ヨーコさんの“言葉” わけがわからん

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062204613

作品紹介・あらすじ

大好評! NHKの人気番組「ヨーコさんの“言葉”」ついに第3弾刊行! 
300万部突破、大ベストセラー絵本『100万回生きたねこ』の著者、佐野洋子さんによるエッセイは、痛快で心を貫く言葉であふれています。ヨーコさんの世界観にぴったりだと大好評の北村裕花さんの250点近いイラストも、オールカラーで収録。

第1話の「神の手」は、芸術家やテニス選手のような神の手を持つ人と凡人の差を、意外な視点から分析。第2話「言葉」では、芸能人から詩人、ヨーコさん本人まで、別れの言葉のオンパレード。本作を読むと、別れの言葉はそんな軽々しく言ってはいけないと思うはず。第5話は「うるさいわね」。母子の関係は今やきれいごとが取り払われ、毒親呼ばわりされる始末。そんなヨーコさんも母親への憎悪を赤裸々に綴る。がしかし意外な結末が。表題作の「わけがわからん」はヨーコさんの夫婦観。ヨーコさんがあっと驚く1+1じゃない夫婦の絆が語られる。バッグ選びで一生後悔するヨーコさんがいる第6章の「私はどちらも選べなかった」。そして第9章では、ヨーコさんの人生の終い方が描かれます。 

第1作、第2作で寄せられた読者のみなさんの感想には、「友人や肉親に広めて、みんな、感動」「なんて奥が深いの」「重いテーマでも前向きなので楽しく読める」などがあり、あらためて本を味わって感じた思いが届いています。

感想・レビュー・書評

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  • 175ページ
    1300円
    5月18日〜5月18日

    人には誰でも得手不得手があること、男と女の違い、幼い頃に選ばなかったバッグにいまだに未練が残っていること、夫婦の不思議、乳ガンと診断されてからの充実した日々などが描かれている。

    最後の2008年冬に描かれている自身のガンについての話が衝撃だった。乳ガンで、寝たきりで韓流ドラマを見ていたら、あごが外れたって所でフッと笑ってしまった。骨に再発し、余命2年死ぬまで1000万円か
    かると言われ、『ラッキー』という言葉にびっくり。『年金がないから、90まで生きたらどうしようとセコセコ貯金をしていた』とか、すぐにジャガーの車を買ったり、やり残した仕事はなかったり、2年と言われたらウツ病が消えたり、人生が充実したという。死ぬとわかるのは自由の獲得だとも。『私は死ぬのは平気だけど、親しい友達には絶対死んでほしくない』という言葉に、あ一わかる、と思った。『死の意味は自分の死ではなく他人の死なのだ』にも激しく共感した。

  • NHKの番組も観てみたいな、、、

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    大好評! NHKの人気番組「ヨーコさんの“言葉”」ついに第3弾刊行! 
    300万部突破、大ベストセラー絵本『100万回生きたねこ』の著者、佐野洋子さんによるエッセイは、痛快で心を貫く言葉であふれています。ヨーコさんの世界観にぴったりだと大好評の北村裕花さんの250点近いイラストも、オールカラーで収録。

    第1話の「神の手」は、芸術家やテニス選手のような神の手を持つ人と凡人の差を、意外な視点から分析。第2話「言葉」では、芸能人から詩人、ヨーコさん本人まで、別れの言葉のオンパレード。本作を読むと、別れの言葉はそんな軽々しく言ってはいけないと思うはず。第5話は「うるさいわね」。母子の関係は今やきれいごとが取り払われ、毒親呼ばわりされる始末。そんなヨーコさんも母親への憎悪を赤裸々に綴る。がしかし意外な結末が。表題作の「わけがわからん」はヨーコさんの夫婦観。ヨーコさんがあっと驚く1+1じゃない夫婦の絆が語られる。バッグ選びで一生後悔するヨーコさんがいる第6章の「私はどちらも選べなかった」。そして第9章では、ヨーコさんの人生の終い方が描かれます。 

    第1作、第2作で寄せられた読者のみなさんの感想には、「友人や肉親に広めて、みんな、感動」「なんて奥が深いの」「重いテーマでも前向きなので楽しく読める」などがあり、あらためて本を味わって感じた思いが届いています。
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062204613

