高校数学でわかるシュレディンガー方程式―量子力学を学びたい人、ほんとうに理解したい人へ (ブルーバックス)
- 講談社 (2005年3月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062574709
感想・レビュー・書評
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大学の教養課程で跳ね返されたシュレディンガー方程式を理解したくて手に取った。1回読んだだけで全部理解したとは言い難いが、あの時の講義が自分の専門にいったいなぜ必要だったのか、やっとわかった(遅い!)。
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量子力学・量子化学全体から見ればほんの入り口といったところなんだろうけれど、量子数やパウリの排他律・レーザやトランジスタへの応用にまで触れているあたりが凄い。これから大学の理工系学部に行く学生が読めば、基礎科目の見通しが良くなること間違いなし。
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入門書としてはとても良い。高校レベルの数学で理解できるよう、ややくどく書かれているが、物理をきちんと学んでいない立場からすると、役にたちました。
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本当に高校生がわかるかというとちょっと疑問もあるなあ。少なくとも高校で理科系だったワタシには、十分理解はできなかったと思う。繰り返し読めばわかるのかもしれない。けれど量子力学というのがどういうものなのかおぼろげにつかめたし、求めていたものとちょっとはずれていることにも気が付いた。
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簡潔にして、量子力学の深奥に迫る好著。成功の要因は「高校数学で分かる」という前提を設けたことだろう。すいすい、ぐいぐい読める。
おまけで、マイナスかけるマイナスがプラスや虚数iの歴史的記述なども面白かった。スピンやパリティなどの概念も取り上げている。
・不確定性原理が式で導かれたところ:位置と運動量、時間とエネルギーは同時に正確には測定できない。
・パウリの排他原理が働くのは、フェルミ粒子(電子、クォークなど)だけで、ボーズ粒子(光子、中間子)には働かない。
・摂動:主要な力に対して、付加的な力の作用をいう。 -
シュレディンガー方程式を導くのに
①「ψ=Aexp(kx-ωt)i」(波動関数=振幅A×位置と時間を変数とする複素関数)
②「E=hν」(エネルギー=プランク定数×振動数)
③「p=h/λ」(運動量=プランク定数÷波長)
④「T+V=E」(力学的エネルギー保存則)
⑤「(偏)微分と積分」
しか使っていない。驚きです。
高校で習わない知識(オイラーの公式や複素関数の微分など)はきちんと解説が付いている。
導出した方程式の意味や解き方の解説もあり、専門書に移る前に読んでおくと便利。
ハイゼンベルクの不確定性原理の説明もあり、量子力学の勘所をよく押さえている感じがします。 -
シュレディンガー方程式の解き方を、微分や極限の知識だけで解いてしまおうという本であるが、理解には大学数学の範囲である複素関数や偏微分、微分方程式も必要である。タイトルは高校数学レベルを習得した人がわかるという意味である。量子力学ができた経緯は興味深かったし、量子力学で触れられる事項である原子の形や、二重スリット実験、フェルミ粒子とボース粒子、スピンなどにも触れられており、読み応えがある本だった。
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正直ついていけなかったが、大学教養課程レベルの数学力があれば十分ついていける。
内容は歴史と実践両方に充実している。 -
「高校数学でわかる」ように書かれているが、「高校数学*が*わからない」自分としては、途中で挫折してしまった。実際に数学が登場するのは、方程式を導く第一部と、それを解く第三部で、これらの間には、量子論の研究者たちの逸話が紹介されており、この部分は愉しく読ませてもらった。多くの研究者が登場する量子論では、研究者たち自体が相互作用してきる感がある。でも、これこそ数学という共通言語の賜物という事を勉強させてもらった。
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門外漢の農学部生にとっては、痒いところに手が届く良心的解説書。
第2部では数式は使わないが、シュレディンガー方程式の応用範囲にも触れているので発展性もある。
高校数学でわかるシリーズは他にも出ているので、そちらも読み進めたい。