八ケ嶽の魔神 (文庫コレクション大衆文学館 く 1-2)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062620437

感想・レビュー・書評

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  • 作者の代表作の一つらしい。
    前に読んだ『神州纐纈城』は未完で驚いたので、これもそうではないかとドキドキだったが、ちゃんと完結していた。しかし伝奇小説は未完である方がよいという説もあるし、そういう意味ではこじんまりまとまっている方なのかもしれない。
    一人の姫をめぐった兄弟の戦い、その末裔の山窩族と水狐族の戦いを背景に鏡葉之助という青年の波乱万丈な運命を描いた話だが、この主人公も内面に善と悪を抱え込んだ人間で、「それでいいのか」と突っ込みたくなることもしばしば。種族と種族の戦いで盛り上がるところも、そんな昔の因縁は忘れて仲良くしろよはた迷惑な、と思ってしまう。伝奇小説には向いてないのかも。
    それでも読んでいる間は、次はどうなるのというワクワク感でどんどん読み進んでしまった。豪華絢爛な物語。

著者プロフィール

明治二十年(一八八七年)長野県に生まれる。早稲田大学在学中より演劇運動に参加。大学中退後、大阪朝日新聞社の演劇記者、松竹座の座付き作者となる。病を患い、長野県に戻り「講談倶楽部」「少年倶楽部」などに執筆、怪奇、幻想、耽美的な伝奇小説の第一人者となる。『神州纐纈城』は、昭和四十三年(一九六八年)復刊され、三島由紀夫に激賞される。昭和十八年(一九四三年)死去。

「2023年 『神州纐纈城』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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