高校数学でわかるシュレディンガー方程式―量子力学を学びたい人、ほんとうに理解したい人へ (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062574709

作品紹介・あらすじ

最もわかりやすいシュレディンガー方程式の入門書。高校数学レベルの知識さえあれば、量子力学の最も重要な方程式あのシュレディンガー方程式に到達できる!シュレディンガー方程式を理解しなければ、ほんとうに量子力学を理解したことにはならないのだ。『高校数学でわかるマクスウェル方程式』の著者による待望の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 元々理数系の人ならシュレディンガー方程式の感覚はつかめると思うが、量子力学の全ては網羅してないので注意。
    解析力学の観点が説明ないが、ハミルトニアンが少し出るだけで、多分わざと説明してないと思う。
    シュレディンガー方程式を、運動量、エネルギー保存則、波動関数、複素関数の微積分だけで導いているのは理解しやすい。
    シュレディンガー方程式が電子が波動の性質をなぜ表すのか、肝心の理由は読み込んでボーアのモデルからようやく理解できた。
    第3部で数値解析で解くのは具体的で理解しやすいし、多分今はコンピュータのお陰で普通なのだろうと思う。

  • 物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
    東大OPACには登録されていません。

    貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
    返却:物性研図書室へ返却してください

  • とても簡潔かつ丁寧にシュレディンガー方程式を導き出すさまを解説してくれています。テイラー展開やオイラーの公式、フーリエ級数あたりは高校数学より先の内容ですが、どういうものかはわかる様に説明してくれています。自分の記憶では、理系学部の1年生で習うくらいのはなしでしょうか。筆者もおっしゃられていますが、紙と鉛筆をもって、泥臭くも愚直に手を動かしてみれば、式の変形を追ってシュレディンガー方程式にたどり着くことができました。

    見通し良く簡潔に説明してくれているのですが、私には以下の2点がどうしてそうなるのか、よくわかりませんでした。

    ●P61
    (運動量演算子と運動量の値の関係式)この式を使って運動量を求めるには、実は、波動関数ψの複素共役ψ*を左側からかけてその積分を取ればよいのです。

    ●P62
    右辺の∫[-∞, ∞]ψ*ψdxは波動関数の振幅の2乗を表します。これがどのような物理量を表すかは論争がありましたが、ボルン(1882~1970)によって、このψ*ψは、ある場所xに電子が存在する確率(存在確率)を表すと解釈されるようになりました。

    良い副読本が見つかれば、この点について調べてみたいと思います。

    第3部では、表計算ソフトを使って、波動関数をグラフで視覚化する方法が解説されています。出版社のウェブサイトからExcelファイルをダウンロードすることもできます。一見ややこしそうに見えた微分の式も、差分の値を繰り返し算出プロットしてグラフ化してしまう方法が解説されています。華麗な式の操作をしなくても初期の値を与えれば、ゴリゴリとその続きの値を力ずくで算出してしまう計算機パワーの威力の利用法が分かり面白いです。

    この1冊ですべてが理解できるわけではありませんが、これを手掛かりに副読本を見つけて芋ずる式に調べていけば、もっと深い学習ができそうです。とっかかりとしては最適な学びの地図になる本なのだと思います。

  • (2017年2月のブログ内容を2020年11月に転記したものです)

    数学史入門書としては面白かったですが、「シュレディンガー方程式がほんとうにわかる」というところまでいくかといわれたら微妙なところ。
     ① 高校数学の範囲で何とかしようとしているところ
     ② ブルーバックスのページ数
    がかなりきつい制限になっているような気がします。
    途中でしれっと数式を動かすのを他書に譲っていたり、難しい式変形を省略してあったりしますので、論理的に読み進めていくことは難しいかも……。

  • 偏微分やテイラー展開もバンバン出てきて、高校数学では分からないと思う。

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/Schroedinger_equation.html【書評】『高校数学でわかるシュレディンガー方程式』 : なおきのブログ

    この『高校数学でわかるシュレディンガー方程式』。秀逸です。分かり易い。ただ、「高校数学で分かる」というのはちょっと語弊があるかもしれません。というのは、偏微分方程式が出てくるから。理系クラスで微分方程式が得意であれば問題ないでしょうが、文系クラスで微分方程式を習っていないと、さすがに無理です。しかしそれでも、本書は分かり易い。理系大学一年生クラスにお薦めです。

    <目次>
    第1部 シュレディンガー方程式への旅
    1 量子力学の誕生
    2 波を表す式
    3 シュレディンガー方程式
    4 波動関数とは
    第2部 原子の姿
    1 波としての電子
    2 量子数とはなにか
    3 核と核分裂
    4 エレクトロニクスと量子力学
    第3部 シュレディンガー方程式を解く――計算編
    1 解析的に解く
    2 数値的に解く
    3 外からの影響がある場合

    2018.04.09 読書開始
    2018.04.11 品川読書会で紹介する。
    2018.04.11 読了

  • 熱力の方は以前すごくテストに役立ちました

    それをきっかけに購入した本

  • 授業的に、丁寧に、シュレディンガー方程式の構成と解法を解説した本。高校生向けということで、本格的な計算は出てこないが、数式を辿って、数値を入れて計算する過程をたどることは楽しい。

  • 懐かしいΨという記号と再会した。もう40年近く前に量子論を勉強した時は、最先端に触れている思いがしたが、改めて読み直すと過去の学問に触れている感じがする。それだけ量子論に対する受け入れが浸透してきたということだろう。易しい数学の展開で解説していて、溶け込みやすい。

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著者プロフィール

1960年徳島県生まれ。1985年大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期課程修了。理学博士。富士通研究所研究員、マックスプランク固体研究所客員研究員などを経て、1997年早稲田大学理工学部(現在は先進理工学部)助教授、2002年より同大学教授。ブルーバックスに『高校数学でわかるマクスウェル方程式』『高校数学でわかるシュレディンガー方程式』『高校数学でわかるフーリエ変換』など「高校数学でわかるシリーズ」が10タイトルあり、多くの読者に支持されている。

「2019年 『高校数学でわかる複素関数 微分からコーシー積分、留数定理まで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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