あなたは、誰かの大切な人

著者 :
  • 講談社
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感想 : 149
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062192958

作品紹介・あらすじ

咲子が訪れたのは、メキシコを代表する建築家、ルイス・バラガンの邸。かつてのビジネスパートナー、青柳君が見たがっていた建物。いっしょにいるつもりになって、一人でやって来たのだ。咲子が大手都市開発企業に勤めていたころ、とあるプロジェクトで、設計士の彼と出会った。その後二人とも独立して、都市開発建築事務所を共同で立ち上げたが、5年前に彼は鹿児島へ引っ越していった。彼はそのちょっと前に目を患っていた。久しぶりに会った彼の視力は失われようとしていた。青柳君の視力があるうちに、けど彼の代わりに、咲子はバラガン邸の中に足を踏み入れた。──『皿の上の孤独』を含む、六つの小さな幸福を描いた短編集。

感想・レビュー・書評

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  • マハさんの6つの短編集。ほっこりしたりちょっとウルっときてしまうようなお話しばかりでした。
    芸術家やアート作品、建築物やトルコ、スペインなどの外国の地名が出てきたりしたので実際にGoogleで作品や建築物を観ながら読んでみました。
    短編集だったので読みやすかったです。

  • わかっているくせに、
    いつも確認しながら読んでしまう。

    マハさんの物語は、いつもあたたかい。

    それはもうじんわりな温度で包まれる短編6篇。

    5篇目の『波打ち際のふたり』を読んでいて
    あ、本当はこれを待っていたんだと
    ふと気がついた。

    この物語の登場人物のハグのように、
    絶妙にマハさんからかけてもらえる
    『イケるやろ』

    気が付けば、どの物語にも
    マハさんの『イケるやろ』がさりげなく入ってる!

    そうですね。もう少し、もうちょっぴり
    イケそうな気がしてきました。

    ポンポンと優しく肩をたたいてもらえる一冊です。

    …難しそうではありますが…
    岡倉天心の『茶の本』。いつか挑戦してみます。

  • 冒頭のお話「最後の伝言」がよかった。
    まさに髪結いの亭主。
    古今東西だめんずは髪結いの亭主になるって相場がきまっているのだろうか。

    男がダメな女を囲っても専業主婦と言う立派な名前がつく。
    でも逆だと世間の目が厳しい。
    でも良いじゃないかと思う。
    経済力のある女が色男を囲ったって。

    うん、よかった。よかった。
    「ラストダンスは私に」ってこんな歌詞なんだ、ふむふむ。
    まいったな、いい曲だな。

    マハさんの小説、狙ってる感じが鼻について苦手になってきた。
    でも、短編でさらっと良い気分にさせてくれるならそれはそれでいいのかも。
    人気が出るの分かるね。

  • 存在の不在は色濃く残るものかと

    「月夜のアボカド」
    「波打ち際のふたり」
    この二作品がお気に入り*

    みんな、だれかの大切なひとで
    繰り返される平穏な日々の中に
    それはあるというのに、
    普段は見えないし、気付くことも
    難しい…
    大切なものはずっと、たくさん、、
    見えるわけじゃない。
    自分の今のイメージなら
    雨降りの後、お日様の光に照らされて
    キラキラひかる蜘蛛の糸のような。


    幸せな時を刻むアルバムをみんな持ってる
    ただ、それだけじゃない
    撮ることすら許されなかった
    写真が 誰の心にもある
    苦味のない人生なんて、きっとないよ
    それがまるごとの自分

    そんなことを感じられた一冊。

  • 原田マハの短編集、それぞれ味わい深い作品だけど「無用の人」と「緑陰のマナ」がよかった。前者はいかにも日本的な味わいで寡黙で全く目立たない父親がまさに日本茶みたいな存在だったと知ることになる誕生日の贈り物、後者は異文化のイスタンブールに紀行文をものする為2度目の訪問をしまるで神からの授かり物みたいな食物を介した人の縁を描く。どれも香り高い珈琲のようでした。

