AI原論 神の支配と人間の自由 (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062586757

感想・レビュー・書評

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  • AIと人間の思考原理の根本的違いとして、AIは「他律的」、生き物は「自律的」として原理的にAI(ここでは汎用AI)は生き物になることはできないということを解説した書籍。
    生き物だということは他者からは「不可知的」であるとし、その生き物の行動原理(人間の思考原理も含む)を哲学者メイヤスー「思弁的実在論」の「偶然性」の概念を参照しつつ「自律的」とは「偶然性が必然」であるという考え方から解説。
    そもそも西洋人が汎用AIを人智を超えた存在として位置付けたがるのはキリスト教の三位一体の考え方が染み付いているのではないか、とその西洋人の思考原理も紹介。一方でAIはいずれ人間を知能を超える賢い機械になる可能性が高いという点は一般的なAI論者に賛同。

  • 最終章にこの本の内容を簡潔にまとめているので、そっちから読んでも良いかも

    以下は、読んだ感想
    ・AI関する哲学関係の用語、本を一通りは網羅できる
    ・思弁的実在論
    ・AIのあり方(絶対知を求めるのか、人間の手助けなのか)をしっかり区別したほうがいいよね

  • AIに関して哲学的な議論を展開しているが、難しい。第6章に総括があるが、気になった言葉を列挙してみる.疑似的自律性、不可知性、ニューラルネット・モデル、深層学習、フレーム問題、記号接地問題、オートポイエーシス理論、シンギュラリティ仮説、クラウドAIネット、暫定的閉鎖系、IA(Intelligence Amplifier)、などなど.一神教からきている「創造神/ロゴス中心主義/選民思想」という独断的な思想に対して、反省の意味で文化的多元(相対)主義が生まれてきた由."AIの宗教的背景を知っておれば、「やがてAIロボットが人間のように自律的に、主体として賢い判断を下せるようになる」などといったお伽噺に惑わされることはなくなる." と強調しているが、分かるような気がしてきた.

  • ギブアップしました。
    先日同一の著者の「ビッグデータと人工知能」を読んで、大変に面白かったので選んでみたのですが、こちらはハードルが高すぎました。
    「ビッグデータ・・」と同内容でかなりかぶるのですが、すべてが専門的でテクニカルタームが多く、いちいち理解できません。
    もう少し勉強したらわかるようになるのだろうか。
    理解できないものを無理して読んでいても時間の無駄なので、ひとまずおきます。

  • 人工知能とは?をこの厚さでよくまとまってます。
    なので、もう少しツッコミたいひととか、バックグランドの知識がないとちょっとわかりにくかも。

著者プロフィール

東京経済大学コミュニケーション学部教授/東京大学名誉教授

「2018年 『基礎情報学のフロンティア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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