瀬戸内の海賊――村上武吉の戦い

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062583220

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  • 瀬戸内の小島、能島を根城に勇名を轟かせた村上水軍の大海賊。同族間の苛烈な主導権争い、毛利方水軍としての信長との死闘、秀吉の調略、そして海賊禁止令による終焉。戦国の海を生き抜いた波瀾の生涯を活写する。
     はじめに
     第一章 海賊の世界
     第二章 能島村上家の成立
     第三章 船いくさの日々
     第四章 信長・秀吉との戦い
     第五章 海上交通とのかかわり
     第六章 海賊禁止令
     付録  海賊の世界を歩く

    うーんなんとも退屈な本であった。もっとも著者の責ではない。自分が余り海賊というものに興味が湧かないせいである。それでも、本書を手にとったのは戦国時代を扱った本だったからである。(出張時に古本で購入したという点も大きい)
    カバー図版は、肥前名護屋城図屏風の安宅船であるが、なかなか良い。本書は、地図や写真が多いのが嬉しいが、水軍の絵が少ないのが残念である。
    舞台が瀬戸内海というローカルなのもつらい。中央の動きがフォローが不十分な気がする。
    村上武吉が庶家から入って惣領家の跡を継いだという見方は面白い。
    (本来あってしかるべき先祖の文書がほとんど見られないという)
    織田家と毛利家の狭間にあって、それぞれが自らの陣営に引き込もうと調略する様子が窺えるのは面白い。この辺りは、単に村上武吉の伝記にとどまらない面白さがある。
    全体的に、踏み込み不足で駆け足に感じるが、読んで得る者はある一冊である。

  • 村上水軍の代表的人物・村上武吉の伝記ということになっているが、村上氏全体(さらには海賊文化全般)に触れている。当世では、海賊=カリブの海賊のイメージが強過ぎるが、略奪者としての顔以外にも、海上の安全保障を担う用心棒だったり、土地(つまり荘園)を土台にする権力への反抗勢力だったり、戦国の世における軍事力であったりと、いろんな顔がある。瀬戸内のような場所においては、一方的な悪者というより、海道全体の秩序をバランスする役割も多かったのだろう。最期は戦国の乱世に翻弄される一門だったが、その操船術は、後の世も毛利藩の中で脈々と受け継がれた。
    瀬戸内(とくに芸予諸島)の、細かい地名が多く、彼の地に不案内なので面白さ半減だったのが残念。しまなみ海道でも通る機会があれば、読み直すのも一興かも。

  • 村上水軍について知ることができる本です。
    毛利氏・大友氏等との関わりも知ることができます。

    地図記載のページがあり、元々地理を知らなくても、
    確認できるためわかりやすいです。

    文章も読みやすかったので、好感を持ちました。

  • 参考になりました。ありがとうございます。

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著者プロフィール

山内 譲(やまうち ゆずる)
1948年愛媛県生まれ。京都大学文学部卒。愛媛県内の高校教員等を経て、松山大学法学部教授。2017年退職。専門は日本中世史。博士(文学)

主な著書
『中世瀬戸内海地域史の研究』(法政大学出版局、1998年)
『瀬戸内の海賊-村上武吉の戦い-〈増補改訂版〉』(新潮社、2015年)
『豊臣水軍興亡史』(吉川弘文館、2016年)
『海賊の日本史』(講談社、2018年)
『伊予の中世を生きた人々-鎌倉~南北朝時代』(愛媛文化双書刊行会、2021年)

「2022年 『海の領主忽那氏の中世』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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