介助犬を育てる少女たち -荒れた心の扉を開くドッグ・プログラム-

著者 :
  • 講談社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062176972

作品紹介・あらすじ

アメリカ・カリフォルニア州にある「シエラ・ユース・センター」。ここでは非行をした少女たちが、社会できちんと生活できるようになるための教育の一環として、介助犬を訓練する「ドッグ・プログラム」が行われています。障害をもつ人の日常生活を手助けする介助犬を育てる-。その経験をとおして、さまざまな問題や生きづらさを抱えた少女たちが、少しずつ変わっていきます。

感想・レビュー・書評

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  • 子どものために借りた本だったが、パラパラとめくるうちに読了。

    カリフォルニア州の更生施設で、更生のプログラムとして介助犬の訓練をする少女たちのドキュメンタリー。

    複雑な家庭環境下で十分な愛情に恵まれなかったために、人格形成に問題を抱え社会からはみ出してしまった少女たちが、犬の訓練を通して、無条件の愛情を知り、自分自身の価値を知り、人間として成長して、また社会にも貢献できる人物となっていく様は、非常に勇気づけられる。
    彼女たちのように問題を抱えた子どもたちでも、適切な支援があれば必ずやり直せるのだ。同じような取り組みは日本にはないのだろうか?
    介助犬の不足も甚だしいことだし、関係各所には是非導入を検討してもらいたい取り組みだ。

    このシエラという施設で少女たちを助ける日本人の女性、鉾山佐恵さんがまた素晴らしい。
    バーゲン大学という、介助犬というシステムを考え出したボニー・バーゲン博士が立ち上げた団体が前身の、介助犬訓練士育成の専門大学の学生で、単身アメリカに渡り、修士課程で学びながら、少女たちの指導もしているのだという。
    自分の生きる道を自分で切りひらいて、その道をまっすぐ進む彼女にも心から拍手を送りたい。

  • 「アメリカ・カリフォルニア州にある「シエラ・ユース・センター」。ここでは非行をした少女たちが、社会できちんと生活できるようになるための教育の一環として、介助犬を訓練する「ドッグ・プログラム」が行われています。障害をもつ人の日常生活を手助けする介助犬を育てる-。その経験をとおして、さまざまな問題や生きづらさを抱えた少女たちが、少しずつ変わっていきます。」

  • バーゲン大学。介助犬と介助犬トレーナーを養成する団体「アシスタンス・ドッグ・インスティチュート」がさらに発展し正式の大学となったのが現在のバーゲン大学。
    設立者はボニー・バーゲン博士。1970年代に、世界で初めて介助犬を育成したパイオニア。

  • 大塚敦子講演会「ともに生きるということ」|ちひろ美術館・東京
    日 時 : 2013年8月10日(土) 15:00~16:30
    会 場 :ちひろ美術館・東京 図書室
    参加費 :1000円(入館料別、高校生以下は入館料無料)
    申 込 :受付中
    講 師 :大塚敦子(フォトジャーナリスト)
    定 員 :60名
    ちひろ美術館・東京
    〒177-0042 東京都練馬区下石神井4-7-2
    TEL:03-3995-0612 / テレフォンガイド:03-3995-3001
    FAX:03-3995-0680
    http://www.chihiro.jp/tokyo/event/2013/0703_1440.html

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    「「あなたがいてくれることで、乗りこえられる!」
    麻薬、窃盗、暴行……。さまざまな問題を抱えた10代の少女たちが、介助犬を育てながら再生していく姿を追った、心ゆさぶるノンフィクション!

    アメリカ・カリフォルニア州にある「シエラ・ユース・センター」。ここでは非行をした少女たちが、社会できちんと生活できるようになるための教育の一環として、介助犬を訓練する「ドッグ・プログラム」が行われています。障害をもつ人の日常生活を手助けする介助犬を育てる――。その経験をとおして、さまざまな問題や生きづらさを抱えた少女たちが、少しずつ変わっていきます。」
    Atsuko Otsuka
    http://atsukophoto.com/

  • アメリカの少年少女厚生施設には、介助犬のトレーニングプログラムが少なからずあり、成功を収めていると聞いて驚いた。本書は、日本人ドッグトレーナーが働く、あるアメリカの厚生施設におけるドキュメンタリーである。

