黒野葉月は鳥籠で眠らない

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062193337

作品紹介・あらすじ

ただ、覚えておけばいいよ。
絶対に欲しいものが決まってる人間が、
どれだけ強くて、怖いものかを。

15歳の少女にわいせつな行為をさせたとして21歳の元家庭教師が逮捕された。被疑者の大学生は何かを諦めたように本心を話さない。頭を抱える新米弁護士の前に現れた黒野葉月――被害者の高校生は、やがて途轍もない行動を起こす。

法の奥深くへ分け入り、新米弁護士木村と先輩高塚のコンビが知る、四つの秘密。予測不能の事件の行方。
加害者も、被害者も――相談者たちは、一様に何かを隠している。
実力派新人が放つ、鮮烈な読後感の表題作を含む連作リーガル・ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • タイトルから表題作ででてくる高校生の黒野葉月が活躍する作品?と思ってたけど何かを隠している依頼者たちの秘密と謎を新米弁護士が先輩の力を借りながら解き明かしていくリーガルミステリ連作短編集でした。

    超くせもの揃いの依頼者たちと一見簡単そうにみえて一筋縄ではいかない予想外の展開に大満足!個人的には表題作の「黒野葉月は鳥籠で眠らない」が一番好き!

    このシリーズ3作もあるみたいやし次作も読むのが楽しみやわ!

  • 感情産業って医療職とか福祉関係の人の事だと思ってたけど、弁護士さんもそうなのかな。
    こちらがシリーズの最初とは知りませんでした。木村君が初々しい。弁護士さんの印象、やっぱり変わっちゃった。

  • 高塚&木村弁護士シリーズ代1作目です。
    高塚弁護士の有能ぶりがすごいですね。4話収録されていますが、それぞれ家族に対する愛の形が違ってて面白かったです。

  • 4つの短編からなるリーガルミステリ(裁判描写はない)。
    【黒野葉月は鳥籠で眠らない】本作の趣向がわからず、なんとも評価しずらく読み進める。【石田克志は暁に怯えない】ラストに感じた静かな胸の痛み。そういう作品集ですか…【三橋春人は花束を捨てない】一押し。本作の魅力に気が付き、虜になっていた。弁護することに深入りすると、拭い切れない絶望的な感情が押し寄せてくる。【小田切惣太は永遠を誓わない】法律の抜け穴に注目した解には脱帽でした。

    「事件」を読んでから裁判モノが気になりだしている。被告原告のそれぞれの想いや秘められた事実を掘り下げていく過程が、読書にのめり込む要因のひとつとなっている。
    弁護士の主人公の真摯な仕事ぶりが、衝撃度を増すことに一役買っていることが苦々しい。

    アキラさんよりお借りしました。

  • key word 短編集 弁護士シリーズ1
    ブラックさがあって面白い

    主人公の弁護士さん、先輩弁護士さんのキャラクターが好き。応援したくなる。頑張ってー!って。

    織守さんらしくブラックさがあって面白い。リーガルミステリーとしても面白いし、そう言う法律や法律の使い方があるんだなぁと物語としても面白い。どの話も私は好き。
    このシリーズも面白かったし、「花束は毒」も好きだったし…と言うことは織守さんの本は好きとなって、織守さんの本は完読したいと思います。

  • 人情家の新米弁護士の事件簿。といってもホームズ的な先輩がいて、本人はワトソンという感じ。
    作者自身が弁護士でもあるので、法に基づく結末のどんでん返しというかプラスαはとても興味深いし面白かった。

  • 新人弁護士木村が担当することになったのは未成年との淫行により児童福祉法違反で逮捕された大学生の皆瀬だ。しかし彼は反省した風もなく、どこか諦めた風情だった。示談も進まず、弁護士として歯痒く思う木村のもとをある日被害者の少女が訪ねてきた。強い視線で彼女は問う。彼を助けるにはどうしたらいいのかと。(『黒野葉月は鳥籠で眠らない』)事件を起こしたかつてのロースクール仲間や、不貞する妻から娘の親権を取りたい穏やかな男や、先輩弁護士のお供で出会った世界的な芸術家とその娘など、さまざまな人や事件と向き合う連作短編集。

    そのうち読みたかった織守さんがたまたま図書館にあったので。表題の葉月ちゃんがつよつよすぎてだいぶひいてしまったのだけど、他の収録作も読んでくうちにこういう人たちの話が書きたかったのか、と納得。現役弁護士さんだけあって法律周りはしっかりしてるしどんでん返しや伏線も無理なくてまとまりよくてよかった。ある意味無敵の人って怖い怖い。『小田切惣太は永遠を誓わない』が好きかなあ。木村くんは善良な主人公すぎて今後の弁護士人生が心配だけど強く生きて。あと高塚先輩は何者なんだ。シリーズ化したのかなあ?

  • 生徒におススメされて読んだシリーズ

    リーガル・ミステリーというカテゴリー初めて聞いたけどこれは確かにリーガル・ミステリーだわ。何かをかなえたいという人間にとって法は利用価値のある何かにしかなりえない。決して罰するだけではないほうの価値は人生において創生されていくものなんだろうなと思う。

    個人的には「三橋春人は花束を捨てない」が良かった。
    好きな女性と子供と暮らすためにたてた策略はとてもお見事でなるほどそれはとてもいいという感じ。そういう人生があってもいいんや。

  • 新米弁護士が関わる案件4つの連作短編です。依頼人に寄り添い彼らのためになる方法を探そうとする新米弁護士木村に対して、依頼人のほうはそれぞれ、すべてを預けず何かを隠しています。最後にそれが明らかになり、見えていたものの色が変わる瞬間はなかなか衝撃です。’絶対に欲しいものが決まってる人間が、どれだけ強くて、怖いものか。’2話目の彼の選択は想像できてしまうことが恐ろしい。3話目の彼の選択は全く共感できなくて恐ろしい。「記憶屋」でブレイクした作家さんですが、私はこちらの方が断然好みで良かったです。

  • この方の本は初めて。思ってたのと違った作品だったけど、それは嬉しい違いで、法律の解釈の面白さ?みたいな楽しみ方ができた。
    最後の話は、「昨日何食べた?」で取り上げられていたので私にもわかった。これはシリーズではないのかしら?

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著者プロフィール

1980年イギリス・ロンドン生まれ。2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。15年、第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞した『記憶屋』は、シリーズ累計35万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に『SHELTER/CAGE』『黒野葉月は鳥籠で眠らない』『301号室の聖者』『世界の終わりと始まりの不完全な処遇』『ただし、無音に限り』『響野怪談』がある。

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