天と地の方程式 3

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062199452

感想・レビュー・書評

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  • チームカンナギニの絆が深まる様子は読んでいて楽しかったが、それぞれがもつ力と、謎解きとその解決法がしっくりこなかった。

  • 【感想】
    ・なぜ、古事記の世界が世界的な事象に通じているのだろう? とか思うがそれぞれの国ではそれぞれの伝わりかたをしている、ということにしておこう。

    【一行目】
     岡倉ひかるは、黒々と渦を巻く大蛇のとぐろの中にのみこまれていた。

    【内容】
    ・カクレドから脱出成功したがかなり危うかった。
    ・先の脱出でうっかり現世に連れ込んでしまった黄泉ツ神がちょっと暴れる。
    ・疑問だった猿の正体が判明。予想通り。
    ・そして、ラストミッション。チーム・カンナギ全員強制参加。

    ▼来栖の丘学園についての簡単なメモ

    【アキナ】アレイの妹。小学生。四年生。ゴシップ収集能力が高い。対象は家族も例外ではない。
    【天ツ神】この世の生物の中に遍在する。
    【天音/あまね】神の原語。人間にとってはメロディのかたちで顕現する。ヒカルはその音を受信して再生することができる。
    【アレイ】主人公。十三歳で中学生の男子。中高一貫校では八年生。第一巻表紙カバー絵の逆さになってる方が彼だろう。変化が嫌いで判を捺したような日々が続くのが好み。家を右足で踏み出し、きっちり六百二十歩で校門の前に立ちそこから百十六歩で昇降口に到着する。偶数が好みのようだ。いや~けっこう異常な人ですわ。どうやらデタラメな世界から自分を守るためにきっちりしたものを探している感じがある。常に平均を求めているがたった三人のクラスのアベレージをつかめず困惑。夢の中で猿と見つめあってなんかに誘われた。一度記憶したことは決して忘れない。本名は森有礼から取って「有礼」と書いて「ありのり」と読むようだがアレイは記憶力抜群の稗田阿礼にシンパシイを感じたのでアレイで通すことにし親もそれに同調しているようだ。膨大な知識量を表に出さず試験もわざと間違えたりして成績上位ではあるが特別ではない位置をキープしている。カンナギネームは開く者か、唱える者。Qが開く者だとするならば唱える者となるが何を唱える? 絶対記憶が必要になるのだろうが? ヒカルの演奏に既知感があるというのがとっかかりか。
    【アレイの母】自分の時間を楽しむときには携帯を切るのがマイルール。
    【磯谷守/いそたに・まもる】数学教師で男子二人しかいない九年生の担任で生徒指導も受け待っている。
    【伊波甲大/いなみ・たかひろ】アレイたちの担任。七、八、九年生の国語を担当。悪い人ではないのだろうけどなんとなく腹立つタイプの行動を取る。
    【大石春来/おおいし・はるこ】→ハルコ
    【大森勇人/おおもり・はやと】七年生。陸上部。やせたのっぽ。
    【岡倉ひかる】→ヒカル
    【鏡池】雷が落ちた。一周一キロ程度で遊歩道があり陸上部のランニングコースでもある。
    【カクレド】この世と黄泉ツ国の間にある異界。黄泉ツ神がつくる。エリア内でかつカンナギ同士が触れあったとき入り込むことになる。
    【カンナギ】各自の中にある天ツ神が一部分目覚めた者。それゆえ「天才」的なところがある。告げる者、開く者、唱える者、奏でる者、閉ざす者、見る者、知る者の七人いる。
    【厩舎修/きゅうしゃ・おさむ】通称「Q」。アレイと同じ八年生。ひょろりと背が高い。近隣では知られた有名な生徒。数学が得意で常に満点。ただし数学以外の能力が著しく欠如している。いわゆる「天才」ってヤツですね。アレイは彼を変人呼ばわりしているが自分もほぼ同じタイプやんかって感じする。カンナギネームは開く者ないしは唱える者。これまでにも何度か脱出口を開いてきたので開く者か?
    【Qの姉】荒唐無稽と思われるQの話をとりあえずちゃんと聞き、アドバイスまでくれた謎の人物。大学生。登場しないがこの人が主人公の話も欲しいかもね。
    【来栖台ニュータウン】アレイたちの両親が戸建ての家を買った未完成の町。
    【来栖の丘学園】アレイとアキナが転校していくことになった新設の小中一貫校。まだ生徒数は少なく、全校で七十一名。本来は八百人まで対応できる。アキナと同じ八年生は三名のみ。ひとりは厩舎修、もう一人は岡倉ひかる。アレイの家から学校まで七百十四歩。中庭を取り囲む形で校舎が「ロ」の字になっている。
    【古事記】このお話は古事記に沿ってる感じ。でも世界的な事象に古事記? まあ、他の国ではそれぞれ異なる呼び名や世界観になっているんでしょう。ということにしておこう。
    【災害】カンナギが失敗し黄泉ツ神たちが現世に出てきてしまうと何か大変なことになるらしい。それは地震やハリケーン、感染症のパンデミックなどいろいろ。今回のコロナもどっかのカンナギたちが敗れたってことなんやろう。
    【佐々木真理子】英語教師。七年生の担任。白くてぽっちゃりしていて中華饅頭っぽい。
    【猿】田代有礼の夢に七日間連続で登場し「クロスの丘に来い」と呼びかけてきた。カンナギの一人だと言う。「告げる者」。神の言葉を告げるときには重々しく語るが自分の言葉ではなすときには関西弁になる。おそらく本当の姿は人間だろう。
    【七人目のカンナギ】ネタバレになるので名前は隠しとこう。普段は普通の人でその中に隠れている。カンナギ一族の出身で「プロのカンナギ」だとか。カンナギネームは「知る者」。
    【正田昌彦/しょうだ・まさひこ】→ピコくん
    【田代明菜】→アキナ
    【田代有礼/たしろ・あれい】→アレイ
    【谷進一/たに・しんいち】五年生の担任。
    【天才】内部にある天ツ神が活性化した者のこと。
    【萩本将/はぎもと・しょう】七年生。陸上部。やせたちび。
    【ハルコ】大石春来。七年生。音楽部。アレイにラブレターをよこした。怪力。カンナギネームは「閉ざす者」。おそらくタヂカラオの役割か?
    【ヒカル】岡倉ひかる。アレイと同じ八年生。小柄な女子。身長153センチ。他県から来た。一度聴いたり楽譜を見た曲を暗譜で演奏できる。カンナギネームは「奏でる者」。
    【ピコくん】一年生。行方不明になった。予知能力ないしは天ツ神に送られたビジョンを見ることができる。カンナギネーム「見る者」。
    【部活動】生徒数の少ない来栖の丘学園では五年生から九年生までは全員部活動を義務づけられている。とりあえず現在存在するのは卓球部、陸上部、音楽部、創作部の四つだけ。
    【松島恵/まつしま・めぐみ】六年生担任。
    【南真知子/みなみ・まちこ】音楽教諭。
    【森本】美術教師。
    【安川】七年生で小柄な男子。かすかな関西弁のイントネーション。アレイを苛立たせるお調子者。
    【黄泉ツ戦/よもついくさ】黄泉ツ神の先兵。黒い影のような存在。さまざまな形になる。
    【黄泉ツ神】チャンスがあったらこの世に出てこようとする。出てきてしまうと何か大変なことになるらしい。今で言うなら新型コロナウイルスみたいなもんかもしれない。
    【黄泉ツ国】黄泉ツ神が追いやられている。
    【陸上部】アレイ、七年生の萩本将、大森勇人の三人だけ。最年長のアレイが部長に祭り上げられた。顧問は伊波。足は速いがやる気はなしで放任主義。アレイはしんどい思いはしつつも走ることの心地よさも感じ始めている。