  • ”別れという人生の途中の死は、私達はその魂と肉体で耐えねばならない。たぶん幾たびも幾たびも。”(P38より引用)

    ”人にはやってはいけない事がある。そして人はやってはいけない事ばかりしたがる。しちゃうと当たり前になる。”(P69より引用)

    ”現実を直視する事は、現実に破れる事でもある。”(P128より引用)

    別れ、感情、夫婦についての佐野洋子さんのお言葉たち。どの部分を読んでも非常に力強い。そして直球である。
    北村裕花さんの挿絵は今回も素晴らしかった。時折切ない気持ちにしてくれる絵もあった。
    優れた文章、優れた絵は感情を動かす。

  • 今回のも良かった♪

    「ニ○○八年冬」を何度も読み返した。

    病院帰りにスーパーで買い物するような気軽さで
    ジャガー買うところが何度読んでも刺さる!
    私もこういうカッコいい買い物ができる人になりたい

    ※昔一条ゆかり先生が大根買いに行った帰りだかに新車も買ったというエピソードを思い出した。
    作家さんはこういうカッコいい方が多いのかなぁ?

  • 本文中で「夫婦」について書かれた件、タイトルにもなっている、その8「わけがわからん」が、心に染みた。

    友人夫妻を「社交上の礼儀にある程度武装されている」という表現した文言も、

    「自分の夫婦の関係を他者に理解させようとするとこれも実に困難である。」

    「夫婦は中からは容易に壊れるが、外からつっついて壊そうとしても決して壊れない。
    それは、愛ではなく情だからである。
    愛は年月と共に消えるが、
    情は、年月と共にしぶとくなる。」

    「実にわけがわからん。
    夫婦はわけがわからんのが
    いいのである。」

    すごく、わかりやすく、
    すごく、ステキな文章でした。

    そして、終盤にかかれた、
    イングリッシュグリーンのJAGUARの件。
    そんなふうに、最後を迎えられたら、かっこいいな。と思う。

    佐野洋子さんの「ヨーコさんの"言葉"」シリーズまた読みたい。

  • 帰省中実家本棚。モタさんの言葉を数年前に読んだ。母の本棚でヨーコさんバージョン3冊を見つけて思わず手に取る。世界を斜めから見ているようで正面からぶつかっているような気もする文章。価値観は人それぞれで、幸せの形は人それぞれだよねと感じるようになった最近。本やネットや様々な表現、媒体を通して様々な価値観や考え方に触れることが楽しい。自分の頭で考えるための引っ掛かりをもらえる。そして、その文章や表現はきっと作者の中の一部で、ここで表現されていること以外のものも多いのであろうことを想像する。それで何になるのかはわからないけれど、考えることは楽しい。2020/1/4

  • 谷川俊太郎さんの奥さんと初めて知った。

    花を生けるためにある手、生活のイメージ。
    目の付け所にびっくりさせられる。

  • 大人の絵本。シンプルに考え、シンプルに生きること。

  • ありふれた日常の何気ないことから、時々真理を突いていてハッとする時がある。ふふっと思わず笑ったりもして、読んでいて面白い。

  • 佐野洋子さんは、癌でなくなられたのですね。知りませんでした。淡々と癌がみつかり余命宣告される日々をかかれていて、それがとてもさみしい気持ちになりました。佐野さんのように、余命宣告された日に高級車を買うような、すっきりとした人生を送りたいです。

  • 私にとっての死は自分の死ではなくて親しい友人の死だ。
    激しく賛同。わたしの死生観ぴったり。

  • 人間が月に降り立ったことを喜べない人もいるんだと知って、価値観は多様だと改めて思いました。人類の進歩は、誰もが望んでいることだと信じてやまなかった自分をまだまだ視野が狭いと思い知りました。

    そして、『月は昔を思い出すためにある』
    すごく素敵な言葉で、月が出るのを心待ちにしました。読んだ日の月は、三日月がクスクス笑っているように感じました。

    『死ぬとわかるのは自由の獲得』
    死ぬとわかった時、ジタバタしないように生きているつもりですが、いざそうなった時にどんな自分でいるんだろうと思いました。
    こんな風に割り切って残りの人生を楽しむ程、今を生きているのか考えさせられました。わかっているようで忘れてしまう、『今を生きる』ということはすごく難しいことです。