    • ortieortieさん
      はじめまして。
      いいねとフォローありがとうございます。
      あなたは誰かの大切な人、わたしも一読しています。「日本茶みたいな存在だった」確か...
      はじめまして。
      いいねとフォローありがとうございます。
      あなたは誰かの大切な人、わたしも一読しています。「日本茶みたいな存在だった」確かに!おもしろいですね。また再読したくなりました。レビュー、楽しみにしています。
      2018/02/08
  • 題名の通りを題材にした6つの短編集。

    主人公は全て、私と同じ中高年世代の女性で、各々の人生の中での、夫婦だったり、恩人だったり、同性の友達、異性の友達、いろんな立場の「大切な人」への想いを垣間見れる。

    どの短編も、「共に過ごした時間の長さ」よりも、僅かでも「大切な時間を共有して過ごした刹那」がとても優しく心に染みいる。

    このような貴重な刹那は、かけがえのない経験であり、生きる支えとなる。
    「今日を生きた。だから、明日も生きよう」

    メキシコだったり、イスタンブールだったり、ちょうど今、他でも自分とリンクする国が出てきて、とても興味深かった。

    髪結いの亭主、トルコの春巻き、女友達との赤穂温泉、建築家ルイス・バラガン邸と同志。
    読んでて、私ももうこんな歳になってしまったのだなぁってつくづく思う。

  • やっぱりマハさんの話は心に染みる。
    どんな人にもドラマがあり、なにがあっても穏やかに人生を生きていく。そんな話。

  • タイトルに惹かれてずっと読んでみたかった1冊です。

    「最後の伝言」
    「月夜のアボカド」
    「無用の人」
    「緑陰のマナ」
    「波打ち際のふたり」
    「皿の上の孤独」
    からなる、6編の短編集です。

    どれも、静かでどこか懐かしい空気が漂う、しんとした物語でした。

    一番好きなのは、「月夜のアボカド」
    60歳になってようやく運命の人と結ばれた女性の話は、切なく幸せに満ちていて、月夜にアボカドという美しい背景描写と相まって脳裏に残る物語でした。

    ”ねえ、マナミ。人生って、悪いもんじゃないわよ。
    神様は、ちゃんと、ひとりにひとつずつ、幸福を割り当ててくださっている。
    誰かにとっては、それはお金かもしれない。別の誰かにとっては、仕事で成功することかもしれない。
    でもね、いちばんの幸福は、家族でも、恋人でも、友だちでも、自分が好きな人と一緒に過ごす、ってことじゃないかしら。

    大好きな人と、食卓で向かい合って、おいしい食事をともにする。
    笑ってしまうほど単純で、かけがえのない、ささやかなこと。それこそが、ほんとうは、何にも勝る幸福なんだって思わない?” (p67)

    じーんと心に響きます。

    どの短編集も共通して、人生順風満帆な人が登場人物なわけじゃない。
    いろいろありながら、上手くいかなかったり、周りからよく思われなかったり・・・だけど、どんな人もみな、誰かの大切な人なんだよ、という温かいメッセージが流れていて、静かに癒されました。

    休日の夜にゆっくり読めてよかった1冊でした。

  • 大切な人っていうのは、無条件で受け入れられる人の事だろう。
    生きている内に巡り合えれば幸せだが、逝ってしまってからその事に気づかされても幸せなのだと思う。
    そんな心の温まる短編集。

  • ほっこりする話ばかりの短編集。
    どの話も心がふわっと暖まる物語でした。

    自分にとって大切な人、そして自分も誰かにとって大切な人。
    それを実感する機会はなかなか少ないかもしれないけど。

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著者プロフィール

原田マハ小説家。1962年東京生まれ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。2005年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞しデビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞、R-40本屋さん大賞などを受賞、ベストセラーに。2016年『暗幕のゲルニカ』がR-40本屋さん大賞、2017年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞。その他の作品に『本日は、お日柄もよく』『ジヴェルニーの食卓』『デトロイト美術館の奇跡』『たゆたえども沈まず』『常設展示室』『風神雷神』など多数。ヤマザキマリ東京造形大学客員教授。1967年東京生まれ。84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。2010年『テルマエ・ロマエ』でマンガ大賞 受賞、手塚治虫文化賞短編賞受賞。2015年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

「2022年 『妄想美術館(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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