- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062561181
作品紹介・あらすじ
生涯にわたって自分の夢を記録しつづけた名僧・明恵の『夢記』を手がかりに、夢の読み方、夢と自己実現の関係、ひいては人間がいまを生きるうえで大切なこと等をユング心理学の第1人者、夢分析の大家が実証的に説く。夢で生き方が変わることもある……。
第1回新潮学芸賞を受賞した、人間の深層に迫る名著。
感想・レビュー・書評
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たまたま歴史的に興味があったので読んでみた。
鎌倉という時代は 稀有な仏僧たちが 生まれている背景
など 臨床心理士という立場で 日本民族の精神構造等々
形成していく過程で 大きな役割を担ってきたのではないか…
という ところに 触れているのも 関心が持てた。
あまり 明恵のことについては 知らなかったがこれを機会に
明恵のことなども 知りたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「明恵 夢を生きる」河合隼雄著、講談社+α文庫、1995.10.20
392p ¥880 C0111 (2022.12.14読了)(2008.02.23購入)
前から気になっていた本です。北条泰時の「貞永式目」が明恵上人の影響のもとにつくられた、という情報に接したので、この機会に読んでしまうことにしました。
この本は、明恵上人の『夢記』を心理学者の立場から読み解くのが主なテーマなので、「貞永式目」に与えた影響がどのようなものであるかについては、触れられていません。
山本七平著『日本的革命の哲学』が紹介されていますので、そちらを読むのがいいのかもしれません。また、明恵上人のことについては、白洲正子著『明恵上人』を読むのがいいのかもしれません。この本の内容については、よくわかりません。フロイトの『夢判断』でも読んでみた方がいいのかもしれません。本当は、ユングがいいのでしょうけど、手元にあるのは、フロイトの本です。
【目次】
文庫版まえがき
第一章 明恵と夢
第二章 明恵とその時代
第三章 母なるもの
第四章 上昇と下降
第五章 ものとこころ
第六章 明恵と女性
第七章 事事無礙
注
あとがき
本文索引
●イデオロギー(101頁)
イデオロギーは善悪、正邪を判断する明確な基準を与える。
●存在そのもの(101頁)
存在そのものは善悪とか正邪とかをこえているのではなかろうか。
●婬戒(107頁)
仏教は本来、戒律を守ることの厳しい宗教である。しかしながら、現代のわが国の仏教界を見てみると、仏僧で仏教における戒を守っている人はきわめて少ない。
戒の第一である婬戒を陰で破るなどというのではなく、公然と破ってしまっている
●貞永式目(298頁)
承久の乱後に北条泰時が制定した「貞永式目」は、わが国法制史上きわめて画期的なものであり、明治憲法に至るまで、長期にわたってわが国を支える有効な「法」として活用されることになった。泰時が「貞永式目」を制定するにあたって、その原理的背景として明恵上人が存在した
☆関連図書(既読)
「ユング心理学入門」河合隼雄著、培風館、1967.10.30
「子どもの宇宙」河合隼雄著、岩波新書、1987.09.21
「昔話の深層」河合隼雄著、講談社+α文庫、1994.02.18
「ユング心理学と仏教」河合隼雄著、岩波書店、1995.10.20
「中年クライシス」河合隼雄著、朝日文芸文庫、1996.07.01
「日本文化の新しい顔」河合隼雄・日高敏隆著、岩波ブックレット、1998.01.20
「こころの処方箋」河合隼雄著、新潮文庫、1998.06.01
「中空構造日本の深層」河合隼雄著、中公文庫、1999.01.18
「未来への記憶(上)」河合隼雄著、岩波新書、2001.01.19
「未来への記憶(下)」河合隼雄著、岩波新書、2001.01.19
「昔話と日本人の心」河合隼雄著、岩波現代文庫、2002.01.16
「神話と日本人の心」河合隼雄著、岩波書店、2003.07.18
「泣き虫ハァちゃん」河合隼雄著・岡田知子絵、新潮社、2007.11.30
「生きるとは、自分の物語をつくること」河合隼雄・小川洋子著、新潮社、2008.08.30
「河合隼雄スペシャル」河合俊雄著、NHK出版、2018.07.01
(「BOOK」データベースより)amazon
生涯にわたって自分の夢を記録しつづけた名僧・明恵の『夢記』を手がかりに、夢の読み方、夢と自己実現の関係、ひいては人間がいまを生きるうえで大切なこと等をユング心理学の第一人者、夢分析の大家が実証的に説く。夢で生き方が変わることもある…。第一回新潮学芸賞を受賞した、人間の深層に迫る名著。 -
生涯にわたって自分の夢を記録しつづけた名僧・明恵の『夢記』を手がかりに、夢の読み方、夢と自己実現の関係、ひいては人間がいまを生きるうえで大切なこと等をユング心理学の第1人者、夢分析の大家が実証的に説く。夢で生き方が変わることもある……。
第1回新潮学芸賞を受賞した、人間の深層に迫る名著。 -
勧められて読んだ本。鎌倉時代の日本に、夢を分析して生き方の参考にしていた人がいたとは驚きである。また、明恵上人自身の生き様も知ることができた。仏教とはなんなのかについても深く考えさせられた。
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滋養に満ちている本。個人的には空を飛ぶ夢がみたい・・・。
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心理学と宗教、そして夢が古文なので・・読みにくい部分、多々あります。なので★4つ。
明恵の宗教に、そして市井に生きる心のありよう--あるべきやうは--につてい触れることは自分の現在のあり方の愚かな点に気づかせてくれます。
そして、河合先生の明恵の体験に対する広い態度がとても素晴らしい。
自分の行き方を方向付けるためにも読んでよかったと思わせてくれる1冊です。 -
親鸞とは別の角度で人間的な出家者。
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河合隼雄 「 明恵 夢を生きる 」明恵上人の夢を心理学的に考察した本。夢診断、明恵の人生や思想、仏教世界をわかりやすく説明。
夢を生きるとは
*覚めた目で自分の夢を見る〜自分の夢を主体的に体験し深化して自らのものとする=自己実現
*夢が発展することは その人の心の発展
雨が降ることにより 小さい池が 大きい池につながる夢
*小さい池=禅観、大きい池=諸仏菩薩、雨=修行
金色の二羽の孔雀の夢
*明恵の精神の高揚を示す
*二→華厳と真言、父性と母性、心と体、合理と非合理...統一
あるべきやうわ=明恵の生き方
*時により 事により その時その場において、「あるべきやうは何か」問いかけ、その答えを生きようとする