ウォーク・イン・クローゼット

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197571

感想・レビュー・書評

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  • 『いなか、の、すとーかー』
    すうすけが裏で糸をひいて拗れさせてるんじゃないかと、最後まで疑っていました。
    ごめんね。笑

    インタビュー記事でファンになる、SNSはまるでわたしへのメッセージのよう(*´-`)
    と感じるのは脳の性質上さけられない。
    とはいえ、想いの押しうりはいかがなものか。
    たとえば、役者さんと接する機会が設けられ、そこで話すのはOK。
    名前や顔を覚えてもらっても、出待ちをしたらNG。
    周囲をぐるりと見渡せば、ものすごく親しげな間柄もあるし、ムズカシイ聖域だなぁといつも感じる。
    この話に出てくる、折れないハートを持ったおばちゃんストーカーの活力源は何だったのだろう。
    惹かれあってたはずの幼なじみの豹変は、優柔不断が原因とされていたけど理解できず怖かったなぁ。
    そもそも陶芸家の彼。なんだかよく分からないヒトだった。
    ・・・はっ。これが優柔不断なニンゲンの真骨頂!?

    『ウォーク・イン・クローゼット』
    こちらの話は面白かった!
    OL早希ちゃんのファッションへの造詣の深さから興味をひかれたが
    素材やデザインごとに洗剤を使いわけて手洗い、浴室乾燥のうえアイロンという休日は真似できないなぁ。。
    複雑な家庭環境にあった幼なじみの芸能人だりあちゃん、
    稼いだぶんを旅に費やすカリスマアパレル店員ユーヤくん。
    現実では縁のない人の生きざまを読むのはワクワクする♪
    みんなが幸せに暮らしていけますように!

  • 現実は、かくも厄介だ

  • 読書メモに記入

  • ウォーク・イン・クローゼット
    文章から想像するだけでも幸せな気分になる。
    物を減らそうとしている今でもやっぱり憧れ。

    「変わること前提で愛してもらうなんて、
    おかしくないか?」

    これは、私が今読むべくして読んだ本。

  • 「いなか、の、すとーかー」は若手陶芸家が悩まされる一人目のストーカーの理解不能な静かな狂気がリアル。最終的に二人を受容する様子がどこか寂しくてしんと胸に迫る。服がすきでタレントのだりあと友達で、男友達とご飯を食べたり、下心だけの人に度々引っ掛かりそうになったりする表題作も明るくてお洒落で楽しかった。

  • すっと入ってきて、読みやすい。同い年だったとは知らなかった。すごいな。いつの時代も、こういう人入るのね。石田衣良より素直で屈託がない感じだ好きだわ。

  • 表題作は、男中心の生活から自分軸を見出だしていく女の子の自立の物語、といったところでしょうか。
    彼氏候補も、タレントの友達も、個性が強烈です。
    もう一作、ストーカーの話も強烈。。これは意外なことにハッピーエンド?で驚きました。
    けど、エンディングで主人公の意識変わりすぎですよね?そんなに変わるかな。強烈すぎる体験をしたから?

  • 【いなか、の、すとーかー】
    『おれをなめるなよ。本当に殺すぞ」
    「殺してよ。お兄ちゃんに殺されたら、私うれしい。首を締めて殺して。お兄ちゃんの顔を見ながら死にたいよ」

    『いい子のふりをしても、結局いい子じゃなかったから苦しかった。自業自得です。ごめんね。』

    『良くも悪くも、いままで歩んできた道が、いまのおれを作っている。苦しみはたくさんの喜びの代償だ。』

    【ウォーク・イン・クローゼット】
    『私にはこういうことがよくある。遊びの予定が決まったときは楽しそうな面しか見えなくて、その日が来るのが待ち遠しいのに、いざ前日や当日になったら、予定が現実的に具体的に見えだして面倒になり、とたんに行く気が萎える。』

    『嫌な気持ちを抱えたままヤケクソで家を出て、待ち合わせ場所で友達の顔を見たら、不思議なほどモヤモヤは霧散する。まるで別の人間に生まれ変わったみたいに、奥に引っ込んでいた社交的なワタシが表に出てきて、普通に笑い、快活な声でしゃべる。』

    『あの頃はもうすっかり過去だ。無理をするのも楽しかった痛々しいくらいにはじけた青春が消え去り、代わりに私たちは一体何を得たんだろう。』

    『男の人に軽くみられると、本当に自分が軽くなったみたいに感じられ、確実に何かが減る。多分、自尊心とかプライドとか、人間にとって大切な部分が。』

    『夜十時半、家に着いてまずすることは、包丁を持つことではなく、電子レンジに買ってきたお弁当を入れて、「あたためる」のボタンを押すこと。おままごとセットには、もちろん電子レンジのおもちゃなんて付いてなかった。ごっこのときは、あんなに楽しかったのに。』

    『ある種の罪悪感が私にネギを、じゃがいもを、豚バラ肉を買わせている。おままごとのDNAが"いままでの生活のままじゃあんまりにも悲惨だ"と涙声で訴えてくる。』

    『付き合うって言葉もないままに、押し流されてゆく。後悔の念におそわれても、もう遅い。もしかして、なんて期待してのこのこやってきた私が馬鹿だった。私なんて、全然、大切にされてないんだ。おしゃれな洋服でできるかぎり可愛くラッピングしても、ほらもう、脱がされてるし。身体の熱がどんどん奪われてるのは、ワンピースを脱がされたからじゃない。』

  • 表題作より、「いなか、の、すとーかー」のがインパクトあったなー。
    なんか怖いよね。なんとも言えない怖さ。
    もっと酷い方向に話が進むかと思いきや、わたし的には思わぬところに着地したなぁって感じだけど。
    出てくる人出てくる人、ほとんどがそれぞれ違った意味で気持ち悪くて嫌だったな。

  • どちらの中編も、ありふれた展開と思いきや最後に急展開するのがよかった。

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著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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