- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062204026
作品紹介・あらすじ
相手は政敵(せいてき)の娘にして兄の妃(きさき)。危険な恋は時に悲劇をもたらす。藤壺(ふじつぼ)の宮(みや)に似た女性に成長した紫(むらさき)の上(うえ)と夫婦となった光源氏(ひかるげんじ)。しかし理想の女性探しは続き、以前から交際していた兄の妻・朧月夜(おぼろづきよ)の君(きみ)と逢瀬(おうせ)を重ねる。やがて不倫は露見。謀叛(むほん)を疑われた源氏は政界を追放され……。
読むだけで、源氏物語がよくわかる。ハードカバー愛蔵仕様。
感想・レビュー・書評
-
父親である桐壺院が崩御し、後ろ盾を失った光源氏は藤壺の宮の出家のかいなく須磨の浦に隠遁。明石に移って明石の上とできる。3年後に京都に戻る。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心から敬愛していた父が亡くなった。
源氏の心に埋め切れないさみしさが幾重にも重なっていく。
そして亡き母、憧れの女性への思いは募るばかり。
誰からも愛される、そして多くの人を愛してしまう源氏は、自身の過ちもあり政変に巻き込まれ、左遷の憂き目に。
だが、多くの部下たちが源氏と運命をともにすると申し出てくれた。
明石の地で、また運命の出会いが待っていた。
京では紫の上が待っているというのに。
運命の翻弄されるかのように見える源氏だが、その運命の前にくじけることはない。
むしろ、その苦難を楽しんでいるかのようだ。
源氏の発する人間力は、その内側から薫って人々を引き寄せてしまうのだろうか。
家族の悩み。
人間関係の悩み。
そして、生きていくことの悩み。
1000年前も、現代も、そして1000年先も。
人の悩みはつきることがない。
だからこそ、源氏の物語は、いくつもの時代を超えて読み継がれるのだろう。
美しくて苦しい物語は、永遠に続いていく。 -
桐壺帝の死去、右大臣側である兄の朱雀帝の即位、実の子の冷泉帝即位に、明石の上の登場で、これまでの恋愛ものの中心の様相から、政治色がつよくなってきた巻。
田舎娘という自覚から謙虚な明石の上は、昔は魅力が理解できなかったけれど、深い教養を持っていて、源氏とのひと時の恋のために後々苦しみたくないという気持ちが理解出来るようになった。
本当は情熱的で光源氏に惹かれているのに、その恋心に蓋をしようとしている姿にいじらしさを感じました。
光源氏の恋のみではなく、帝と朧月夜の関係も、優しい男性の思いを裏切った自分を自覚して大人になる朧月夜が美しくてよかった。
これだけ登場人物がいながら、女性から受ける印象がどれも異なるのはやはり凄い。 -
かつて紫の上と同年代の頃に読んだけど、あんまり好きじゃなかったな。今は、その悲しみも分かけど。
源氏もやるせない思いをしているのは分かるけど、結局は亡き父帝とおんなじことしている。本当に愛する人の身代わりに愛すこと。 -
這卷主要是桐壺帝駕崩之後,光源氏失勢,又因為染指新主上的尚侍朧月夜(右大臣六之姬),終於離京謹慎,但在暴風雨的因緣際會之下認識了明石入道,也讓其女明石君懷了自己的兒子。京裡疾病流行,大家覺得是違背了先院的遺敕,於是三年源氏再度回京,這回主上讓位,源氏私通的兒子繼位為冷泉帝。
-
源氏が「がーん」となっている個所がけっこうあるけれど、白目でちょっと怖い(苦笑)。あるいはちょっとギャグに見えなくもない。弘徽殿の女御が源氏を嫌う理由がやっとはっきり分かった。自分から桐壺帝を奪った桐壺の更衣の息子だからってことなのね。憎い気持ちが分からないでもない。