  • シリーズの3冊目。
    どれもヨーコさん節というか小気味いい。

  • 『結婚というものに対して、イメージを生きる人と現実を生きる人というジャンル分けもする。(中略)現実を直視する事は、現実に破れる事でもある。

    しかしイメージは死なない。イメージの前に現実や真実はふみつぶせばよいのである。』

    佐野さんは2回結婚されて離婚されています。結婚に対してイメージが沸かず現実的に考えていたそうです。

    佐野さんのご友人は学生時代「結婚したら朝クロワッサンとコーヒーを淹れてお花を飾りたい」とかいうまさにお花畑イメージを結婚に抱いていたが、結婚後、大切なイメージである花の絶えない家で「お金が本当にないのよね」と言いながら大きな家で立派に子供を育て上げているという。

    これは現実にイメージが勝ることもあるという考え方と思え(実際に金があるなしに関わらず、"現実"をそのまま捉えるかイメージで捉えるかでものの見方が変わるというような)興味深かった。

    とはいえ月面着陸に対してかなり否定的な意見を持たれているので(そこは現実的ではないんやね)★1個マイナスとしました…宇宙はロマンだからさ…。

  • 佐野洋子さんの文、北村裕花さんの絵、このお二人の二人三脚、アスリートもかなわないでしょうw。「わけがわからん」、2017.1発行です。①私が一番嫌いな写真は、人間が月面を歩いている写真だ。「あんた、何しに行ってるの、用もないのに」。お月さまはうさぎが餅ついてるだけでいいの。月は昔を思い出すためにあるのだ。②愛は年月と共に消えるが、情は年月と共にしぶとくなる。夫婦とは愛が情に変質した時から始まるのである。夫婦はわけがわからんのがいいのである。

  • 佐野洋子氏のさらりと宣う言葉に、そうそうそうなのよ!と相槌を打ちたくなる。
    この本は、第3弾だが、1,2弾も面白かった。
    そして、北村裕花氏の絵。
    繊細な緻密なえでないし、作者を美人にも描いてないのに、親密感と、作者の言わんとするイメージを、表していて、凄く読み易い。
    ふとすれば、重たい話なのに、それを、上手く表現している。

    野に咲く花でさえ、器にこだわりなく、楚々と花を上手に生けるのに、裁縫がダメな人、料理が下手なのに、実業家になった人、色んな人は、努力して成しえた手をしている。
    夜寝れなかった時、作者は、どうしたのだろう。
    月夜を眺め、親からのDNAを考え、子供時代 品物を選びに今でも未練のある選択だったかと、、、
    学生時代の結婚論を語った友。
    夫婦とは、、、愛は年月とともに消えるが、情は年月とともにしぶとくなる。
    佐野洋子氏の 情は深くなるという言葉でなくしぶとくなるという言葉に、上手いと、思う。
    乳がんで、自分の残りの生命時間を知って、開き直ったのか、好きなことが今思う存分できると、、、、
    ジャガーを即購入し、好きな料理を作り、鬱病も改善した今、死ぬとはわかるのは、自由の獲得と同じと、、、、

    自分の一生はいい一生だったと、思えるような気持ちになれるかな?と、思いながら、身内が段々少なくなっていくことに、悲しみを感じる自分が居る。
    死の意味は、自分の死でなく他人の死である。
    悲しみは、自分ではないのだと。

  • いつも心にスッと入ってくる〜。
    以下引用。

    〝私は死ぬのは平気だけど、親しい好きな友達には絶対死んでほしくない。
    死の意味は自分の死ではなく他人の死なのだ。〟

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家。ベストセラー『100万回生きたねこ』のほか『おじさんのかさ』、『ねえ とうさん』(日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)など多数の絵本をのこした。
主なエッセイ集に、『私はそうは思わない』、『ふつうがえらい』、『シズコさん』、『神も仏もありませぬ』(小林秀雄賞)、『死ぬ気まんまん』などがある。
2010年11月逝去。

「2021年 『佐野洋子とっておき作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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