フランシス子へ

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (130ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062182157

作品紹介・あらすじ

とりたてて何もしない猫、しかし相思相愛の仲だった-。自らの死の三ヶ月前、吉本隆明が語った、忘れがたき最愛の猫フランシス子の死。

感想・レビュー・書評

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  • 事実と違うことがずいぶんかかれているみたいだけれど、
    そういうことではなくて、
    この作品は吉本氏の最期の様子そのものなんだね。
    思想家としての彼はよく知らないけれど、
    こうしてエッセイなんかをいろいろ読んできて、
    ひとりの人間の人生に触れた気がしました。

  • フランシス子さんは、吉本さんの猫の名前。

    亡くなる3ヶ月前の、吉本さんの言葉。

    著者プロフィールの下にさりげなくあったフランシス子さんの写真に、涙が出そうになった。

  • 何度か読むことになるだろうな

  • なんてことはない文章だけど…。深い。

  • 吉本隆明さんの愛猫「フランシス子」の死。
    そして、そこから淡々と語られるフランシス子との記憶。
    いつしか語られるのは猫の話だけにとどまることなく、
    著者が思い馳せた事柄や思想へと繋がり、
    優しく優しく…それは孫に語りかけるように綴られている。
    本当に、その語り口が鮮明に浮かぶような錯覚があった。(実際に著者が何かを語る場面を目にしたことがあるわけではないけれど)
    とても優しい本だ。

    あとがきに「女子どもの本」という語句が何度か現れる。
    けれどそれは侮蔑的な意味合いを含むものではないし、
    ましてや本当に女性と子供にだけ向けられた本であるわけもない。
    恐らく、作者の語り口を精緻に再現した本書は
    男性的なにおいのする本ではない、という事を表しているのだと考えています。
    日本語を理解できる人に、
    それは老若男女を問わずに是非読んでほしい本と言える。

    四角四面な現代に必要なものとはなんなのかを考えるきっかけ。
    それがこの「フランシス子へ」のページに詰まっているように思います。

  • ネコにフランシス子と名づけるなんて、
    流石のセンス!と思ったら、
    よしもとばなながつけたんだそうです。

  • 泣けるほどずるい。

  • とても好き。文章が音楽みたい。
    最後のページがほんわりしとるのに、ふと泣けてくる。

  • 吉本隆明最後の本。軽い語り口だがなんともいえない寂しさ、安らかさを感じました。諦観ですかね。こういう風に老いて死にたいものだと思いました。

  • 思考することに、生きることに、ほんとに真摯な人だなぁ。

    「断定せず、間を見つめる」

    写真の笑顔がすべてを肯定しているような。

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。著書多数。2012年3月16日逝去。

「2023年 『吉本隆明全集33 1999-2001』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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