カラー図解 進化の教科書 第3巻 系統樹や生態から見た進化 (ブルーバックス)
- 講談社 (2017年8月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062579926
作品紹介・あらすじ
ハーバード大学、プリンストン大学他アメリカの200校以上の大学で教科書として採用され、評価も高い1冊を3分冊にした最終巻。この3巻で進化についての確実な知識が得られる、世界中でもっとも読まれている進化の教科書の決定版。
第1巻では、生命は、そして人類は、いつどのように誕生したのか、進化の歴史が明らかに。第2巻では 遺伝的浮動、自然淘汰といった進化のメカニズムを、集団内での進化の鍵を握る対立遺伝子との関わりを検証しながら解明。そしてこの第3巻で、系統樹や生態を通して、様々な進化について詳しくひもといていきます。
進化の歴史を復元し、謎に迫るために有効である系統樹。形態形質から作る、あるいは化石を組み込むなど、様々なデータから系統樹を作る手法を示します。また、遺伝子情報から作る分子系統樹についても述べ、それを使って生物学上の疑問に迫ります。
さらに、生物の形質や行動には驚くほどの多様性があるが、それがどのような進化メカニズムで生み出されたか、また種間でどのような相互作用をしながら進化するか、など生物のあらゆる進化について触れています。
・眼を持たない動物から、複雑なしくみの眼を持つ動物に、どのように進化したか
・なぜダーウィンフィンチはくちばしの形が多様な14種に変化したのか
・羽毛と鱗の発生は同じ遺伝子に由来している?
・キリンもヒトも首の長さに関係なく、頸椎の数が同じなのはなぜ?
・キリンにはなぜ6mにもなる、必要以上に長い反回神経があるのか
・イルカとサメはなぜ泳ぐときの体の動きが違うのか
などが解き明かされていきます。
生き生きとしたイメージがわくイラストや写真、具体的な例が満載。説明は簡潔で、一般の読者にも楽しく読めるような、こきみよいテンポで話が展開。進化の歴史から最先端の研究まで網羅している。21世紀の進化研究の行き先を示す人類必読のシリーズ完結編。
感想・レビュー・書評
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3巻は系統樹や共進化,行動の進化など。遺伝子と表現型の関係も詳しく,目の進化に代表される収斂進化や,ある機能が出現するはるかに前から関連する遺伝子群が準備されていることなど,印象深かった。
進化はとかく誤解されがちで,半可通で語られていい加減な知識が流布されてしまうもの。こち亀でも雑学(ざつまなぶ)あたりが適当なこと抜かしててオイオイと思ったりも。ポケモンの進化とかメガ進化とかも,いやあれ進化じゃないから!
進化論に言及する前に読んでおきたい良書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブルーバックスの『進化の教科書』シリーズ第3弾。
『進化』というと、それぞれの個体がどう変異したか
というところに注目しがちですが、
『目の進化』『手の進化』『骨の進化』というように
部分部分について注目するというところは
目から鱗な考え方でした。
捕食される側が、生き残るために毒を持つ。
捕食する側は、その毒にやられないように毒への耐性を持つ。
捕食される側は、さらに毒を強くする。
捕食する側は、さらに毒への耐性を強くする。
そうかと思えば、生き残るために生物間で協力をする。
例えば蜜を吸う蜂と花粉を運んでもらう花の関係。
進化って超おもしろいです! -
最終巻となる第3巻は、系統樹についての解説や、種間関係や行動の進化といったやや応用的なトピックスを扱う。
現生分類群の形質や遺伝子、または化石といった限られた情報から系統樹を組み立てる。図示されるといかにも自明なものに見えてしまうのだが、その示し方や、ありうる複数の可能性から絞り込む統計手法など、意外と深い世界がある。教えてもらわないと気づけない。
すべての生命は他種との相互作用の中で生きているので進化のほとんどは共進化であるというのも、言われてみればなるほど。 -
第9章 系統樹
第10章 遺伝子の歴史
第11章 遺伝子から表現型へ
第12章 種間関係の進化
第13章 行動の進化
著者:カール・ジンマー(Zimmer, Carl, 1966-、アメリカ・コネチカット州、サイエンスライター)、ダグラス・J・エムレン(Emlen, Douglas John, 1967-、生物学)
訳者:更科功(1961-、東京都、生物学)、石川牧子(古生物学)、国友良樹 -
形質と行動の進化。図表が効果的に使われており、とても見やすい。進化っていま現在も進化しているんだなあ。
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請求記号 467.5/Z 4/1992
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進化の知られざるメカニズムをDNAによる系統樹そして生態から探る。21世紀の進化研究の行き先を示す人類必読のシリーズ完結編。