誰も戦争を教えてくれなかった

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062184571

感想・レビュー・書評

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  • 勉強になりました。

  • 著者の註釈がおもしろい。

  • 客観的すぎる視点、たびたび登場する皮肉などが、
    多分受け入れられない人もいるんだと思う。

    でも、20代の人たちのほとんどは、
    このくらいの熱量で戦争を見ているんじゃないのかな。

  • 著者の本毎回楽しみにしているが、今回はしっくりこなかった。朝井リョウさんにしても古市憲寿さんにしても、やはり同世代のものを描いたほうがなんだかんだいって面白い。心の奥底に蠢いているもやもやとしていて捉えがたいものをはっきりと拾い出してくれる。そこに歳の近い私などは期待している。今回はテーマが遠くに行きすぎてしまって、ストライクを大きく外れていた感がある。

  • 約一週間かけて読了。
    社会学系の本を読もうなんて初めての試み。上司に古市憲寿(の顔が)好きそうと言われて興味を持っての選書。
    最近歌集ばかり読んでいた私にはかみごたえがありすぎました。けれどもちゃんと読めるのは、世代的な問題かしら。
    百聞は一見にしかずなんて思って、こういう、学術知識を一般向けにまとめたノンフィクション新書みたいなジャンルを軽んじていたけれど、脚注見るだけで膨大な資料を読んでいるし、私は人生でおそらく世界の戦争博物館めぐりなんてしないだろうから、一見しないものについて一聞するのも悪くないかな、と、認識を改めさせられたのもすごいです。
    内容も大変中立的で、嫌韓の人に叩かれているとかなんとか?だけど、とくにそんな風なことはないように思われました。
    総論としての、別に僕たちは第二次世界大戦的な戦争を体験することはないだろう(テクノロジー的な意味も込めてこういうスタイルの戦争は今後ないだろう)から、そんなに学んでどうこうということはない、というのは、初めて聞いた話で、そうかなるほど、と。
    ただ、なんでも楽しさを追い求める点が、お若いのもあるのかもしれないけれど、商業的なアミューズメント的なものって、そんなに必要なのかしらん。一つの提案として、というスタンスは保ってるのでそこまで変な気持ちにはならなかったけれど。
    最後の世界のおわりのところには、何故かぞくっとしたけれど、何がどうとかは、わからなかったです。眠くて。
    しかし、世界の博物館楽しめるってなかなか語学力のいる話ですよね。ガイドとかどんなやったのかしら。そこもすごーいと思っての星五つ☆

  • 戦争からは何も学ぶものはない。

  • やはり古市本は面白い。斜に構えてはたから眺めるスタンスはあの戦争に対しては一番有効かもなあ。個人的にもポリティカリーコレクトな戦争話というのは、小学校時代に(以下自粛)。
    事実と、展示側の解釈と、見学者の解釈の余地と、バランスが難しい一方で、熱意あふれる善意の運営者による博物館もしくは様々な圧力団体へのアリバイとして作られる博物館ではそりゃつまらんわな、と思う。
    巻末のももクロの対談は頭痛が…

  • めっちゃ良かった!
    わざわざ図書館で予約して順番待ちして読んだんだけど、
    きっかけを忘れてしまった。でも、良かった。

    戦争を正面から切るんでなく、戦争博物館というモノを通して、各国が戦争をどうとらえるか…どう伝えるか…って視点から解きほぐしていくのが面白い。
    「あの戦争」のネガティブイメージに引きずられるあまり、これから起こる新しい戦争を見据えることが出来ず、新たな惨事に呑み込まれなければ良いが…と少し冷静になれた自分がいた。

    戦争のカタチは変わる。
    過去の悲劇は繰り返さないとしても、新たな悲劇を生み出す力は着々と育っているんだ。

    真面目な話の所々に付け加えられる、「だめじゃん。」とか「へぇ。」とかのぼそっとした呟きが効いてる。
    当事者意識なんて要らない。
    少し突き放した所から、冷めた眼で見ることの了承が、むしろ共感を呼ぶ。

    欄外の注釈、著者プロフィールまで、余すところなく面白い。

  • ドイツのザクセンハウゼン記念館・博物館がいちおしになっていました。世界の戦争をテーマにした博物館を巡り、リピーターを確保するために陳腐化しないようあれこれ打ち手を考えなければいけないハコモノ展示より、そのままを残すことのインパクトが重要であることに納得。著者がいうように「僕たちはまだ、戦争の加害者にも被害者にもなれずにいる」うちは、日本はテーマ展示を苦手とするのではないかと思えました。自分自身の修学旅行やもろもろのお出かけを思いだしてみて、いちばんの衝撃は、松代象山地下壕の見学としたいと思います。本土決戦最後の拠点として大本営を移す予定の地下壕。本気でこれで良いと思っていたのか。はてな?が浮かぶところでした。

  • あとがきの協力者を見て、あっ!と思ってしまった。

    確かに、日本の博物館はそんなに面白くもなく、
    ましてや、あの戦争をテーマにしたものなんて・・・

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著者プロフィール

1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。2011年に若者の生態を的確に描いた『絶望の国の幸福な若者たち』で注目され、メディアでも活躍。18年に小説『平成くん、さようなら』で芥川賞候補となる。19年『百の夜は跳ねて』で再び芥川賞候補に。著書に『奈落』『アスク・ミー・ホワイ』『ヒノマル』など。

「2023年 『僕たちの月曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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