    こうした施設に入れられる少女達は、複雑家庭環境を経た結果、家族の愛を満足に受けられず育った子達が多い。動物のトレーニングは、彼女たちに無条件の愛を与え、同時に社会復帰に必要な自己管理をすることを学ばせるのである。例えば、犬に何かの指示を与え覚えさせることは、根気のいることであるが、我慢が出来ない子にとってそれを乗り越えることは、一つのハードルである。途中で逃げ出してしまう子もいるが、最終的にこのプログラムをやり遂げた子達は、大きく成長し、再び反社会的な生活に戻ることは少ないという。

    また、施設のある町の人たちの協力も大きい。介助犬の訓練は、街中でも行われるし、町の人たちの前で訓練の成果を披露する機会もある。介助犬のみならず、この施設の活動は多くの市民の善意によって支えられている。更正施設のプログラムがユニークであるだけではなく、そのユニークなプログラムが効果を発揮するための大きな力は、市民による支援であるということをよくよく教えてくれた一冊でもあった。

  • 犬を育てながら人間も成長するという素敵な話し。

  • 120914by朝日新聞2012Aug.連続
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    犬は、人の気持ちをそのまま受けとめ、自分もそれに合わせようとする動物。 あなたが落ち込んでいると、犬にもそれが移ってしまうよ。
    ----------
    『別れのレッスン』『介助犬ターシャ』『動物たちが開く心の扉』『犬が生きる力をくれた』『ありがとうフォンジー』『わたしの病院、犬がくるの』
    http://atsukophoto.com/
    平和構築など、国際紛争ジャーナリスト、上智卒商社経験、
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    13
    17 brushing photo ←かわいい
    23 stressどんより、犬にも移る
    37
    56 身体障害者補助犬法、2002,jpn
    73 社会化 仔犬から
    74 puppy petter 幼い命をケアすること
    76 生まれたばかりで、やさしく人の手に抱かれる。ずっと続く人との絆。将来人間のためにはたらいてくれるか。
    88 別れ 家庭のペットに
    107
    111 精神的障害ある人を助ける介助犬 平静な心を保てるように助ける 戦争PTSDなど
    118 別れ 旅立ち
    134 overnight learning 行き詰まった時に
    135 信頼 絆 ができると
    145
    149
    151
    162-2 投げ出さない。負の感情に支配されない。失敗しても、それを受け入れ、再度トライできるようになること。。。。☆☆☆
    164 どの社会でも、女性たちは次世代を育てる中心的な役割。だからこそ、平和で安全な社会を実現するには、少女たちが力をつけ、よりよい生き方を選択できることが重要。。☆☆☆
    186 精神的な障害(戦争PTSDですぐイライラ怒り爆発:俺も)を抱える人を助ける介助犬。いつもそばに寄りそってくれる犬。PTSDに苦しむ帰還兵のための介助犬。

  • アメリカの少女厚生施設では、介助犬を育てるプログラムがあるのですね。
    そのプログラムを受ける少女たちを取材した本です。
    イヌがもつ、人に対する愛情が、荒れた心を癒すようです。

    この本に登場する、ドッグプログラム・インストラクター、鉾山佐恵さん。
    とても意味深いお仕事をしていると感じました。
    会ってみたいなぁ(^^)

  • 麻薬や盗みで更生施設に収容された少女たち。彼女たちは、介助犬を育てるプログラムを通して、自己肯定感、信頼されることや愛すること、責任感を身に着けていく。簡単に解決する問題はひとつとしてなく、一歩一歩の歩みが彼女たちの未来への扉を開き、介助犬を必要とする人たちの生活を豊かにする。
    ノンフィクションならではの説得力と感動が味わえます。

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著者プロフィール

大塚敦子
1960年和歌山市生まれ。上智大学文学部英文学学科卒業。パレスチナ民衆蜂起、湾岸戦争などの国際紛争を取材を経て、死と向きあう人々の生き方、自然や動物との絆を活かして、罪を犯した人や紛争後の社会を再生する試みなどについて執筆。
『さよなら エルマおばあさん』(小学館)で、2001年講談社出版文化賞絵本賞、小学館児童出版文化賞受賞。『〈刑務所〉で盲導犬を育てる』(岩波ジュニア新書)、『はたらく地雷探知犬』(講談社青い鳥文庫)、『ギヴ・ミー・ア・チャンス 犬と少年の再出発』(講談社)、『いつか帰りたい ぼくのふるさと 福島第一原発20キロ圏内から来たねこ』(小学館)など著書多数。
ホームページ:www.atsukophoto.com


「2020年 『シリアで猫を救う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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