二人の天魔王「信長」の真実 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062630498

作品紹介・あらすじ

「天魔王」織田信長とは、一体どのような武将であったのか。豊富な文献・資料を縦横に駆使し、従来とはちがった驚くべき実像を浮きぼりにする。信長は父・信秀の嫡統だったのか。出自の解明から数々の奇行、合戦に隠された謎に迫る。そして、もう一人の天魔王・足利義教との対比から「信長」の真実を明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 明石散人による信長についての分析。
    対談形式で読みやすかった。

    作者の信長感がとても面白かった。

  • 単行本は一九九二年十月講談社刊

  • 室町幕府は6代目将軍・足利義教って面白い人らしい…と、どこかでかじって、探したこの本。
    「二人」のもう一人ってのが織田信長で、なーんか思っていたのとピントが違ったみたいでした。
    日本史の素養が足りないせいかもしれないけど。
    でも室町から江戸直前までって、色々あって(って戦国…)面白い時代みたい。

  • ★★★★☆

    古本を整理していたら随分前に読んだ本書が出てきた。

    売る前にもう一度読もうと思って開いたら止まらない。

    本書は著者明石散人と、信長贔屓の小松という人物の対話形式で書かれている。

    明石散人は信長を「優柔不断な田舎大名」と評す。

    それに対する小松の反論ーー一般的な信長評価ーーを明石散人がひとつひとつ崩し、自説を語っていく。

    信長と足利義昭との関係、信長と秀吉・家康・光秀との関係、そして信長と織田家血縁との関係など、どれもはじめは眉唾と思いつつも聞くと膝を売ってしまう魅力的な論ばかり。

    中でも魅力的なのが明石散人が「無類の上」と絶賛する足利義教だ。

    信長をはじめ全ての戦国大名が憧れたとする「義教の恐怖」は絶対君主の理想像として圧倒的な力を感じさせる。

    本書の中でも語られているように、著者は決して信長が嫌いなわけではない。

    彼が嫌いなのは、現在常識とされている、尾ひれがついたいい加減な信長像であって、そもそも真の信長像をこれだけちゃんと見極めようと注力する人間が信長を嫌いであるわけがない。

    だから、信長好きを自認する人が本書を読んで不快に思うのは筋違いであり、むしろ(その論を肯定するかどうかはともかく)これほど信長を愛している同志がいたかと喜ぶべきだと僕は思う。

  • 昔この監修されていたTV番組「謎ジパング」が好きでした。
    二人の天魔王、そのうちの一人はもちろん織田信長ですがその前にも閻魔王がいたとする本です。
    歴史ミステリーを取り扱った本、ともするとフリーメイソンだとか陰謀論に結び付ける傾向が多くみられますが(恐らくそうしたほうが売れるんでしょう)
    この著者は無名の文献にも丁寧にあたっており好感が持てます。
    歴史の謎について深く考えたいという方にはお勧めの1冊です。

  •  信長なんて、たいして強くないじゃん!
     
     上杉謙信もそんな意味の発言を残していますが、納得しきりです。

     信長ファンが読んだらきっと激怒します。

     桶狭間における今川義元の不当なまでの歴史評価がかわいそうになってきました。

  • いや〜、面白かったです。「信長」とサブタイトルにはありますが、作者さんの足利義教への愛がひしひしと感じられます。本当のところはどうなのかなんて、誰にもわからないんでしょうけど、もっと義教が注目されてもいいのでは、とは思いました。

  • 重いんだよね。信長は義教のコピーに過ぎない。桶狭間は奇襲ではなく騙まし討ちだ。姉川・長篠の両戦は信長の勝利ではなく、家康の勝利である。聞いたことも無い新説が次々に展開されるが、どうしてもなじめない。胡散臭さを感じてしまう。でもネタとしては面白い。

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著者プロフィール

1945年東京都築地生まれ。作家。その博覧強記ぶりをかわれ、故・池田満寿夫をはじめ多くの作家、政治家たちのブレーンとなっている。著書に『東洲斎写楽はもういない』『二人の天魔王』『龍安寺石庭の謎』『謎ジパング』『ゲーム』『七つの金印』『日本語千里眼』など多数。

「2020年 『二人の天魔王 信長の正体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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