冤罪死刑

著者 : 緒川怜

• 講談社 (2013年1月30日発売)

作品紹介・あらすじ

三年前に発生し、犯人逮捕で終結したはずの少女誘拐殺人事件。だが、その裏側にはあまりにも多くの嘘や裏切り、腐敗や汚職があふれていた。死期を迎えた刑事の告白、目撃証言に挟み込まれた意図、被害者の母の衝撃的告発、そして埋葬された記念品…。事件を洗い直すべく動き出した通信社記者と女性弁護士は、次々と意外な事実に突き当たる。ともに東京拘置所に収監されている死刑確定者と、勾留中の刑事被告人の間には、いかなる接点があったのか。ラスト10ページで明かされる驚愕の真相。「合法的殺人」に仕組まれたトリック。

感想・レビュー・書評

[あやさんの感想 · 2013年3月14日]

最初は、難しそうだなぁ～と思って読み始めた本。
でも、読んでいくうちにストーリーに引き込まれました。

ラストで、「そうなの？」的な驚きがあります。

[よしさんの感想 · 2024年3月16日]

冤罪と思われる事件を再捜査していく記者の話で、弁護士からの依頼で少しずつ事実に近づいていく。最後のページまで油断できない作品で、最後のオチは全くの予想外ど良かった。感想を書くまでに間が開いてしまったので、ちょっと忘れてるところもあるけどとてもいい読書だった。

[雅本棚さんの感想 · 2023年5月3日]

「合法的殺人」に仕組まれたトリック
現役通信社デスクが、拘置所の内部を、死刑執行の実際を、精緻に描いて放つ、正統社会派ミステリー。

三年前に発生し、犯人逮捕で終結したはずの少女誘拐殺人事件。だが、その裏側にはあまりにも多くの嘘や裏切り、腐敗や汚職があふれていた。死期を迎えた刑事の告白、目撃証言に挟み込まれた意図、被害者の母の衝撃的告発、そして埋葬された記念品……。事件を洗い直すべく動き出した通信社記者と女性弁護士は、次々と意外な事実に突き当たる。ともに東京拘置所に収監されている死刑確定者と、勾留中の刑事被告人の間には、いかなる接点があったのか。ラスト10ページで明かされる驚愕の真相!
取り返しのつかない死刑執行の後で、事件の様相は一変した!

[どろみざわどろみ。さんの感想 · 2020年8月6日]

警察の捏造、自白強要をテーマにした話。

栗原の元妻多香子さんが良い人すぎる…

[herbteaさんの感想 · 2019年6月14日]

最初少し読みづらいと感じていましたが、物語が動き始めると一気に読まされてしまいました。冤罪というものは、こうやって作られていくものかもしれません。実際にこんなことが起こり得るとは思いたくないですが、人間のすることに100%はなく、少しだけ歯車が狂ったり思惑によって故意に捻じ曲げられていくこともあることを考えさせられました。ミステリとしてはとても計算されていてよくできていると思います。生意気ですが登場人物がもっと魅力的だといいのですが。多少予想のつく部分はありますが、どんでん返しを楽しみました。

[mayasmrさんの感想 · 2018年1月28日]

似た感じの話を読んだ気がしてたんだけど前に文庫で読んでた。話としては面白いけど都合のいい形に収めすぎかな。

[kiyomi0584780688さんの感想 · 2017年8月29日]

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[8-nosuさんの感想 · 2016年12月12日]

三年前に発生した幼女誘拐殺人事件。この事件で現在勾留中であり、死刑が求刑されている刑事被告人は、実は“無罪”だった!?特ダネを求め取材を重ねる通信社記者、刑事被告人の担当女性弁護士、執行を待つ死刑確定囚、当時事情聴取を行った刑事…次々と浮かんでくる新事実の数々、果たして嘘をついてるのは誰なのか!?彼は本当に“無罪”なのか!?節目節目に張り巡らされた伏線はラストでしっかり回収され、まさかの事実が暴かれる…最後は何とか入り込めたが、序盤の説明がくどい。そもそも序章は必要か？面白いが疲れるもったいない一冊(笑)

[ao-nekoさんの感想 · 2014年2月28日]

少女誘拐殺人事件を巡るミステリ。タイトル通り「冤罪」と「死刑」がテーマ。どちらも難しい問題であるし、事件解決を迅速に行うことも必要ではあるけれど。この警察のやり口は……あまりに恐ろしい。現実にこんなことがないよう祈るばかりです。
はたして冤罪なのか、そして真犯人は誰なのか、という謎に加えて、さまざまなところでひそかに繰り広げられるとある謀略。その意図するところには「なるほど！」と思わされました。ただ、それですべてが丸く収まるように思えても。悲劇の波紋が起こってしまったのは、やるせないなあ。

[Chieさんの感想 · 2013年10月14日]

　身代金を奪われた末に誘拐された女の子が殺されてしまった容疑で山崎哲也は逮捕され、一審・二審ともに死刑判決が下っていた。しかし山崎は相変わらず無罪を訴えており、上告するために弁護を担当することを決めた櫻木希久子も、実際に接見してみて山崎が犯行を犯したとはなかなか信じがたいと感じていた。そしてその予感通り、事件は同時期に起こっていた他の事件と交錯しはじめる。

　視点がコロコロ変わるのと、登場人物が多いのとで少し読みにくかったが、それなりに楽しめた。しかし、死刑直前でこれから何を言ってももう死ぬことが確定しているにも関わらず、栗原が「お前が殺めたのは本当に2人だけだったのか？」という質問に答えなかったというのが腑に落ちなかったのと、どんでん返しが予想できてしまっていたのが残念。