悪道 御三家の刺客

著者 :
  • 講談社
3.31
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本棚登録 : 33
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062184373

作品紹介・あらすじ

徳川家五代将軍・綱吉に成り代わった影将軍の善政によって、天下の悪法「生類憐みの令」も緩和され、江戸の町も明るさを取りもどそうとしていた。影将軍の秘密を知る、忍者の末裔・流英次郎と仲間たちは、奥州や西国で密命を果たし、江戸に帰着してからは影将軍の親衛役を務めていた。そんな折、英次郎は町なかで人買いに捕まっていたという娘を助けることになる。ちさと名乗るその娘は、英次郎たちに保護されるとすぐに禁断症状を起こした。おそでの見立てによると、麻薬の中でも最も毒性の強い「阿芙蓉」のせいらしい。阿芙蓉使用者が江戸に現れたとなるとただ事ではない。他方、市中で頻発する「神隠し」の正体が、人買い商人の仕業であることがわかってくる。この阿芙蓉と神隠しが結びつくことで、組織的な巨悪がその輪郭を現してきた。もしかすると、幕府の屋台骨を揺るがすような事態が進行しつつあるのかもしれない。巨悪の候補に、なんと御三家の一家・紀州藩と、海商・十文字屋の名が浮かび上がってきたのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 2051 11 26

  • 悪道シリーズ、3作目。

    今回は前作から仲間入りした貴和の活躍がとにかく目立つ。面白そうなキャラであるだけに、活躍してくれるのは嬉しいんだけど、だからといって何かと超人過ぎるのは悪い意味で気になって仕方ない。

    今回扱われた陰謀そのものは、前回よりも面白いと思った。ただ、その背景にある御三家と幕府との内情はよく使われるものだし、さほど新鮮味を感じなかったのも正直なところ。どんでん返し的な真相も、既読感あったし。

    流英次郎一統はもちろん、影将軍も含め、登場人物が皆魅力的なのは間違いない。忍者の末裔である英次郎と、人の命を救う医師のおそでとの立場の違いも浮き彫りになっていて、二人の今後の展開が気になる。もっと面白くできるはずだと期待をもって、シリーズ続編を待ちたい。

  • シリーズ三弾。

    今回は江戸が中心の隠密活動です。
    少なくとも悪役がお莫迦さんでなかったのは前2巻よりましでした。
    敵方自体は架空ですが、それを取り巻く大藩は紀伊や尾張で家祖からの継体話もよいです。
    相変らず説明が何度もされてくどかったりしますが、あっさり読めました。
    ただ、貴和のスーパーマン(ウーマン?)的活躍と英次郎の超能力的直感はすごすぎる。
    他のメンバーも一場面くらいづつは活躍するが目立たないです。

  • 安定の3冊目。
    英次郎,おそでさん,貴和さんの3人が超人過ぎて(笑)

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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