- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062184373
作品紹介・あらすじ
徳川家五代将軍・綱吉に成り代わった影将軍の善政によって、天下の悪法「生類憐みの令」も緩和され、江戸の町も明るさを取りもどそうとしていた。影将軍の秘密を知る、忍者の末裔・流英次郎と仲間たちは、奥州や西国で密命を果たし、江戸に帰着してからは影将軍の親衛役を務めていた。そんな折、英次郎は町なかで人買いに捕まっていたという娘を助けることになる。ちさと名乗るその娘は、英次郎たちに保護されるとすぐに禁断症状を起こした。おそでの見立てによると、麻薬の中でも最も毒性の強い「阿芙蓉」のせいらしい。阿芙蓉使用者が江戸に現れたとなるとただ事ではない。他方、市中で頻発する「神隠し」の正体が、人買い商人の仕業であることがわかってくる。この阿芙蓉と神隠しが結びつくことで、組織的な巨悪がその輪郭を現してきた。もしかすると、幕府の屋台骨を揺るがすような事態が進行しつつあるのかもしれない。巨悪の候補に、なんと御三家の一家・紀州藩と、海商・十文字屋の名が浮かび上がってきたのだ。
感想・レビュー・書評
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2051 11 26
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悪道シリーズ、3作目。
今回は前作から仲間入りした貴和の活躍がとにかく目立つ。面白そうなキャラであるだけに、活躍してくれるのは嬉しいんだけど、だからといって何かと超人過ぎるのは悪い意味で気になって仕方ない。
今回扱われた陰謀そのものは、前回よりも面白いと思った。ただ、その背景にある御三家と幕府との内情はよく使われるものだし、さほど新鮮味を感じなかったのも正直なところ。どんでん返し的な真相も、既読感あったし。
流英次郎一統はもちろん、影将軍も含め、登場人物が皆魅力的なのは間違いない。忍者の末裔である英次郎と、人の命を救う医師のおそでとの立場の違いも浮き彫りになっていて、二人の今後の展開が気になる。もっと面白くできるはずだと期待をもって、シリーズ続編を待ちたい。 -
安定の3冊目。
英次郎,おそでさん,貴和さんの3人が超人過ぎて(笑)