  • 一気に読んだ。面白かった。
    最終決戦はまさにハラハラ。
    一気に読んで、読み返したい。

    古事記や笛吹男の話は内容を知っていたけれど、数学の話とかちょっと調べてQの言ってる意味理解したいと思った。中高生にオススメというの納得

  • 先入観なく読み始めたので、最初はアスペルガーの子たちのお話だと思ってしまいました…。
    古事記、ハーメルン、ストーンヘンジ、そして円周率!興味あることばかりだったので、最後にタイトルの意味もわかってスッキリ!

  • 無秩序な音が、円周率と同じだったなんて、繋がりが凄いです。見開きの、数字の分量の多さに驚きです。文章なのに、視覚の刺激に圧倒されるのも面白かったです。
    しかし、ピコはどうやって連れてきたのか、そこが意外に気がかりです。

  • 子供の頃にこの本と出会っていたら、きっともっと本が好きになっていただろう。

  • ありふれた数字に意味をもたせたくなった。

  • めくる手が止まらない。
    面白い
    新キャラも魅力的。
    知る者がなかなかいい。

  • 三巻とも面白くて一気読みした。
    特にこの三巻は最終巻という事もあり、黄泉ツ神との戦いが白熱していて面白かった。
    図書館で予約して借りたので、少し待ったが、待った甲斐があったと思う。

  • 面白い。まるで少女マンガの世界?いや少年マンガの世界?この作品を元にマンガが描けると思う。全く新しい発想で描かれた作品だ。読みやすい。大人にとっても。カンナギと思われていた猿が実は猿ではなく、最後のカンナギが登場する。意外な人物だが、大勢にはあまり影響しないだろう。猿のままでもいいと思う。そして天音がπ(パイ)つまり3.14159……だったと言う落ちも面白い。何となく続編が期待できそうな気もするがどうだろうか?

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著者プロフィール

1959年生まれ。1991年『クヌギ林のザワザワ荘』(あかね書房)で第24回日本児童文学者協会賞新人賞、第40回小学館文学賞を受賞、1997年「小さなスズナ姫」シリーズ(偕成社)で第15回新美南吉児童文学賞を受賞、2001年『空へつづく神話』(偕成社)で第48回産経児童出版文化賞を受賞、『盆まねき』(偕成社)により2011年第49回野間児童文芸賞、2012年第59回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞、2021年『さくらの谷』(絵・松成真理子 偕成社)で第52回講談社絵本賞を受賞。絵本に「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズ(絵・降矢なな 福音館書店)、「オニのサラリーマン」シリーズ(絵・大島妙子 福音館書店)などがある。

「2023年 『そらうみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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