は世界一になる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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