神州纐纈城 (春陽文庫)

著者 :
  • 春陽堂書店
3.50
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 24
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394904441

作品紹介・あらすじ

ある春の夜、散歩していた武田信玄家臣・土屋庄三郎は、布売りの老人から、燃え立つばかりの紅い布を買った。布を月光に照らして見えたものは、四歳の時に失踪した父・土屋庄八郎の名……。紅布に誘われて迷い込んだ富士の裾野で見た人間狩り集団、そのまとう経帷子の色が自分の紅布と同じ色と気付いた庄三郎は、そこからさらに怪異の世界に入り込んでいく。神秘的な教団、超人的な人々、本栖湖に浮かぶ水城「纐纈城(こうけつじょう)」……。三島由紀夫がその文章の見事さや現代性、芸術性を賞賛した伝奇小説の傑作!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • "破天荒"とはこういう小説を言うのだろう。
    人の血を絞って纐纈の赤い布を染める水城の城主、富士の樹海に巣食う邪剣の主…外連味たっぷり。作者は明治の教育を受け、早大英文科に学んで劇作家となっただけあって、さすがに文章は美しく、読ませます。
    所謂『伝奇物』として人気がある作品だという事は知っていました。この作品が未完なのは、これはこれで良いのだと思います。

    ちなみに私は、先日「鬼滅の刃」を見ていて急に思い出して読んでみた…って所です。
    以前は河出文庫でも出ていたし、今回は春陽文庫。途切れることなく出続けるという事は、それだけ需要があるんですかね。それとも日本人には「伝奇ロマン」に引き寄せられる血が流れているのでしょうか。まるで纐纈城に引き寄せられる主人公の庄三郎のように、"無明の灯火"を求めて集まってしまうのかな。…自分もだけど。

  • ≪春陽文庫≫新刊『神州纐纈城』(国枝史郎・著)のご案内|春陽堂書店|明治11年創業の出版社|
    https://www.shunyodo.co.jp/blog/2023/05/info_shunyobunko_shinshukouketsujo/

    国枝史郎 神州纐纈城 | 青空文庫
    https://www.aozora.gr.jp/cards/000255/files/1403_41259.html

    神州纐纈城|国枝史郎 三島由紀夫がその文章の見事さや現代性、芸術性を賞賛した伝奇小説の傑作!
    https://www.shunyodo.co.jp/shopdetail/000000000854/

  • 有名な本書、すごい面白いんだけど、未完だったのかこれ!ショック!

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

明治二十年(一八八七年)長野県に生まれる。早稲田大学在学中より演劇運動に参加。大学中退後、大阪朝日新聞社の演劇記者、松竹座の座付き作者となる。病を患い、長野県に戻り「講談倶楽部」「少年倶楽部」などに執筆、怪奇、幻想、耽美的な伝奇小説の第一人者となる。『神州纐纈城』は、昭和四十三年(一九六八年)復刊され、三島由紀夫に激賞される。昭和十八年(一九四三年)死去。

「2023年 『神州纐纈城』 で使われていた紹介文から引用しています。」

国枝史郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×