風神雷神 風の章

著者 :
  • 講談社
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062207157

感想・レビュー・書評

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  • 扇屋「俵屋」の養子となった伊年。俵屋の扇は日に日に評判を上げ、伊年は「平家納経」の修理を任され…。「ジョーカー・ゲーム」の著者が、世界が憧れた謎の絵師・俵屋宗達を描く!

    主人公の俵屋宗達に本阿弥光悦や出雲阿国といった同時代の有名人を絡めた興味深い物語が展開する。連載モノだけに重複があるが、それも気にならない。柳広司の新境地だろうか。
    (B)

  • まさしく、絵と書による相互作用(セッション)だ。

    プロフェッショナル×プロフェッショナル×プロフェッショナル×プロフェッショナル
    それぞれの領分でそれぞれが最高の仕事をすると、それはもう素晴らしいものになるよね

  • 柳広司による俵屋宗達。いつものミステリーよりは、やはりキレがない。スラスラ読めるけど。

  • 俵屋宗達の「風神雷神図屏風」には数年前の国立博物館で尾形光琳のものと同時に展示している展覧会を見て以来痺れてしまっています。乱暴な印象として琳派って括られているけど光琳がデザインなのに対して宗達はアート、みたいに受け取りました。たまたま美大で教員をしている友人との宗達の創造性についての議論になり、その圧倒的アートの天才は本阿弥光悦からの脱却を図りたかったのだ!との私見を聞いたばかりで、この本を手にしました。上巻はなんかそんな感じの展開…さてさて、いざ下巻!

  • 風神雷神図屏風で有名な絵師、俵屋宗達さんのお話。
    評伝と小説の間くらいの書き方ですかな。
    柳さんの文章読みやすいし、面白いからどっちでもいいけどね!
    琳派ってのがまず普通じゃなくて、気になる存在じゃないですか。その成り立ちがこんなに楽しく理解できるなんてステキだ。
    宗達さんも天才肌なのに謙虚な好青年に描かれててかわいいけど、本阿弥光悦さんが寛容で茶目っ気のあるナイスミドルで萌える。何と若者の才能の育て方の上手いことよ。
    下巻・雷の章が図書館の予約待ちなのだ……早くこないかなー。

  • 僕の知識は乏しいが、この作品は作家柳広司初の時代物なのではなかろうか。とわ云っても、物語の視点は常に現代にもあり、今風の解釈の中でお話は進んでゆく。このあたりがたぶん柳広司らしくて、まあ、面白い。さて「雷の章」はどうであろうか。

  • 俵屋宗達の生涯を描いた話。上巻。
    絵に対する集中力が尋常ではないところを見込まれて扇屋「俵屋」の養子になった伊年。時代は秀吉の晩年から徳川幕府の初期、南蛮貿易で輸入された異国の品々や出雲阿国の踊りなど、さまざまな意匠を取り入れて新たな芸術を切り開いてゆく。
    平家納経の修繕、本阿弥光悦と嵯峨本の制作など一つ一つ難関を乗り越えてステップアップしてゆく伊年が読みどころ。絵だけではなく、当時の文化全般も面白い。下巻が楽しみ。

  • 図書館で借りた本。表紙は有名な風神雷神の屏風絵。内容は屏風絵の作者である江戸時代の絵師、俵屋宗達の半生。
    風の章は豊臣秀吉の晩年から徳川家康の時代。
    アホな子と思われていた幼少時代、でも絵を描く時の集中力が半端なかった。その才能を見出した養父。扇屋を継がせ絵に専念させたら京の町では大人気。売れまくり。そして厳島神社の平安時代の絵の修復作業をきっかけに書の達人の本阿弥光悦、紙製作の達人の紙屋宗二、豪商の角倉与一との共同作業で絵巻を完成させ世間の評価が高まるのだが時代はキリシタン排除、文化人排除の方向に。次は雷章に続く。

  • 俵屋宗達の半生。前編。

  • 上巻読了

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著者プロフィール

一九六七年生まれ。二〇〇一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で第十二回朝日新人文学賞受賞。〇八年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞。他の著書に『象は忘れない』『風神雷神』『二度読んだ本を三度読む』『太平洋食堂』『アンブレイカブル』などがある。

「2022年 『はじまりの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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